「冷え症なのに、汗かき」な体質は、生活習慣を見直すことで、より効果的に改善することができます。
今回は、その具体的な方法について紹介します。
■「冷え症・汗かき」の治し方①~生活習慣の見直し・食事編
・バランスの取れた栄養を摂取する
基本的には、発酵食品・味の濃いもの・根菜・紅茶などの体を温めやすい食材を摂ることが肝要です。
また、肉、魚、卵など良質のタンパク質をしっかり摂り、新鮮な野菜や果物などもバランスよく摂りましょう。
ビタミンEには、末梢血管を広げて血流を良くする効果や自律神経を整える働きがあるので、ビタミンEを多く含むアーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、うなぎの蒲焼き、モロヘイヤなどの食材も忘れずに摂りましょう。
同様に、血の流れを良くするショウガ、ニンニク、ネギ類、酢なども積極的に摂りましょう。
一方、香辛料やカフェインは、一時的に汗をかきやすくなるので、あまり摂り過ぎないよう注意しましょう。
■「冷え症・汗かき」の治し方②~生活習慣の見直し・睡眠偏
・寝る前の腹式呼吸で、副交感神経を優位にする
「冷え症・汗かき」の人は、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなり、寝つきが悪くなる傾向があります。
さらに、寝ている間も緊張して汗をかき、体を十分に温められずに冷えを招くという悪循環が続くのです。
交感神経の緊張をやわらげ、リラックスして眠りにつくためには、寝る前にリラックスできる環境を整えることが大切です。
自律神経のバランスを整えることにつなげるためには、好きな香りのアロマを焚く、肌触りのいい寝具やパジャマを選ぶ、部屋を間接照明にするなどがおススメです。
また、眠る直前に、仰向けに寝て、お腹に軽く手をのせて、ゆったりとした腹式呼吸を10回ほど行うのも効果的です。
さらに、寝る時は、首の後ろ、おなか、お尻、足首は、夏でも冷やさない工夫が大切です。
通気性のよい腹巻きやレッグウォーマーは、1年を通しておススメしたいアイテムです。
■「冷え症・汗かき」の治し方③~生活習慣の見直し・衣服編
・温度調節がしやすいように、衣服を整える
「冷え症・汗かき」の場合、とかく厚着をしがちです。着過ぎることで、体が動かしづらくほぐれなかったり、汗をかいて冷えてしまうということになってしまいます。
夏の暑さや冬の暖房のきいた室内では、汗をかきやすく、大汗をかくとその後冷えてしまいます。汗冷えしないよう、吸汗速乾にすぐれたインナーを選びましょう。
熱を逃がしやすくするために、トップスは首の開いたものを選びましょう。冷房で寒い時は、ストールなどで首元を覆って、温度調節をします。
また、足元をしっかり温めることが大切です。ソックスやレギンス、レッグウォーマーなどを上手に使って、足元の冷えを防ぎます。
一方、ガードルなど締めつけの強い下着は、血流が悪くなりますので、避けましょう。
■「冷え症・汗かき」の治し方④~「冷やす」と「温める」を使い分ける
・冷やす場所と温める場所に気をつける
「冷え症・汗かき」を改善するポイントとしては、熱を感じる上半身に負担をかけないよう、上手に下半身の冷えを解消することです。
そうして、自律神経のバランスを整えることが大切です。
汗をかいたり、ほてりを感じた時に、一時的に冷やして熱を逃がすには、顔、わきの下などを冷やすことです。
逆に、決して冷やしてはいけないのは、首の後ろ、おなか、お尻、足首です。これらは、常に冷やさず、温めるようにしましょう。
・首の後ろ、おなか、お尻、足首を温める
効率よく温めるポイントは、首の後ろ、おなか、お尻、足首です。特に、首の後ろには、皮膚のすぐ下を頸動脈という大きな血管が通り、頭を支える大きな筋肉があるため、効率的に血液を温め、温まった血液を全身に巡らせることができます。
首の後ろを温めることで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整い、全身を効率良く温めることができます。
■「冷え症・汗かき」の治し方⑤~効果的な温め方
・カイロや湯たんぽで温める
カイロや湯たんぽを使って、局部的に温めるというのも有効です。
具体的には足元・腰・肩・ふくらはぎ・お尻がおススメです。特に、足の裏や腰には、冷えを解消するツボもあるので、温まりやすいようです。
・マッサージ
直接揉んで、血流を良くするというのも有効な手段で、冷えている部分だけではなく、特にふくらはぎには全身の中でも滞りやすいポンプがある場所なので、重点的にマッサージすることで、大きく血流改善につながります。
・ストレッチ
「冷え症・汗かき」は、体が緊張するので、その緊張をほぐすことも大いに有効な対策です。
ポイントはやはり、ふくらはぎですが、肩や腰も動かしてあげると、より効果が上がります。
ちょっと、つま先立ちを繰り返してみたりするだけでも良いですし、しっかりと全身のストレッチをしても良いでしょう。
いかがでしたか。「冷え症・汗かき」は、「冷え」の症状よりも、汗かきや顔がほてって、のぼせやすいという、どちらかというと、「暑がり」の症状の方が強く、自覚されがちですので、つい「冷え症」であることを忘れがちです。
また、女性特有の更年期障害と間違えやすいこともあるので、自分の症状が果たして「冷え症・汗かき」なのかどうかは、やはり専門医に相談するが重要だと思います。