最近は、よくテレビCMでも「(最高)130超えたら血圧高め~」と叫ばれ、高血圧は成人病の一つとして、脳卒中や心筋梗塞を誘発する恐れがあるので、早めにお医者さんに診てもらって治療しましょう、と呼びかけています。
テレビの健康番組でも、高血圧の基準値は上が140以上だと盛んに警鐘を鳴らしています。
だけど、ちょっと待ってください!
高血圧の基準値がちょっと低すぎるんじゃあ、ありませんか??
そもそも、歳を取るに従って、血圧が高くなるのは、自然の摂理です。
■昔は、高血圧の目安は「年齢+100」
昔は、上の血圧の目安は、年齢+100と言われてきました。つまり40歳の人の上の血圧は140、60歳の人なら160が目安であり、別にこの数値でも、高血圧でも何でもないと言われてきたのです。
人間の体はうまくできていて、歳を取るほど血圧が上がるようになっています。生きていくために、一番大切な「脳」を守るためです。
心臓はポンプとして脳に血液を送り出していますが、血管は年齢とともに硬く細くなるのです。
そのため、低血圧のままでは、歳を取ると血液がちゃんと脳に届かなくなります。
だから、歳を取るほど、高血圧の人の方が低血圧の人より元気に長生きしやすいのです。
2000年以前は、長い間、高血圧患者とされる基準値が「上は160以上、下は95以上」と厚労省が定め、180以上が要治療で、それ以下は要指導で、運動や食事で指導していました。
その後、『日本高血圧学会』ができて、2000年にはっきりした根拠もなく高血圧治療の基準値が170に変更になりました。
さらに、2004年に65歳以下は130-85、65歳以上は140-90に引き下げられました。
すると、当然ながら、新たな「高血圧患者」が一気に増えて、治療のための降圧剤の売り上げが急速に伸びて、製薬会社は大儲けです。
しかし、血圧を下げるのに、安易に薬に頼るのは危険です。
■薬で無理に血圧を下げると脳卒中、発がん、認知症のリスクが上がる
薬で無理に血圧を下げると、血液の流れが悪くなって脳梗塞にもなりやすいのです。
高齢者は血液がしっかり回らなくなると、認知症も現れやすくなります。
また、ある種の降圧剤には、発がんリスクが認められているほどです。
上が140~159ぐらいの「軽い高血圧」の人たちの比較試験が世界で4回ほど行われましたが、その結論は、「薬を飲んでも、血管障害も死亡率も減らない」ということでした。
一方、薬の副作用は必ずあるので、これでは飲み損です。
実際、アメリカでは、180以上でなければ、血圧降下剤は処方されません。
良心的なお医者さんの大方の見方は、「現代の栄養状態で、150や160で血圧降下剤の必要は全くない」
「血圧は年齢プラス100までは、薬で下げようと思わない方が良い」という結論になるのです。
加齢とともに血圧が高めになるのは、ある意味老化現象であり、無理に薬に頼って下げようとするのは、自然の摂理に逆行することになり、かえって体に良くないのです。
どうしても高血圧が気になる時は、運動や食生活で調節した方が健康的なのです。