冷え症を改善する、体を温める食べ物とは?

冷え症改善に役立つ、体を温める食べ物には、どのようなものがあるでしょうか?

今回は、具体的に、野菜、魚介類、その他の食材について、紹介していきます。

■冷え症を改善する食べ物①~体を温める野菜

まずは、野菜です。

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生姜

漢方薬には7割に生姜が入っているほど、万病に効果があります。

血液の循環を良くして、体の芯から温めてくれる食材です。

特に、成分のショウガオールには、血流を良くして体温を上昇させて、脂肪や糖の燃焼を促進させる作用があります。

冷え症改善にとって、生姜はなくてはならない食べ物と言って良いでしょう。

にんじん

漢方では、にんじんは内臓を温め、血を補う効果があると言われています。体が冷えやすい方は積極的に食べるようにしましょう。

にんじんには、なんといってもβ-カロテンが豊富に含まれているのが特徴です。βーカロテンは、体内でビタミンAに変化し、万病の元といわれる活性酸素の働きを抑えます。

ごぼう

ごぼうは、根を食べる野菜ですので、体を温めてくれて、足や腰の痛み、残尿、頻尿、精力減退、足のむくみなどの下半身の不調を改善してくれます。

尚、にんじんとごぼうを一緒に調理して「きんぴらごぼう」にすれば、にんじんの栄養素を余すことなく効率的に摂ることができます。

にんにく

にんにくの体温アップ効果は絶大です。内臓を温め、代謝を上げて発汗・利尿を促すので、冷え症やむくみやすい方に特におすすめです。

玉ねぎ

玉ねぎは、野菜の中で最も糖質が多く、ほとんどがエネルギー源として使われます。

玉ねぎには特有の香りのもととなる硫化アリルが含まれていて、血液をサラサラにする働きがあり、さらに血管が若返って弾力を取り戻し、動脈硬化や高血圧を防ぎます。

この硫化アリルには、殺菌、防腐、発汗、利尿、解毒などの作用もあるので、余分な水分を出して、体を温める効果があります。

夏バテや疲労が溜まっている時は、ビタミンB1が豊富な豚肉と合わせて食べると、さらに効果的です。

冷え症体質の人は疲れがとれにくいので、ビタミンB1が多い豚肉や豆類と玉ねぎを使った料理を普段から食べるといいでしょう。

やまい

やまいもは、滋養強壮にすぐれた食材です。

やまいもは、胃腸の働きを良くしてくれるだけでなく、体もしっかりと温めてくれ、さらに、足腰の冷えや痛み、頻尿、骨粗しょう症などの老化現象にも効果的であると言われています。

長ネギ

冬の鍋に欠かせない長ネギは、風邪の予防に効果があります。漢方では、頭痛や鼻づまりなどの風邪の初期症状の治療に用い、体を温め、発汗を促す作用があります。

体が冷えやすい冬や冷え症の方は、鍋や煮物、汁物などに長ネギを入れて食べましょう。

体の内側からポカポカと温まり、免疫力がアップし、風邪予防になります。生姜と一緒に入れると、さらに効果が上がります。

ニラ

ニラは、ネギと同様、硫化アリルが含まれています。硫化アリルが血行を促進し、内臓を活発にして、体の内側からポカポカに温めてくれます。

ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉と一緒にとれば、滋養強壮作用があるので、ぜひ豚肉炒めでスタミナアップをはかりましょう。

しそ

同じしそでも、赤じそと青じそでは違いがあります。赤じそは体を温めますが、青じそはそれほどでもありません。

漢方では、しそは心身の冷えを取り除くと言われるほど、あらゆる薬効を持ちます。

その効果の基となるのが、独特の香りの成分であるペリルアルデビドです。

栄養素の面でも、βーカロテン、ビタミンE・B2・Cなどが豊富に含まれていて、美容効果、動脈硬化の予防などにも効果があります。

また、余ったしそは、お風呂に入れると体が温まります。冷え症や神経痛、腰痛、生理不順などにも効果があります。

パセリ

ヨーロッパでは、薬用とされているほど栄養効果が高い食材です。

パセリには、βーカロテン、ビタミンE・B2・Cなどのビタミンが大変多く含まれていて、体の不調の原因となる冷えを改善して、美肌効果、眼病予防、胃腸・肝臓の強化があります。

その他、カリウムやカルシウム、鉄などのミネラルも豊富に含み、高血圧予防や骨の強化、貧血予防などにも効果を発揮すると言われています。

とうがらし

とうがらしの辛み成分であるカプサイシンは、血行促進、体温上昇の作用があります。

漢方では、この辛さが消化器系を温め、食欲を増進するとして、冷えによる消化不良や食欲不振の解消に使用されます。

この温め効果は、体の外側からでも有効です。

とうがらしを刻んでガーゼで包み、湯船に入れて入浴すると、体温が上昇し、リウマチ、神経痛、筋肉痛などの様々な痛みが改善されます。冷え症の方におすすめです。

その他、朝鮮人参、自然薯、ふき、かぼちゃ、じゃがいも、玉ねぎ、レンコン、やまごぼうヨモギ、くず、オオバコなども体を温めます。

■冷え症を改善する食べ物②~体を温める魚介類

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さけ

ピンク色の身をしているサケは、体を引き締め、温める効果のある食べ物です。

漢方では、胃腸を温め、消化吸収を促進し、気力を補う魚として有名です。

さば

さばの脂には、血栓動脈硬化を防ぐEPSと脳を活性させるDHAが豊富に含まれ、生活習慣病を予防してくれます。

そのほか、自律神経を調整し、肝機能を強化するタウリンの含有量は、魚の中でトップクラスです。

さんま

さんまは、弱った体にエネルギーを補給し、胃腸を温め、気や血の巡りを良くする魚として有名です。

まぐろ

まぐろの赤身にはが多く、良質なたんぱく質を含みます。血合いにはコレステロール低下と肝機能を強化するタウリンが豊富に含まれています。

また、脂ののったトロは、血栓動脈硬化予防、若返り効果があり、血中の余分な脂肪を減少させ、脳細胞を活性化するDHAを豊富に含んでいます。

かつお

かつおは、効率的に血液を循環させて血行をよくする驚くべきチカラを持っています。

かつおを食べると、貧血予防、消化吸収力アップ、持続力アップ、疲労物質の除去などが期待できます。

かつおの特に血合い部分に含まれている鉄分の量は、レバーに匹敵するそうです。

冷えからくる頭痛、肩こりなどを改善し、血液循環を助けて肌も髪も艶やかにしてくれます。

イカ

漢方では、イカの効能を養血滋陰といい、血を作り、体を潤して冷えを取り除く食材です。

胃腸の働きを高めるため、体力の衰えや精力減退の対策にもなります。

また、女性の場合は生理不順や更年期障害などの改善にも効果的です。

エビ

エビは、殻や身に体を温めるアスタキサンチンという色素を持っています。

この色素は、強力な抗酸化作用を持っていて、動脈硬化などの原因となる活性酸素の働きを抑えるため、生活習慣病の予防に役立ちます。

カキ

カキは、体を温め緊張を和らげ、不眠を解消し、精力をつける薬効の高い食材です。世界中で愛される理由は、その薬効の高さからです。

カキフライにすると、更に体を温める効果が高まり、寝汗の予防や胃酸過多の解消に効果的です。

あさり

あさりは、体内の余分な熱やほてりを取り、イライラを鎮めて精神を安定させます。

また、糖分の代謝を促すコハク酸を多く含み、血糖値を正常にする効果も期待できます。

低脂肪で、良質なたんぱく質と鉄も多く含むため、冷え症の改善に効果的です。

しじみ

しじみは、日本では古くから肝臓を強くする食材として親しまれており、体を温める効果がある食べ物です。

また、しじみには血液の構成成分となる鉄や、ビタミンB12、カルシウムなども豊富に含まれています。

体が冷えやすい方は、朝から栄養たっぷりのしじみの味噌汁を飲みましょう。

明太子

ピリッとした辛みがおいしい明太子は、体を温める食べ物です。明太子は生殖器なので、食べれば滋養強壮に効きます。

わかめ・昆布・ひじき

これらの海藻類は、血行を良くし、余分な水分を排泄して、体を温める食べ物です。

ビタミン・ミネラルの含有量は、野菜よりもはるかに多く含まれています。

■冷え症を改善する食べ物③~体を温める肉類、その他

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牛肉・鶏肉・豚肉

漢方では、肉は胃腸の働きを良くし、筋肉を強くし、排尿を促し、むくみを取ると言われています。

中でも牛肉は、必須アミノ酸を豊富に含む良質なたんぱく質源で、胃腸を丈夫にして消化吸収を高める働きがあります。

また、体を温める作用が非常に強いので、冷え症体質の人は積極的に肉を食べるようにすると、虚弱体質が改善されます。

鶏肉は、低脂肪で、体を温め、牛肉と豚肉の10倍ものビタミンンAを含みます。

豚肉は、ビタミンB群が豊富で、特にビタミンB1が牛肉の約10倍も含んでいます。ビタミンBは炭水化物や糖質を分解し、効率的にエネルギーに変える働きがあります。

また、豚肉には血を作るビタミンとして有名なビタミンB12も豊富に含み、脳内を働きを活性させます。

そば

そばは体を温め、消化がよく、胃腸に負担がかかりません。

これにネギや七味唐辛子をたっぷりかけて食べると、ネギに含まれている硫化アリルや唐辛子のカプサイシンの効果で血行が良くなり、体を温めて血液をきれいにしてくれます。

梅干し

塩漬けされた梅干しは体、を温める食べ物です。老廃物や毒物を解毒し、血液を浄化する働きがあるので、下痢や腹痛のときに有効です。

漬け物

漬け物は、胃弱、アレルギー、貧血などの陰性体質を陽性へ改善してくれる食べ物です。

塩、みそ、酒かす、ぬかなどに漬けて発酵されている漬け物は、熱を加えていないので野菜のビタミンがそのまま摂れ、植物性の乳酸菌が豊富で、腸の働きを活性化させて免疫力を高めます。

納豆

発酵食品の代表格である納豆は、脳卒中、心疾患、がん、認知症骨粗しょう症、そして糖尿病などすべてを予防するパワフルな食べ物です。

さらに納豆は、発酵の過程で様々な酵素が生み出されています。その一つに、SODという活性酸素を除去する酵素があります。

チーズ

チーズは、乳を乳酸菌や酵素の働きで固めて水分を除いた食品です。牛乳は体を冷やしますが、チーズは体を温める食べ物です。

体の栄養バランスをコントロールしよう

大切なのは、食べ物の性質を活かして、体の栄養バランスをコントロールすることです。

冷え症だからといって、体を温めるものだけ食べれば良いというわけではありません。

体を冷やす食品は鎮静作用もあるため、 火を通したり、体を温める食品と組み合わせて、上手にバランスを取っていきたいものです。