冷え症には、ビタミンEやB、Cが効く!③-ビタミンCの働きとは?

冷え症を予防・改善するには、体を内側から温め、血行を良くし、自律神経をきちんと機能させることが大切です。

そのためには、基本的な生活習慣を見直し、例えば栄養のバランスの取れた食生活を続けること、その際、特にビタミンE・B群・Cや良質のタンパク質などを積極的に摂ることが効果的と言われています。

そこで、今回は、冷え症に効くビタミンCの働きと効果などについて、お伝えします。

冷え症とビタミンCの関係は?

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ビタミン類の中で最も知名度が高いといってもよいビタミンCは、化学的にはL-アスコルビン酸と呼ばれる有機化合物です。

水溶性ビタミンの一つに分類されており、多少多く摂りすぎても尿として排出されるので、害はありません。 

・ビタミンCの働きとは?

ビタミンCには様々な働きがありますが、中でも大きな働きは、血管を若々しく保ち、末端冷え症の緩和に役立つことです。

直接冷え症に関係する働きとしては、毛細血管の強化が挙げられます。

ビタミンCが生成をサポートする「コラーゲン」は、細胞と細胞を結びつける働きがあり、血管壁の厚さが極めて薄い毛細血管の強度や弾力を保持するためには、十分なビタミンCを摂取して、コラーゲン構造を強化することが必要と考えられています。

また、ビタミンCは抗酸化物質でもあるので、悪玉コレステロールなどが活性酸素によって酸化されて起こる“ドロドロ血液”を予防し、血液をサラサラに保つことで、末端までのスムーズな血液循環をサポートする働きも期待できます。

白血球の強化・インターフェロン生成促進などによる「免疫力向上」と、ストレス下で多く分泌される副腎皮質ホルモンの合成を促進させる「抗ストレス効果」などがよく取り上げられています。

抗ストレスホルモンの生成を促し、自律神経の働きを良くするのです

その他、鉄分、特に人体への吸収率の低い植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を助けることで、貧血の予防・改善にも役立ちます。

抗酸化・毛細血管強化と合わせて血行不良の改善が期待でき、特に手や足の冷たさが気になる末端冷え性の改善に役立つと考えられているのです。

その他にも、肝臓の解毒機能を助ける・抗酸化作用によって酸化が原因で起こる様々な病気のリスクを低減させる、などの働きが期待されています。

ビタミンC補給におすすめの食材は?

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ビタミンCは野菜や果物などに多く含まれているうえ、人体への吸収率も高いのですが、熱や水に弱いこと、体内で保持できる時間が短いことに加え、ストレスや喫煙などによって大量に消費されることから不足しやすい栄養素の一つと考えられています。

果物類であれば、100gあたりのビタミンC含有量が多いのは、柿(70mg)・キウイ(69mg)・イチゴ(62mg)などが挙げられます。

ビタミンC=レモンというイメージがありますが、レモン果汁のみであれば50mgとされているので、酸っぱさを我慢してまで果実を無理に摂取する必要はなく、ドレッシングやジュース作りに利用すると良いでしょう。

ミカンの場合は、100gあたりのビタミンC含有量は32mgとさほど多くはありませんが、ビタミンPの一種(ヘスペリジン)と同時に摂取することができるので、数値で見るよりも高い効果が期待できると言われています。

野菜類であれば、赤ピーマンやゴーヤなどの含有量が高いのですが、使いやすい食材としてはブロッコリーやサツマイモ・ジャガイモなどのイモ類がおすすめです。

ブロッコリーは、茹でた後でもビタミンCが残りやすいと言われており、ビタミンPの一種(ケルセチン)も含まれています。

また、イモ類のピタミンCは、デンプンに守られているため調理過程で壊れにくいという特徴があるので、生100gあたりの含有量で見た場合は少なく感じても、加熱料理して食べる場合は効率の良い補給源となってくれます。

ただ、ビタミンCだけが必要な栄養素というわけではなく、ビタミン類が豊富に含まれている緑黄色野菜や良質なタンパク質・ミネラルが摂取できる魚やナッツ類など、栄養価を考えながら様々な食材をバランス良く摂り入れていくことが、冷え症の改善や健康維持につながります。

ビタミンCと合わせて摂りたい栄養素は?

ビタミンP

ビタミンPは、正確にはルチン・ヘスペリジン・ケルセチンの総称で、ビタミンではなくフラボノイド系ポリフェノールに分類されます。

ビタミンPは、様々な機能を持っていますが、その中にはビタミンCを安定化させることでビタミンCの吸収・利用をサポートする働きもあります。

ビタミンCの働きをサポートするだけではなく、ビタミンP自体も抗酸化作用があるので、相乗して活性酸素を除去する働きも期待できます。

血管・血液を正常な状態に保ち、スムーズな血液循環の保持により、高い効果が期待できます。

ピタミンPのうち、ルチンはお蕎麦、ケルセチンはタマネギなど、ヘスペリジンはみかんやオレンジなどの“白い筋”部分に多く含まれています。

みかんのスジを取らないで食べることを心がけるだけで、ビタミンCとピタミンPを一緒に摂取することができます。

・ビタミンE・ビタミンA(β-カロテン)

ビタミンCが水溶性ビタミンであるのに対して、同じく抗酸化作用を持つビタミンのビタミンEやビタミンAは脂溶性ビタミンであり、働く部分に違いがあります。

また、ビタミンCには、活性酸素を無害化することで抗酸化力を失ったビタミンEを再び活性化させる働きがあり、ビタミンAにはビタミンCとビタミンEの働く時間を長くする働きがあります。

ビタミンE、ビタミンC、ビタミンAはまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれており、同時に摂取することで抗酸化力アップ、持続時間の延長などの相乗効果があるとされています。

特に、血液の流れを促進する効果などが期待できる「ビタミンE」を摂取することがおすすめです。

■ビタミン剤の選び方と注意点

手足の冷え(冷え症)を改善する一般用医薬品には、様々な種類があります。

血行を改善してくれるビタミンEなどを配合した飲み薬などがありますので、症状に合った成分が配合されているものを選びましょう。

ビタミンCはサプリメントとしても定番で、価格も安価なものが多く流通しています。

購入する場合は、薬局で薬剤師とよく相談の上、自分の体質に合ったものを選びましょう。

一方、マクロビオティックの考え方から見ると、ビタミン剤は体を冷やす性質が非常に強いとも言われているので、なるべく自然なものを食材から摂取するようにした方が安心です。

 

いかがですか。

冷え症対策に効果があるビタミンE、ビタミンB群、ビタミンCなどは、普段の食生活で規則正しく栄養バランスに気を付けていれば、特に過不足の心配は不要ですが、ビタミンCだけは、できるだけ多めに摂ることを心がけた方が良いかも知れません。  

その場合も、あまりビタミン剤やサプリメントに頼るのではなく、できるだけ自然の食物から摂ることをおすすめします。