これぞ、本当の「聞く力」!?…、愚痴を聞いてもらうだけで、病が治る!?

昔から、「病は気から」とよく言われてきました。実際、「プラシーボ(偽薬)効果」と言って、有効成分が含まれていない薬剤(ニセ薬、プラセボとも言われる)によって、病状の改善や副作用の出現が見られることが、医学界では実証されてきました。

例えば、腹痛を訴える患者の中には、本当はどこも悪いところはないのに、単なる「気のせい」で過激に心配する人がいたりします。

そのような場合、医師は、患者を安心させるために、ただの小麦粉を「よく効く薬」と称して処方する場合があります。

すると、あら不思議、そのニセ薬を服用した途端、その患者は、腹痛が治ったと大喜び。

さらに、本当の腹痛であっても、同様のニセ薬で治ってしまうことがあるので、尚さら驚きです。

こうした「プラシーボ効果」が起こる理由は明らかになっていませんが、暗示自然治癒力などが背景にあると考えられています。 

すなわち、患者が、医師を全面的に信頼している場合、まさに「信じる者は救われる」境地であるといって良いでしょう。

そこで、今回は、同様の理屈で、患者の話を「聞くだけ」で、病が治ったという事例について、ご紹介します。

患者の話を「聞く」だけで、病を治す名物ドクター!

かつて、都心にあるクリニックに、「伝説のドクター」と呼ばれた名物ドクターがいました。

何しろ、「最近、どうも体の調子が良くないから、ちよつと、あの先生に診てもらって来るとするか」、こう思い立った時点で、大半の患者の病気はすでに50%は治っているというのです。

 

 

実際に、そのドクターを訪ね、顔を合わせて、あれこれ症状を訴えているうちに、90%以上治ってしまうのだ、とも言われています。

そして、そのドクターがアドバイスと薬で対処するのは、残り数%分でしかない、というのです。

都心の商店街、オフィス街のど真ん中というクリニックの地理的条件と、ドクターのユニークな人柄に惹かれてか、商店主から企業の経営者、エリート・ビジネスマンから型破りの若手実業家、芸能人、ちょっとはみ出し気味のサービス業や自由業の人まで、実に様々な人達が会いに来るそうです。

彼らに共通するのは、ただ一つ。常に”忙しい”人たちだということです。

忙しい人たちですから、ちょっとした風邪や腹痛程度で仕事を休むわけにはいきません。

この、「何としてでも治そう」と考える人たちの治りは早いと、そのドクターは語っていました。

乱暴に言えば、そう考える人たちの軽い風邪や腹痛なら、放っておいても時問さえかければ(休養するだけで)治る程度のものかも知れません。

そういう人たちが、忙しい時間を縫って、ドクターの顔を見に来るのは、それなりの理由があるからでしょう。

このドクターにかかると、「風邪をひいた?そりゃあ良かった!」ということになるそうです。

「良かった、良かった」とは、無論ドクターの信念のような言葉です。「ストレスが体の症状となって現れることによって、心身のバランスが崩れないですむ」からだと説明します。

確かに、「病は気から」と言われるように、現代人の病は、その原因の大半がストレスによるものだとも言われています。

かかりつけのドクターに、日頃溜った不平不満、うっぷんや愚痴をこぼすことによって、ストレスが発散され、心身がスッキリするのでしょう。

とかく競争社会に生きる人たちは、けっして他人に弱みを見せてはならないというプレッシャーを自覚している場合が多いのです。

そんな時に、黙って愚痴を聞いてくれる、信頼できる相手がいるだけでも、心が軽くなるものです。

患者の話を聞いている間、ドクターは、いつも優しい表情で、軽く相づちを打つだけなのです。

まさに、ドクターの「聞く力」と患者の「自ら治そうという強い意思・気力」の相乗効果によって、病に打ち克つ免疫力が活性化し、げん氣を取り戻すのでしょう。

患者は、いつでも歓迎される。

ドクターからしてみれば、軽い病気になってくれたお陰で、また、こうして「会って話ができる」という、ドクター自身の喜びも、ほんの少しは入っているらしいのです。

つまり、患者さんは、いつでも歓迎されるのです。

人は、自分が「相手に歓迎されている」ということが分かると、心が勇気づけられ、自信が付いて、前向きになれるのです。

私たちは、いつ何時訪れても、必ず歓迎してくれる人や場所を持っているでしょうか?

人によっては、行きつけの飲み屋のマスターなどが、ひょっとするとその役割を果たしているのかも知れません。

いつでも気軽に話を聞いてくれる人や医者、願わくば会うだけでホッとできる人を友人に持つことは、心の持ち方やモティベーションに大きな影響を与えると思われるのです。

 

朝晩のキッスは、長生きの秘訣!?

日頃の健康維持のためには、フィジカル(身体)面での健康だけでなく、メンタル(精神)面での健康にも気を付けることが重要なのは、言うまでもありません。

 普段の生活から、余計なストレスやプレッシャーに負けず、穏やかな精神状態で、モチベーションを上げるように心掛けたいものです。

そこで、今回は、ごく何気ない日常生活の上で、誰にでも出来て、健康長寿につながる簡単な「挨拶」の方法について、ご紹介します。

■キスは、「期待のサイン」

毎朝、会社に出勤する前に。奥さんにキスする男性は、そうでない男性と比べると、健康面でどんな違いがあるのかを、昔、米国のある保険会社が調べたことがあります。

その調査によると、キスをする男性は、そうでない男性より平均寿命が実に5年も長く、病気による欠勤率も半分以下だというのです。

また、交通事故に遭う可能性も大変低く、年収も30%多い、という結果が出たそうです。

日本でも、タクシーの運転手が交通事故を起こす日は、朝出がけに夫婦ゲンカをした日が多いと間いたことがありますが、やはり、家庭の悩み事があると、精神的に動揺して、他の事に悪影響を及ぼしてしまうのですね。

ある大学の教授は、教え子の結婚式に招かれると,、決まって次のようなスピーチをすることにしているそうです。

それは、「夫が出勤する時は、奥さんは玄関まで送ってあげ、『行ってらっしゃい!』と挨拶しなさい。また夫が帰宅したら、奥さんは必ず玄関に飛び出して行って、できるだけオーバーに両手を広げ、しかもお隣に聞こえるぐらいに元気な声で「お帰りなさい!」と言って迎えてあげなさい。子どもができたら、一緒にそうするように!」と勧めていました。

それが、「夫を長生きさせ、また成功させ、家族を繁栄させる秘訣です」というのです。

出がけにキスをする、あるいは大きな声で挨拶をする。これは、相手に期待している証拠で、「期待のサイン」を送っていると言ってもよいのです。

期待するからこそ、男性も女性も子どもも老人も「やる氣」を起こし、健康な暮らしを続けたいという意欲も湧いてきます。

「期待のサイン」は、毎朝のウォーキングのように、ずっと夫の健康に役立つのではないでしょうか。

■思ったことを口に出してこそ、伝わることもある。

「家族の間では、口に出さなくても、お互いに期待していることは分かっている。それが日本男子の生き方なのさ」という考え方は、今や昔、時代遅れです。

現代では、思っていることをはっきりと口に出して、相手に伝えることこそ、コミュニケーションの基本なのです。

しかも、人生経験を積んだ人でも、こうした「期待のサイン」を怠っていると、いつの間にか本当に無関心になってしまい、相手に何も期待しなくなってしまう恐れがあるのです。

そうなると、最悪「夫婦別れ」の危機を迎えてしまうことさえあります。

ちなみに、先の教授の奥さんは、ご主人はもちろん、大学生の娘さんや高校生の息子さんにも、この「期待のサイン」を出かける前と、帰宅された時に玄関先で実行しているそうです。

それでは、あなたも今日から夫が帰宅したら、玄関先で隣に聞こえるぐらい大きな声で「お帰りなさい」と言って、キスをしてみましょう。

そして、翌朝。出勤前にも同じようにしてみましょう。

夫の寿命が5年ほど延びるかも知れません。

キスに象徴されるように、何と言っても、夫婦円満は、夫婦揃って健康長寿のための基本ですから。

「冷え症・汗かき」体質を、生活習慣の見直しで改善しよう

「冷え症なのに、汗かき」な体質は、生活習慣を見直すことで、より効果的に改善することができます。

今回は、その具体的な方法について紹介します。

 ■「冷え症・汗かき」の治し方①~生活習慣の見直し・食事編

・バランスの取れた栄養を摂取する

基本的には、発酵食品・味の濃いもの・根菜・紅茶などの体を温めやすい食材を摂ることが肝要です。

また、肉、魚、卵など良質のタンパク質をしっかり摂り、新鮮な野菜や果物などもバランスよく摂りましょう。

ビタミンEには、末梢血管を広げて血流を良くする効果や自律神経を整える働きがあるので、ビタミンEを多く含むアーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、うなぎの蒲焼き、モロヘイヤなどの食材も忘れずに摂りましょう。

同様に、血の流れを良くするショウガ、ニンニク、ネギ類、酢なども積極的に摂りましょう。

一方、香辛料やカフェインは、一時的に汗をかきやすくなるので、あまり摂り過ぎないよう注意しましょう。

■「冷え症・汗かき」の治し方②~生活習慣の見直し・睡眠偏

・寝る前の腹式呼吸で、副交感神経を優位にする

「冷え症・汗かき」の人は、交感神経副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなり、寝つきが悪くなる傾向があります。

さらに、寝ている間も緊張して汗をかき、体を十分に温められずに冷えを招くという悪循環が続くのです。

交感神経の緊張をやわらげ、リラックスして眠りにつくためには、寝る前にリラックスできる環境を整えることが大切です。

自律神経のバランスを整えることにつなげるためには、好きな香りのアロマを焚く、肌触りのいい寝具やパジャマを選ぶ、部屋を間接照明にするなどがおススメです。

また、眠る直前に、仰向けに寝て、お腹に軽く手をのせて、ゆったりとした腹式呼吸を10回ほど行うのも効果的です。 

さらに、寝る時は、首の後ろ、おなか、お尻、足首は、夏でも冷やさない工夫が大切です。

通気性のよい腹巻きレッグウォーマーは、1年を通しておススメしたいアイテムです。

■「冷え症・汗かき」の治し方③~生活習慣の見直し・衣服編

・温度調節がしやすいように、衣服を整える

「冷え症・汗かき」の場合、とかく厚着をしがちです。着過ぎることで、体が動かしづらくほぐれなかったり、汗をかいて冷えてしまうということになってしまいます。

夏の暑さや冬の暖房のきいた室内では、汗をかきやすく、大汗をかくとその後冷えてしまいます。汗冷えしないよう、吸汗速乾にすぐれたインナーを選びましょう。

熱を逃がしやすくするために、トップスは首の開いたものを選びましょう。冷房で寒い時は、ストールなどで首元を覆って、温度調節をします。

また、足元をしっかり温めることが大切です。ソックスレギンス、レッグウォーマーなどを上手に使って、足元の冷えを防ぎます。

一方、ガードルなど締めつけの強い下着は、血流が悪くなりますので、避けましょう。

■「冷え症・汗かき」の治し方④~「冷やす」と「温める」を使い分ける

・冷やす場所と温める場所に気をつける

「冷え症・汗かき」を改善するポイントとしては、熱を感じる上半身に負担をかけないよう、上手に下半身の冷えを解消することです。

そうして、自律神経のバランスを整えることが大切です。

汗をかいたり、ほてりを感じた時に、一時的に冷やして熱を逃がすには、顔、わきの下などを冷やすことです。

逆に、決して冷やしてはいけないのは、首の後ろ、おなか、お尻、足首です。これらは、常に冷やさず、温めるようにしましょう。

・首の後ろ、おなか、お尻、足首を温める

効率よく温めるポイントは、首の後ろ、おなか、お尻、足首です。特に、首の後ろには、皮膚のすぐ下を頸動脈という大きな血管が通り、頭を支える大きな筋肉があるため、効率的に血液を温め、温まった血液を全身に巡らせることができます。

首の後ろを温めることで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整い、全身を効率良く温めることができます。

■「冷え症・汗かき」の治し方⑤~効果的な温め方

・カイロや湯たんぽで温める

カイロや湯たんぽを使って、局部的に温めるというのも有効です。

具体的には足元・腰・肩・ふくらはぎ・お尻がおススメです。特に、足の裏や腰には、冷えを解消するツボもあるので、温まりやすいようです。

・マッサージ

直接揉んで、血流を良くするというのも有効な手段で、冷えている部分だけではなく、特にふくらはぎには全身の中でも滞りやすいポンプがある場所なので、重点的にマッサージすることで、大きく血流改善につながります。

・ストレッチ

「冷え症・汗かき」は、体が緊張するので、その緊張をほぐすことも大いに有効な対策です。

ポイントはやはり、ふくらはぎですが、肩や腰も動かしてあげると、より効果が上がります。

ちょっと、つま先立ちを繰り返してみたりするだけでも良いですし、しっかりと全身のストレッチをしても良いでしょう。

 

いかがでしたか。「冷え症・汗かき」は、「冷え」の症状よりも、汗かきや顔がほてって、のぼせやすいという、どちらかというと、「暑がり」の症状の方が強く、自覚されがちですので、つい「冷え症」であることを忘れがちです。

また、女性特有の更年期障害と間違えやすいこともあるので、自分の症状が果たして「冷え症・汗かき」なのかどうかは、やはり専門医に相談するが重要だと思います。

 

 

「冷え症・汗かき」体質を、漢方で根本的な改善をはかる

冷え症には、いろいろな症状・タイプがあります。

例えば、手足の先が冷える「四肢末端型」、腰より下の下半身が冷える「下半身型」、手足や体の表面は温かいのに内臓が冷える「内臓型」、さらに、全身が冷えてしまう「全身型」・・・等々。

中には、手足は冷たいのに、上半身はほてって、頭や顔、背中、脇の下などにしょっちゅう汗をかく、という「冷え症なのに、汗かき」といった、一見相反する症状に悩まされる、実にやっかいなタイプも多く見受けられます。

特に、「冷え症なのに、汗かき」は、冷え症が進行した重度の症状であるとも言われています。

そこで、今回は、「冷え症なのに、汗かき」の治し方について、漢方を中心とした根本的な改善策をお伝えします。

■「冷え症なのに、汗かき」の原因・メカニズムとは?

そもそも、汗をかくのは、体温を調節するためです。

私たちの体の細胞を始め、各臓器や器官を正常に働かせるためには、体の深部温度を最適温度(37、2℃前後)に保たなければなりません。

運動したり、夏の暑さで体内に熱がこもり過ぎた時は、汗をかいて、その汗が蒸発することで、熱を外に逃がして体温を下げようとします。

ところが、様々な原因により、こうした体の生理的バランスが崩れてしまうことがあります。

その大きな原因の一つが「冷え症」です。

特に、手足や下半身の冷え症では、 下半身の血液の流れが悪く、上半身に熱がこもりやすくなります。

上半身はポカポカなのに、下半身は冷え冷え。ちょうど、暖房を点けた時に天井に近い方は暖かいのに、足元が寒い、という状態と同じです。

熱くなると、体は汗をかいて体温を下げようとします。

ところが、汗をかくと、上半身だけではなく下半身の体温も下がってしまいます。

そして、下半身も冷えてさらに血行が悪くなり、また上半身に熱がこもって、汗をかく、という悪循環に陥ってしまうのです。

こうした、手足など体の一部が冷たいのに、他の一部は熱くほてって、のぼせている症状は「冷えのぼせ」とも言われています。

「冷えのぼせ」の症状は様々です。

汗をかく他、むくみ、眠りが浅い、めまいや頭痛が起きるなど、一見、冷え症とはまったく関係ないような不調となって現れることもあるので、特に注意が必要です。

つまり、「冷え症なのに、汗かき」の原因は、冷え症にあるのです。

■「冷え症なのに汗かき」の治し方①~漢方の活用・理論編

冷え症は、「体が冷えやすい」という体質によるところが大きいので、一時的な対処療法だけではなく、根本的な改善策を図るには、「冷え体質」を改善する必要があります。

そのために有効な治し方として、「漢方」が挙げられます。

体の働きを良くして、症状を抑えていくことを目的とする漢方治療は、熱を作る機能が落ちて、血液の循環が悪くなっている状態の「冷え症」を改善するのに、最適と言って良いでしょう。

漢方医学には「気・血・水(き・けつ・すい)」という概念があり、冷え症の主な原因である血行不良は、これらの異常によって起こると考えられています。

具体的には、血が足りない状態血虚・けっきょ)、血が滞っている状態(瘀血・おけつ)、水分が溜まっている状態(水毒)、気が不足している状態気虚・ききょ)などがあります。

また、幾つかの状態が重なって冷えが現れたり、悪化したりしている場合も少なくありません。

■「冷え症なのに汗かき」の治し方①~漢方の活用・実践編

・漢方から見た、冷え症の状態と代表的な処方薬

A 血虚

体中に栄養を届ける“血”が不足したタイプ。血色が悪く、立ちくらみや手足のしびれなどが起こりやすい。

・処方される代表的な漢方薬

「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」

全身に大切な栄養を与え、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除く。冷え症や生理不順などの人に向く。

十全大補湯」(じゅうぜんたいほとう)
体力が低下気味で疲れ、寝汗、手足の冷え、食欲不振などがある人に向く。

「人参養栄湯」(にんじんようえいとう)
体力の低下が著しく、疲れ、寝汗、手足の冷えがあって温めたい人に向く。

B 瘀血

血液の流れや働きに障害が起こり、熱が運ばれにくくなっている状態。便秘気味で月経痛や肩こり、肌荒れなどを伴う。

・処方される代表的な漢方薬

「温経湯」(うんけいとう)
不眠、更年期障害、足腰の冷えがあって、月経不順やほてりもある人に向く。

「加味逍遥散」(カミショウヨウサン)

気血の巡りを良くするため、ストレスの多い人や冷えのぼせに良い。

C 水毒

体の水分量が多かったり、偏ったりしているため、水分が溜まっているところに冷えが起きている状態。頭痛や頭重感、むくみ、耳鳴り、頻尿などを伴う。

・処方される代表的な漢方薬

「当帰薬散」(とうきしゃくやくさん)

血の巡りと一緒に水の巡りも良くするため、むくみやめまいを伴う冷えに良い

「苓姜朮甘湯」(りょうきょうじゅつかんとう

体を温め、足腰の痛みをやわらげる。特に腰を中心に下半身の冷えが強く、痛みを伴う時に適する。体力のあまりない人で、尿量や排尿回数が多いことも使用目安になる。

D 気虚

内臓や免疫機能を働かせる“気”のエネルギー不足によって熱が生まれにくくなっている状態。そのため、疲れやすくて胃腸の働きが悪く、風邪をひきやすい、寒がりといった虚弱体質。

・処方される代表的な漢方薬

十全大補湯」(じゅうぜんたいほとう)

体力が低下気味で疲れ、寝汗、手足の冷え、食欲不振などがある人に向く。

「人参養栄湯」(にんじんようえいとう)
体力の低下が著しく、疲れ、寝汗、手足の冷えがあって温めたい人に向く。

E ストレスによるもの

慢性的にストレスを感じている人は、身体の芯が冷えていることも多いので、冷え取り漢方で温めてほぐしながら、神経を整えると効果的。

・処方される代表的な漢方薬

「半夏厚朴湯」(はんげこうぼくとう)

気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎などの症状がある人に向く。

香蘇散(こうそさん)

虚弱で胃腸が弱い人に向く。また、漢方では「気うつ」の状態ととらえられ、神経質な人のストレス病にも使われる。

 

漢方には、冷え症のタイプに合わせた多くの処方があります。専門の漢方医漢方薬局に相談して、自分の症状に合った漢方薬を処方してもらいましょう。


また、併せて、生活習慣を見直すことで、より効果的に「冷え症なのに、汗かき」を改善することができます。

その具体的な方法については、次回に示します。(続く)

血行改善に効く、お灸の注意点とは?

お灸が、どのようなものなのかが大体理解出来たら、具体的にどんな点に注意してお灸を行なったら良いのか、お灸をする「ツボ」はどこにあるのか、などについて、今回はお伝えします。

 ■お灸をするのは、いつがよいのか?

お灸は、血行を良くすることがひとつの目的なので、すでに血行が良くなっているお風呂上がりにやっても、あまり意味がありません。

また、食事の前後、飲酒後、妊娠の可能性がある時、熱がある時、疲れや寝不足がひどい時は、避けた方が良いでしょう。

できれば、寝る前、もしくはリラックスできる時間に、ゆったりとした気持ちで行うのが効果的です。

・どのくらいやれば、よいのか?

最初は、一ヵ所のツボに1~2個位から始めましょう。

いきなり多くお灸をすると、「灸あたり」と言って、のぼせたような感じになることもありますから、要注意です。

体がお灸に慣れてきたら、少しずつ増やして、3~4個位にしましょう。その場合、同じツボでも少し場所をずらすと、低温やけどになりにくいです。

最初のうちは、熱さの加減もよく分からないかも知れませんが、熱すぎる!と感じたら、一旦止めましょう。

お灸は、熱ければ効果が高い、というものではありません。熱さを我慢していると、体が緊張してストレスが溜ってしまい、かえって良くありません。

また、軽いやけどをしてしまうこともあります。熱かった所を掻いたり、擦ったりしないように気をつけましょう。

専門家が治療行為としてお灸をする場合と違って、自分では体調の判断もできないことがあります。

急に血行が良くなると、だるい、熱っぽい、頭痛などを感じることもあるかも知れません。

これは、先述のとおり「灸あたり」といって、温泉に入り過ぎた時のような「湯あたり」と同じ症状です。

そんな時は、一旦休んで、体が元気になってから再開しましょう。

■お灸のツボの場所は?

体には、無数のツボがあり、正式にはこれを「経穴(けいけつ)」と呼びます。

経絡(けいらく)とセットで考えます。経絡とは、体中を巡っている無数のエネルギーの通り道で、「氣(生命活動の元)」、「血(血液。全身に酸素と栄養を送る)」、「水(リンパ液など血液以外の体液)」を全身に巡らせていきます。

その通り道の主要なポイントが経穴です。経穴には、気が集まりやすいので、ここを温めることによって気の流れを整えて、内臓を刺激する、痛みを和らげる、疲労回復などの健康効果が得られます。

ツボは、いわば「エネルギーの通り道」ですので、ツボを刺激すれば、血液などの体液の循環が良くなることが知られています。

ツボの場所は、人によって様々ですが、大体の場所を押してみて、「気持ちいい所」や「ちょっと痛い所」を探してみましょう。

■冷え症に効くお灸のツボの場所とは?

体にある様々なツボは、ツボによって「どのような症状に効果的なのか」が異なります。

例えば、冷えに効くツボはいくつもあります。実際の鍼灸治療では、その人に合ったツボを複数選んで使用します。

多くの人が悩んでいる血行不良を改善するツボ、水分代謝から冷えを改善するツボ、栄養の吸収を良くして、代謝を上げて体を温めるツボなど、様々です。

そこで、「冷え性」改善に効果的なお灸のツボを、いくつか紹介します。

・「太衝(たいしょう)」

太衝は、足の甲の親指と人差し指の骨が接合する所にあるツボです。

押さえるとズンと響く場所です。このツボは、血流を良くして、冷えを改善します。

また、肝臓、筋肉、眼といった私達が日頃酷使している体の部分と深い関係のある「肝経(かんけい)」という氣の流れに属しているため、肉体疲労、精神的ストレス、眼精疲労、肝臓の疲れを取る効果もあります。

・「三陰交(さんいんこう)」

足の内くるぶしから指4本分上で、骨の際にあるツボです。

冷え症の人は、押さえるとかなり痛いはずです。

三陰交は、3つの機能(消化吸収・水分代謝・生理機能)に関わる三つの経絡が交わるポイントです。

そのため、三陰交にお灸をすると、3つの機能を同時に高めることができます。

下半身の冷え、むくみが気になる時だけでなく、生理痛・生理不順・更年期障害・ホルモンバランスの調整などにも効果が期待できると言われており、女性にとっては大切なツボです。

・「足三里(あしさんり)」

足三里は、膝下の外側を指で辿って行って、くぼんだ所にあるツボです。

分かりにくい場合は、親指と人差し指で膝のお皿を包むように触った時、中指の先端が当たる所が足三里のツボだと考えると良いでしょう。

このツボは、冷えに効くだけでなく、肩凝りや胃の疲れにも効きます。

足三里にお灸をすると、胃の調子を整えて、食べた物からエネルギーを吸収できるようになります。

 ・「血海(けっかい)」

血海は、膝のお皿から指3本分上の内腿にあるツボです。

このツボも、押すと、鈍い痛みがあります。

血海は、滞った血液を流す作用が強いので、冷えに効くだけではなく、生理痛や月経不順、さらには子宮内膜症子宮筋腫などにも効果があると言われるツボです。

・「太渓(たいけい)」

太渓は、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあるツボです。

腎臓に働きかけるツボなので、血の巡りが良くなり、体を温める効果が期待できます。

特に、冬の間に蓄積された冷えに効果があると考えられています。

また、アンチエイジングにも良いと言われています。

・「湧泉(ゆうせん)」

湧泉は、足裏の土踏まずのやや上の中央部、人差し指と中指の骨の間で少しくぼんだところにあるツボです。

下半身の冷えやむくみの改善に効果があるほか、筋肉疲労の回復、気力の充実や体温の上昇などをはかるのによく効きます。

足が冷えたり、むくんだり、疲れてしまった時は、湧泉を温めて元気を出しましょう。

・「気海(きかい)」

気海は、おへそより指2本分下にあるツボです。

元気の源」ともいえるツボで、全身の血行を促し、体を温める効果があります。

季節を問わず、気海を温めることでコンディションが安定し、元気に過ごすことができます。

・「築賓(ちくひん)」

築賓は、ふくらはぎの内側の脛骨(すね)の中間あたりにあるツボです。

このツボは、腰から来る神経の緊張をほぐすため、下半身全体の血流が改善すると考えられています。

足の血流を改善させることで、全身の血流も改善するため、手の冷えにも効果があります。

・「八風(はっぷう)」

八風は、左右の足の指の間の股の部分のツボです。

足先の血流を増加し、冷えを改善する効果があります。

足が冷えて眠れない時にも、八風を刺激すれば、足が温まり、ぐっすりと眠れます。

・「中脘(ちゅうかん)」

中脘は、みぞおちとおへそを結んだ線の中央、おへそから指5本分くらいのところにあるツボです。

胃腸の働きを整えるとともに、気血の巡りを促すので、冷えに効果があります。

・関元(かんげん)

関元は、おへそから指4本分下がったところにあるツボです。

便秘の解消や疲労、冷え症などに対応し、お腹を温めてくれます。

別名「丹田」とも呼ばれて、昔から元気の源とされています。

免疫力を高めて、虚弱体質を改善し、病を寄せ付けにくい身体にする効果があると言われています。

スポーツでも、ここを意識することで、カラダが安定するので、とっても重要視されていますね。

■冷え症を治してくれる鍼灸院を探そう

いかがでしたか。お灸は、冷え症改善の抜本的対策の有効な手段として、いかに身近ながら奥深いか、改めて見直された方も少なくはないと思います。

お灸で、「冷え症」を改善する体のツボなどは分ったけど、やっぱり自分でやるのは面倒だとか、本来、お灸は医療行為だから、初めて自分でお灸をやるのは不安だ、といった場合は、専門の鍼灸院を利用するのが安心です。

その際、できるだけ信頼できる鍼灸院を選ぶために、良い鍼灸院の選び方のポイントをお教えしましょう。

最近は、ホームページを開設している鍼灸院も多いので、簡単に調べられると思います。

・施術者は資格を持っているか?

鍼灸師は、医者ではありませんが、国家資格を必要とする仕事です。

鍼灸の施術には、「はり師」「きゆう師」の資格を取らなければなりません。

専門の養成学校で学んだ後に、国家試験に合格する必要があります。まず、資格の有無が絶対条件です。

そのうえで、どのような施設で施術をするのか、どのような流れでカウンセリングや施術を行うのか、その治療方針やポリシーなどもしっかりチェックして、事前に患者の疑問が解消できるようになっていれば、大丈夫でしょう。

・「冷え症」が得意分野か

東洋医学は、ピンポイントでその症状にアプローチするというよりは、体全体を見ていくのが特徴なので、また、資格保有者であれば、ひと通りのことを学んでいるので、どのような症状でも大抵は対応できるはずですが、やはり誰にでも「得意分野」があります。

自分が改善したい症状、例えば「冷え症」を得意としているかというのも大事なポイントです。

自分の症状がその鍼灸院で対応できるものなのか、事前に聞いてみても良いでしょう。

 

 

血行改善で健康へ導く~お灸の「ツボ」と効果とは?

体を芯から温めて、血行を良くする働きのある「お灸」は、冷え症を始め、体の様々な不調を改善するのに極めて効果的です。

お灸というと、お年寄りが腰痛や神経痛の改善などのために行うというイメージが強いかも知れませんが、実は、若い女性にも嬉しい効果がたくさんあります。

また、今では、鍼灸院などに行かなくても、自宅で簡単にお灸をすることもできます。

そこで、今回は、お灸の正しいやり方と場所ツボ)などについて、お伝えします。

 

東洋医学で発展してきた「お灸」

お灸は、中国が発祥で、紀元前から東洋医学の一つとして発展してきました。単なる健康法ではなく、立派な医療の一つなのです。

お灸が日本に入ってきたのは飛鳥時代、仏教伝来の頃と伝えられています。

江戸時代には、東洋医学全盛となり、お灸も日本から世界に広まっていきました。

明治時代になって西洋医学が主流になるまで、お灸は日本の「医療」として、日本人の健康を支えてきたのです。

海外では、お灸は「Moxa(もぐさ)」として知られています。

もぐさとは、「燃え草」という意味があり、点火しやすく火が消えにくいという特徴があるので、お灸には最適な原料です。

お灸で使うもぐさの原料は、よもぎです。日本では、お茶にしたり、お餅に入れたりと、馴染みのある植物です。

よもぎは、ヨーロッパでは「ハーブの女王」と呼ばれるほど、効果の高い薬草です。

また、シネオールという成分の精油が含まれています。ユーカリローズマリーなどにも含まれている成分で、燃やすことで、アロマ効果が表れ、リラックス効果が期待できます。

■お灸の冷え症改善効果

 ・血流改善で、「冷え症」体質を改善する

冷え症の改善には、血流が悪くなった原因を改善させることが必要です。

お灸には、体の表面だけではなく、体の中を温め、体質まで改善する働きがあります。

お灸は、もぐさによる温熱刺激によって、血液中の赤血球を増やす造血作用があるほか、血液やリンパの流れを改善することで、血行が良くなり、冷え症の改善につながるのです。

お灸を使った治療法(東洋医学)では、「気」「血」「水」のバランスの崩れが、血流を悪くして、冷え症を招くとしています。

体のツボにお灸をすることで、「気・血・水」のバランスが取れて、血流が改善して、体の中からじんわりと温かくなります。

体のツボを温めることにより、白血球が増加し、免疫力を高める働きがあります。

リンパ節や細胞の働きも活性化されて、自然治癒力が高まり、風邪も引きにくくなります。

・「気」の流れを整えて、様々な不調を改善する

血行とともに「気」の流れを整えることにより、自然治癒力を高め、様々な体の不調を整える効果があります。

「気」は目には見えませんが、流れが滞ると病気になりやすくなると考えられています。

体のツボにお灸をすることで、「」の通り道である経絡(けいらく)の流れが良くなり、自律神経のバランスを整えることで、様々な健康効果が得られます。

■お灸にもいろいろなやり方がある~お灸の種類

もぐさに火を点けるのが、いわゆるお灸のイメージだと思いますが、お灸のやり方には、もぐさの大きさや置き方によって、いくつか種類があるので、それらを紹介しましょう。

・点灸(てんきゅう)

米粒半分くらいの大きさのもぐさを直接肌の上に乗せて、火を点けます。燃え尽きるまで乗せているので、ちょっと熱いかも知れません。

・知熱灸(ちねつきゅう)

もぐさを小指の先ほどの大きさにして肌の上に乗せて、火を点けますが、熱さを感じたらすぐに取りましょう。

・あぶり灸

火を点けたもぐさをピンセットなどでつまみ、ツボを温めます。直接乗せずに、じっくりと温めていく方法です。

・竹の輪灸

竹の輪っかの中にもぐさを詰めて燃やし、その温めた竹を体に当ててコロコロと転がします。広い面積を温めたい時に向いています。マッサージをしているかのような温かさです。

・棒灸

太いタバコのように、もぐさを和紙で棒状にくるんだものの先端に火を点けて、ツボに近づけて温めます。じっくり温めたいときにおすすめです。

・台座灸

市販のお灸がほとんどこのタイプです。台座の上にもぐさが乗っていて、シールでツボに貼り付けて使います。熱さもソフトなので、お灸初心者におすすめです。

・隔物灸(かくぶつきゅう)

スライスした生姜などの上にもぐさを置いて、火を点ける方法です。直接もぐさが肌に当たらないので、じんわりと温まります。

■自分でもできるお灸のやり方とは?

お灸は、古くから民間療法として普及しているので、鍼灸などに行かなくても自宅でもできます。

最近は、非常に便利になってきていて、ドラッグストアやインターネットで「お灸」のセット(「せんねん灸」など)が購入できます。

慣れてくれば、自分自身で手軽にお灸ができるでしょう。

●お灸の手順(「せんねん灸」を例にした場合)

①お灸を用意する

紙に巻いたもぐさに台座が付いた「台座灸」なら、もぐさに火を点けて乗せる「直接灸」より熱くならず、やけどする心配もないので、初心者でも安心です。

お灸のシールを剥がして、ライターで火をつける

③ツボに貼る

至って簡単でしょう。中には火を使わないタイプもあり、それなら煙も気になりません。初めて使う時は、そういったものでもよいでしょう。

 

「血管伸ばし」で、血管年齢が若返るって、本当!?

今回は、血管年齢をいつまでも若く保つためには、どうしたらよいか、その対策の一つである「血管伸ばし」について、お伝えします。

血管年齢を若返らせるには?

一度老化した血管年齢も、若返りが可能なことが分かっています。

硬くなった血管が、食生活や運動などの生活習慣を改めることで、しなやかさを取り戻すことができるのです。

・対策①~食生活を見直す

まず、栄養のバランスに気を配り、糖質や塩分を摂取し過ぎないこと、脂質の多い食事や食べ過ぎに注意することです。

血管年齢を若返らせる食べ物を積極的に摂るのもおすすめです。青魚や大豆製品、野菜をたくさん食べましょう。

・対策②~適度な運動を続ける

食生活に加えて、運動不足にならないよう、適度な運動習慣も大切です。

多くの人にとって、血管をしなやかに保つには、一定強度の有酸素運動が効果的とされています。

散歩やウオーキングは、有効な有酸素運動です。

また、特別な運動をしなくても、車やエスカレーターの使用頻度を減らし、積極的に歩いたり階段を昇り降りしましょう。

毎日10分程度、しっかり歩くだけで血管が広がり、血液がサラサラになります。

また、仕事中や家事の合間に体を伸ばすストレッチをするだけでも、硬くなった体とともに血管がしなやかになります。

その他、ストレスを溜めない、睡眠をしっかり取るなどの規則正しい生活を続けることも大切です。

・特に血管が細い人の対策は?

血管が細くなるのは、筋肉量が少ないことが主な理由ですから、血管を太くするには運動により筋肉量を増やすことが重要になります。

日頃、運動していない人は、まずは簡単に出来るストレッチやウォーキングなど、体を動かすことから始めていきましょう。

ウォーキングのような有酸素運動は、歩くことにより筋肉が伸縮運動をしてその力で血液が心臓へと送り戻されるので、心臓や血管などに負荷をかけ過ぎないで行うことができます。

筋肉を鍛える筋トレも効果的です。腕の血管を太くしたいなら腕立て伏せやダンベル運動などの腕の筋トレを、脚の血管を太くしたいならスクワットなど、部位に合わせたトレーニングを行いましょう。

筋肉は身体の熱を作るので、筋肉量が増えると体温も上がります。

すると代謝も上がり、免疫力もアップし、冷え症改善にもつながります。

・血管がない人!?の対策は?

血管がない、すなわち「ゴースト血管」を防止することが、特に末端冷え症の根本的改善にもつながります。

毛細血管のゴースト化を進行させないためには、末端部分の血流を良くすることが大切です。

対策としては、普段動かすことが少ない手や足の先をできるだけ動かすことです。

ここでは、手軽にできる指先や足先のマッサージと足指のエクササイズを紹介します。

手先の冷えが気になる人におすすめなのが、「爪もみ&指マッサージ」です。

親指と人指し指を、逆の手の指の爪の両側に添え、左右から軽く押すように揉みます。

指を組んで、指先同志を擦り合わせるのも効果的です。

次は、「足指じゃんけん」です。

ふだん、あまり動かすことのない足指を開いたり閉じたりすることで、足先の血流が活発になります。

どれも、行う時間は1分程度でOK。家事や仕事の合間など、気づいた時に行うように習慣づけて、手足の冷えを防ぎましょう。

■「血管伸ばし」で、冷え症も改善!

冷え症の人は、血管の老化が進み、血管が硬くなっているので、硬くなった血管を柔らかくすれば、血管が若返り、冷え症も改善されるだろうという発想から考え出されたのが、「血管伸ばし」という方法です。

つまり、血管を伸ばすことで、血流を増やして、冷え症を改善するというわけです。

血管伸ばしとは、普通のストレッチよりも「血管を伸ばすことを意識したストレッチ」です。

ストレッチで血管を伸ばすと、その刺激に反応して、血管を柔らかくする物質が分泌されるそうで、それが血管を広げて血流が増えるというのです。

■血管伸ばしの方法は?

以下に紹介する部位にある血管を、痛みを感じない程度に伸ばすようにします。

ポイントは、ストレッチしている間に呼吸を止めないことです。

・血管伸ばしの方法①~太腿の血管を伸ばす

太腿の付け根あたりにある「大腿(だいたい)動脈」を伸ばすストレッチです。

1.正座の姿勢から両手を前に付き、片方の足を後ろに伸ばします。

2.腰を曲げずに、顔は正面を向いて、太腿の付け根をストレッチします。

足を後ろに伸ばすほど、大腿動脈を伸ばすことができます。

・血管伸ばしの方法②~膝の血管を伸ばす

膝の裏にある「膝窩動脈(しつかどうみゃく)」を伸ばします。

1.立ったまま、両手で片方の膝を押さえます。

2.反対の足をゆっくり曲げながら腰を引き、膝の裏をストレッチします。

・血管伸ばしの方法③~ふくらはぎの血管を伸ばす

1.正座の姿勢から、片方の足を立てます。

2.立てた方の足の膝の上に両手を置いて、反対側の足を軽く開きます。

3.胸を太腿に付けるように体を前に傾けます。

立てた足のかかとを地面から離れないようにすると、ふくらはぎがよく伸びていきます。

このストレッチでは、体重をかけ過ぎないようにするのがポイントです。

・血管伸ばしの方法④~すねの血管を伸ばす

1.正座の姿勢から両手を後ろに付いて、片足を前に伸ばします。

2.反対の足のかかとを、お尻に付けます。

・血管伸ばしの方法⑤~太腿の裏側の血管 を伸ばす

1.仰向けの姿勢から、片方の足を両手で抱えます。

2.太腿をお腹に近づけます。

以上、5つのポーズを左右30秒ずつ、1日2回(朝と夜)行います。

一番大切なのは、毎日継続することです。

個人差がありますが、大体3週間から1ヵ月ぐらいで、効果が表れるようです。

持病のある方は、医師に相談の上で行いましょう。

 

いかがですか。「血管伸ばし」は、全身のストレッチ運動の一環として続けたいですね。

実際の年齢より血管年齢を若く保つことが、健康長寿につながるのです。