前回に引き続いて、効果的なお風呂の入り方について、続きを紹介します。
■風呂上がりに体を冷やさないための注意点とは?
せっかくお風呂に入って、血流を促進して、体がぽかぽか温まっても、風呂上がりに油断していると、体を冷やしてしまい、入浴の効果を台無しにしてしまいかねません。
風呂上がりにまで気を配ってこそ、正しい「お風呂の入り方」と言えるのです。
・血流の急激な変化に注意する
入浴中は皮膚表面の血管が拡がっているため、皮膚を流れる血液量が増え、内臓や脳を流れる血液量が減っています。
ところが、入浴後は反対に、皮膚表面を流れる血液量が減り、内臓や脳を流れる血液量が増えていきます。
この現象が急激に起きると、のぼせや動悸を起こすことがあるので、入浴後も身体の温かさを保ち、急激な体温の変化が起きないように気をつけましょう。
そこで、湯冷めをしないためのポイントを示します。
・風呂あがりに水をかける
湯船から出たら、お風呂からあがる前に、冷水をサッと足にかけましょう。
皮膚が締まって、体温の維持には最適です。
湯上がり後の足からの放熱を食い止めることができ、足のポカポカが続きます。
冷たい水をかけるのがちょっと心配な人は、水で絞ったタオルで体を拭くだけでも良いでしょう。
・.体の水気をしっかり拭いて、速やかに着替える
浴室と浴室外の温度差が大きい冬場は、寒い脱衣所は、入浴後急激に体が冷える原因になります。
浴室内でバスタオルなどでしっかり体の水気を拭き取ってから、そのままバスタオルを巻き、さらにフェイスタオルを首に巻いて保温対策をしてから浴室を出ましょう。
その際、くれぐれも滑って転倒などしないように、「這うように入り、這うように出る」ことを心掛けましょう。
夏場はともかく、寒い冬場は、入浴後は、湯冷めをしないうちに部屋着やパジャマに着替えるようにしましょう。
また、裸足で歩き回ると、せっかく入浴で温めた足先が冷えてしまうので、十分に足の裏まで水気を拭き取ったら、足拭きマットの上で真っ先に靴下をはき、足元の冷えを防ぎましょう。
タオルで髪の水分を拭き取り、髪全体をタオルで巻き、約10分間タオルで包んでおくと、ドライヤーで乾かす時間の短縮になります。
その後、髪にオイルをつけて潤いを保ちながら、ドライヤーで乾かしましょう。
・しっかり水分補給をする
入浴時は、汗をかいて約500~800mlの水分が体から失われると言われます。
血液中の水分が減ると、血液も粘度が高くなって、血液がドロドロの状態になり、血圧が急上昇して脳卒中などの危険性も出てきます。
できれば入浴前に十分水分補強を行い、入浴中にのどの渇きを覚えたら、コップ1杯の水もしくは白湯(さゆ)を飲むようにしましょう。
もっとも、あらかじめ用意するなら手っ取り早くしたいという方は、ペットボトルのミネラルウォーターでも構いません。
入浴後は、300~500mlの水分を補給しましょう。できれば、スポーツドリンクや新鮮なミカンなど柑橘類のジュースなどが良いでしょう。
・簡単なストレッチやマッサージで体をほぐす
入浴後に、10分程度のストレッチを行うのもおすすめです。
簡単なストレッチをすると、筋肉が動かされるため、熱が作られ、さらに体が温まります。
足指や足首、ふくらはぎや太もも、指や手首、肩から上腕部(二の腕)までを曲げ伸ばすのが効果的です。
仰向けに寝て、両手・両足を心臓より高い位置に持っていき、ぶらぶらと振るだけでも、血液、リンパの流れが促進されます。
また、足なら膝から足首までの下腿部や足部、手なら上腕・前腕・手部のマッサージも、血流量を増やすには有効です。
・肌の保湿をはかる
スキンケアは、入浴直後の潤った状態でしても、少し乾いた状態でしても、効果はほとんど変わらないので、足元の冷え対策などを先に済ませてから行いましょう。
乾燥が気になる部分には、さらりとしたローションよりクリームの方が保湿効果は高いようです。
いかがですか。
お風呂の入り方といっても、特別難しいことはありません。
しいていえば、お風呂の温度に注意すれば、毎日、快適で健康的なバスタイムを満喫できるでしょう。
ただし、お風呂の効用を最大限に活かせるかどうかは、風呂上がりの過ごし方によって大きく左右されるのです。
「正しいお風呂」とは、お風呂に入る前から、風呂上がりにまで気をつかってこそ、完結できると思った方が良いでしょう。