今回は、血管年齢をいつまでも若く保つためには、どうしたらよいか、その対策の一つである「血管伸ばし」について、お伝えします。
■血管年齢を若返らせるには?
一度老化した血管年齢も、若返りが可能なことが分かっています。
硬くなった血管が、食生活や運動などの生活習慣を改めることで、しなやかさを取り戻すことができるのです。
・対策①~食生活を見直す
まず、栄養のバランスに気を配り、糖質や塩分を摂取し過ぎないこと、脂質の多い食事や食べ過ぎに注意することです。
血管年齢を若返らせる食べ物を積極的に摂るのもおすすめです。青魚や大豆製品、野菜をたくさん食べましょう。
・対策②~適度な運動を続ける
食生活に加えて、運動不足にならないよう、適度な運動習慣も大切です。
多くの人にとって、血管をしなやかに保つには、一定強度の有酸素運動が効果的とされています。
また、特別な運動をしなくても、車やエスカレーターの使用頻度を減らし、積極的に歩いたり階段を昇り降りしましょう。
毎日10分程度、しっかり歩くだけで血管が広がり、血液がサラサラになります。
また、仕事中や家事の合間に体を伸ばすストレッチをするだけでも、硬くなった体とともに血管がしなやかになります。
その他、ストレスを溜めない、睡眠をしっかり取るなどの規則正しい生活を続けることも大切です。
・特に血管が細い人の対策は?
血管が細くなるのは、筋肉量が少ないことが主な理由ですから、血管を太くするには運動により筋肉量を増やすことが重要になります。
日頃、運動していない人は、まずは簡単に出来るストレッチやウォーキングなど、体を動かすことから始めていきましょう。
ウォーキングのような有酸素運動は、歩くことにより筋肉が伸縮運動をしてその力で血液が心臓へと送り戻されるので、心臓や血管などに負荷をかけ過ぎないで行うことができます。
筋肉を鍛える筋トレも効果的です。腕の血管を太くしたいなら腕立て伏せやダンベル運動などの腕の筋トレを、脚の血管を太くしたいならスクワットなど、部位に合わせたトレーニングを行いましょう。
筋肉は身体の熱を作るので、筋肉量が増えると体温も上がります。
すると代謝も上がり、免疫力もアップし、冷え症改善にもつながります。
・血管がない人!?の対策は?
血管がない、すなわち「ゴースト血管」を防止することが、特に末端冷え症の根本的改善にもつながります。
毛細血管のゴースト化を進行させないためには、末端部分の血流を良くすることが大切です。
対策としては、普段動かすことが少ない手や足の先をできるだけ動かすことです。
ここでは、手軽にできる指先や足先のマッサージと足指のエクササイズを紹介します。
手先の冷えが気になる人におすすめなのが、「爪もみ&指マッサージ」です。
親指と人指し指を、逆の手の指の爪の両側に添え、左右から軽く押すように揉みます。
指を組んで、指先同志を擦り合わせるのも効果的です。
次は、「足指じゃんけん」です。
ふだん、あまり動かすことのない足指を開いたり閉じたりすることで、足先の血流が活発になります。
どれも、行う時間は1分程度でOK。家事や仕事の合間など、気づいた時に行うように習慣づけて、手足の冷えを防ぎましょう。
■「血管伸ばし」で、冷え症も改善!
冷え症の人は、血管の老化が進み、血管が硬くなっているので、硬くなった血管を柔らかくすれば、血管が若返り、冷え症も改善されるだろうという発想から考え出されたのが、「血管伸ばし」という方法です。
つまり、血管を伸ばすことで、血流を増やして、冷え症を改善するというわけです。
血管伸ばしとは、普通のストレッチよりも「血管を伸ばすことを意識したストレッチ」です。
ストレッチで血管を伸ばすと、その刺激に反応して、血管を柔らかくする物質が分泌されるそうで、それが血管を広げて血流が増えるというのです。
■血管伸ばしの方法は?
以下に紹介する部位にある血管を、痛みを感じない程度に伸ばすようにします。
ポイントは、ストレッチしている間に呼吸を止めないことです。
・血管伸ばしの方法①~太腿の血管を伸ばす
太腿の付け根あたりにある「大腿(だいたい)動脈」を伸ばすストレッチです。
1.正座の姿勢から両手を前に付き、片方の足を後ろに伸ばします。
2.腰を曲げずに、顔は正面を向いて、太腿の付け根をストレッチします。
足を後ろに伸ばすほど、大腿動脈を伸ばすことができます。
・血管伸ばしの方法②~膝の血管を伸ばす
膝の裏にある「膝窩動脈(しつかどうみゃく)」を伸ばします。
1.立ったまま、両手で片方の膝を押さえます。
2.反対の足をゆっくり曲げながら腰を引き、膝の裏をストレッチします。
・血管伸ばしの方法③~ふくらはぎの血管を伸ばす
1.正座の姿勢から、片方の足を立てます。
2.立てた方の足の膝の上に両手を置いて、反対側の足を軽く開きます。
3.胸を太腿に付けるように体を前に傾けます。
立てた足のかかとを地面から離れないようにすると、ふくらはぎがよく伸びていきます。
このストレッチでは、体重をかけ過ぎないようにするのがポイントです。
・血管伸ばしの方法④~すねの血管を伸ばす
1.正座の姿勢から両手を後ろに付いて、片足を前に伸ばします。
2.反対の足のかかとを、お尻に付けます。
・血管伸ばしの方法⑤~太腿の裏側の血管 を伸ばす
1.仰向けの姿勢から、片方の足を両手で抱えます。
2.太腿をお腹に近づけます。
以上、5つのポーズを左右30秒ずつ、1日2回(朝と夜)行います。
一番大切なのは、毎日継続することです。
個人差がありますが、大体3週間から1ヵ月ぐらいで、効果が表れるようです。
持病のある方は、医師に相談の上で行いましょう。
いかがですか。「血管伸ばし」は、全身のストレッチ運動の一環として続けたいですね。
実際の年齢より血管年齢を若く保つことが、健康長寿につながるのです。