冷え症の人は、手や足が冷えてなかなか寝つけない、冷えて夜中に目が覚める、などと言った悩みを訴えることが多くあります。
冷えた体では、寝つきが悪く、眠りも浅いため、昼間の疲れを十分に回復できません。
そんな場合は、夜寝る前に体を温める飲み物を飲むと、寝つきが良くなって、ぐっすり眠れるようになります。
秋から冬へ・・・季節の変わり目で、朝晩と日中の寒暖差が大きくなる今頃は、とかく体調を崩しやすいので、夜はしっかりと睡眠をとることが大切です。
そこで、今回は、特に冷え症の方々におすすめの飲み物を紹介します。
■ゆず茶
韓国では伝統茶となっているゆず茶は、ゆずの葉を使うのではなく果実を細かく切って、砂糖で煮たものをお湯で薄めた飲み物です。
飲むと、ほのかに甘みのある甘酸っぱい味がします。
家庭で簡単に手作りできますが、市販品も出廻っています。
ゆずは、冬至の日にお風呂に入れて柚子湯として楽しみますが、これはゆずに含まれるリモネンという精油成分が血行を促進し、体を温めてくれるので冷え症や風邪予防に良いとされているからです。
もちろん、ゆず茶として飲むことでも同じ効果が得られます。
ゆずは、レモンの1.5倍ものビタミンCを含んでいて、柑橘類でもトップクラスに入るほどです。
ビタミンCは、免疫力を高め、活性酸素を取り除いてくれる抗酸化作用を持ち、デトックス効果もあります。
また、ゆずには、不妊症対策に必要なビタミンの一種、葉酸が豊富に含まれています。
ゆず茶のレシピ
<材料>
ゆず:4~5個、砂糖(または蜂蜜):350g
<作り方>
1.ゆずは、よく洗ってから水気をきれいにふき、横半分に切って種を取り除き、果汁
を搾る。
2.ゆずの皮の内側の白い部分を取り、皮を2cmくらいの長さのせん切りにする。
3.煮騰消毒した瓶に砂糖とゆずの皮を段々に重ねて入れ、一番上には砂糖をたっぷり
とかける。
4.最後に搾った果汁を加える。
5.室温で2週間位置いたら、出来上がり。
6.カップに熱闘を注ぎ、そこにお好みの量を入れて飲む。
■生姜を使った飲み物
生姜は、漢方薬にも使われる食材で、様々な効果が期待できます。
生姜特有の辛味成分である、ジンゲロールとショウガオールという成分が、大きな働きをするのです。
生姜を乾燥または加熱させると、ジンゲロールから水分が抜けて、ショウガオールへと化学変化します。
ショウガオールには、血管を拡張して血流を活発にする、胃腸を刺激する、熱を生み出す体の深部の熱を作り出す、抗酸化作用がある、など様々な働きがあります。
つまり、ショウガオールこそ、冷え症の抜本的改善に効果があるとされる成分なのです。
・生姜湯
生姜を使った温かい飲み物の代表とも言えるのが、生姜湯です。
今では、お湯に溶かすだけでおいしく飲める「生姜湯」が市販されていますが、家庭でも簡単に手作りできます。
作り方は、ひとかけらほどの生姜をすりおろすか、生姜パウダーをスプーン1杯分カップに入れて、お湯を注ぐだけの簡単なものです。
風邪の引き始めなどには、生の生姜のすりおろしか生姜パウダーを使った生姜湯を飲んで、体温を上げて発汗させると、ジンゲロールの免疫力を上げる作用と殺菌作用との相乗効果で、早く風邪を治すことが期待できます。
特に、冷え症の体質を改善したい時は、乾燥した生姜パウダーを入れた生姜湯を飲みましょう。
寝る前に飲むと、体がぽかぽかして足先や手先までも温かくなって、寝つきが良くなります。
ただ、生姜は刺激の強い食材なので、 胃腸が強くない人が生姜を摂りすぎると、胃腸の粘膜が荒れたり下痢になったりする場合がありますので、注意しましょう。
生姜湯は、そのままでは辛味が苦手で飲みにくいという人には、生姜を使って美味しく飲める飲み物のレシピを紹介します。
・生姜ココア
<材料>
純ココア:スプーン2杯、生姜パウダー:スプーン1杯、熱湯:150cc
<作り方>
1.純ココアをカップに入れ、熱湯を注ぎ、練るようにして溶かす。
2.生姜パウダーを加え、よくかき混ぜて、出来上がり。
3.お好みで、ハチミツ、または温めた牛乳を少し加えても良い。
<ポイント>
甘味を出したい時は、砂糖の代わりにはちみつを使う。
お湯を少しずつ注いで、よく溶かし、ダマができないようによく混ぜる。
・生姜はちみつ
就寝1時間くらい前にはちみつを摂取すると、質の良い睡眠が得られ、また寝ている間に脂肪を燃焼させる働きがあるので、冷え症の他にもダイエットなどにも効果があると言われています。
<材料>
生姜パウダー:スプーン1杯、はちみつ:大さじ1杯、熱湯:150cc
<作り方>
1.生姜パウダーをカップに入れ、熱湯を注ぎ、よく溶かす。
2.はちみつを入れ、よくかき混ぜたて、出来上がり。
3.お好みで、レモンを少々加えても良い。
■タンポポ茶
タンポポの葉や根を使ったもので、別名「タンポポコーヒー」とも言われます。
コーヒーとも呼ばれるのは、タンポポの根などを乾燥させて焙煎したものがコーヒーのような風味になることから来ています。
ノンカフェインなので、コーヒー好きな人が夜寝る前にコーヒーの代わりとして飲むこともできます。
・血行を促進する
タンポポ茶は、ビタミンや、鉄分やカリウムを豊富に含んでおり、毛細血管を拡張する作用があります。
そのため、タンポポ茶を飲むと血行が良くなり、体も温まるので、新陳代謝が高まり、冷え症の改善に役立ちます。
また、むくみや下痢・便秘の改善や、月経不順や月経痛など女性特有のトラブル解消にも効果が認められています。
・不妊対策にも効果的!
タンポポ茶には、「ショウキT-1エキス」と呼ばれる成分が葉の部分を中心に含まれており、その成分が女性の脳下垂体や視床下部に働きかけることで、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌を増やす働きがあります。
エストロゲンは、別名「卵胞ホルモン」と呼ばれ、女性が妊娠・出産をするために不可欠なホルモンです。
このホルモンが分泌されると、卵胞の成熟が促されたり、受精卵の着床に備えて子宮内膜を厚くしたりと、女性が妊娠しやすい体が作られていきます。
ホルモンのバランスも整えてくれるので、生理不順などに悩んでいる女性に生理を規則正しくしてくれる効果があります。
また、ショウキT-1エキスには、精子を熟成・活性化させるという働きもあるので、男性にも効果があります。
■.黒豆茶
黒豆茶には、大豆と同等の栄養があり、ポリフェノールやイソフラボンといった女性ホルモンを活性化させる栄養素や、レシチン、ビタミンE、そしてたんぱく質まで含まれています。
また、アントシアニンというポリフェノールの働きによって、女性ホルモンのバランスを整え、貧血予防、血行促進作用、血圧を下げる効果があるので、冷え症の女性などには特におすすめのお茶です。
そして、ノンカフェインなので、夜寝る前でも安心して飲むことができます。
■.麹の甘酒
飲む点滴と言われるほど栄養価が高いのが、米麹から作る甘酒です。
ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなどが豊富に含まれており、確かに点滴と同じ成分で、疲労回復効果も高いと言われています。
ブドウ糖は、麹菌によってすでに分解済となっているため、効率良く体内にエネルギー源を吸収でき、代謝を促進させて、体全体が温まります。
とろみがあって胃に滞留する時間が長いので、体の温かさが持続します。
ノンアルコールで、腹持ちも良いので、就寝前など小腹がすいた時にもちょうどよいでしょう。