病を治すのは「氣」から。「生きがい」を持って、強い精神力で病に打ち克とう!

今年開催された東京オリンピックに、白血病を克服した池江璃花子選手が出場しましたね。

一昨年白血病を発症し、その後の闘病生活の過酷さは想像に難くはないと思います。

最近は、アスリートや芸能人など、若手でもがんなどの難病に罹っていることを自ら公表し、闘病しているケースが珍しくありません。

白血病には、いろいろなタイプがあり、また個人差もあるので、ひと昔のように必ずしも不治の病とは言えなくなってきていますが、かといって必ず完治するとも限らないのが厳しい現実です。

昔から、病に打ち克つための最大の武器は、何といっても強い精神力だと言われてきています。

池江選手の場合は、「東京オリンピックに出場して、金メダルを取る」ことが最大の目標であり、最強の「生きがい」になってきたはずです。

たとえ、どんなに苦しくても、必ず「東京オリンピックで表彰台に上るんだ、それも一番高い所に!」という強い信念・志を持ち続け、筆舌のし難いほどの苦しさに耐え、病に打ち克ってきたのでしょう。

それは、けっして「奇跡」などというものではなく、「死ぬ気で頑張った」根性と努力の賜物だと言えるのではないでしょうか。

今回の五輪では、驚異的な復活により何とか出場に間に合い、「参加することに意義あり」という結果でしたが、次のパリ五輪では、万全の調整で臨んでもらい、ぜひ金メダルを期待したいですね。

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■免疫力を高めるには、生きがいを持つことが重要!

人には、本来、病気と戦う免疫力という力が備わっています。この免疫力を強化して、病気を回復させるのに最も強い影響を与えるのが「精神力」です。

よく「病は気から」と言われますが、逆に言えば、病を治すのも「氣」なのです。

この精神力、すなわち「心の持ち方」は、時には現代医学の常識を超えるような強力な作用を及ぼすことがあります。

すなわち、「人生の目標」とか「生きがい」を持つことは、特にがんのような難病治療において、科学的な説明がつかないような効果を発揮することが決して珍しくはないのです。

末期がん患者であっても、その人に「生きがい」を与えることができれば、延命どころか、がんから生還することも可能になるのです。

このことは、実際に多くの医療現場でも実証されています。

逆に、「人生の目標」「生きがい」の喪失は、私たちの免疫力を弱め、病気に負けやすくなってしまいます。

例えば、第二次世界大戦中に、ナチスドイツがユダヤ人を大量虐殺したホロコーストを例にとってみましょう。

オーストリアの心理学者のビクター・フランクルが著した名作「夜と霧」には、著者が体験したアウシュビッツ強制収容所での悲惨な様子が生々しく描かれています。

強制収容所では大勢の人が殺されましたが、大部分の人々は悪条件の下で過酷な労働を強いられ、ガス室に送られる前に亡くなったのです。

特に、1944 年のクリスマスから1945 年の正月の間には、収容所では未だかつてなかったほどの大量の死亡者が出たと言われています。

このことについて、収容所の医長の見解では、この原因は「囚人の多数がクリスマスには家に帰れるだろうという、世間の慣習に沿った素朴な希望に身を委ねていたにもかかわらず、その希望が無残に打ち砕かれた結果である」と考えられています。

■「生きがい」こそが、「病」に打ち克つ生命力を強化する

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つまり、この期間に亡くなった人々の死因は、労働条件、栄養状態、天候の悪化などによるものよりも、実は「クリスマスに家に帰れない」という「生きがいの喪失」により免疫力が低下し、発疹チフスなどの伝染病にかかったことが多かったと指摘しています。

では、わずかながら生き残った人は、「生きがい」を失わなかったのでしょうか?

確かに、その通りだったのです。

それは、フランクルもその1人でしたが、どんなことをしてでも生き延びて何かをしたいという強い決意、すなわち強い「生きがい」をしっかり持っていたからです。

生き残った人々の中には、一見ひ弱そうな老人もいました。体力のある若者たちが次々と倒れていった中で、なぜ、体力のない老人が生き延びられたのでしょうか?

その老人は、春になったら孫娘が結婚するので、何としても生き延びて孫娘の花嫁姿をひと目だけでも見たい、その強い願望が「生きがい」となって、生への執念にも似た不屈の精神力で、地獄のような日々を耐え抜いたのです。

「生きがい」を持つこと、生きようとする気持ちを持つことは、それが強ければ強いほど発疹チフスのように恐ろしい病魔の攻撃に対しても撃退することができるのです。

数年前より、世界的に新型コロナが蔓延し、パンデミックを起こしています。時と所によっては、医療崩壊が生じているほどです。

日本では、ワクチン接種がかなり浸透したこともあって、ひと頃のパニックを脱し、落ち着きを見せていますが、この先、どうなるか、まだまだ油断は禁物です。

いざという時は、「自分の身は自分で守る」という格言を思い出しましょう。そう、日頃からウィルスに負けない強靭な氣力・精神力を鍛えておきたいものです。

そのためにも、常に「生きがい」を持って、人生をポジティブに歩みましょう!