血液型で性格はわからない!?

日本の若者、特に女性は心理学がとてもお好きなようです。

大学で心理学を学ぶ学生の動機について調べると、「他人の性格や自分の性格を知りたい」とか、「悩みの解決の仕方や心の仕組みを知りたい」といった理由が多くあったそうです。

日常生活における対人関係や、身近な友人や家族とのコミュニケーションを上手くやっていくためにはどうしたらよいかを、臨床心理に求める学生も少なくないようです。

皆さんは、「心理学」というと、どんなことをイメージしますか?

多くの人は、心理テストとか、占いとか、メンタルヘルスなどを想像するかと思います。

中には、心理学を学んで、人の心を読めるようになりたい・・・とか思う人もいるでしょう。

ひと口に「心理学」と言っても、そのカバーする分野は非常に多岐にわたります。

まず、「基礎心理学」と言って、科学的経験主義の立場から観察・実験・調査等の方法によって、一般法則の探求を推し進めるものがあります。

そして、その各論には、一般心理学(標準心理学)、知覚心理学認知心理学学習心理学発達心理学 乳幼児心理学、児童心理学、青年心理学、老年心理学、人格心理学、社会心理学、比較心理学、深層心理学言語心理学、軽量心理学、数理心理学、などがあります。

そして、基礎心理学の知見を活かして、現実生活上の問題の解決や改善に寄与するのが「応用心理学」です。

各論には、臨床心理学教育心理学、学校心理学、産業心理学犯罪心理学家族心理学、スポーツ心理学、軍事心理学、環境心理学、災害心理学経済心理学、恋愛心理学、動物心理学、などがあります。

恋愛、スポーツ、犯罪、動物・・・といった、日常生活ではもちろん、小説やドラマで取り上げられるものも多くありますね。

■心理学を学んでも、人の心の中までは分からない?

しかしながら、心理学を勉強しても、人の心が理解できるようにはなりません。

心理学は、統計によって人の行動を分析する学問だからです。

残念なのは、わが国では「心理学部」や「心理学科」は文科系扱いです。

海外に比べると、今ひとつ、ポジションが低いように思われます。

心理学が科学として存在していくには、各々の仮説が実験等で検証されなければなりません。

その結果が単なる偶然でなく、統計的に相関関係が立証された時に、初めて正当な科学的理論として認められるからです。

その意味では、心理学は人文科学というより、自然科学といった方が良いでしょう。

世の中には、正当な理論と認められないにもかかわらず、一般大衆の間でまるでエセ宗教のごとく信仰されている社会風潮の一つに、いわゆる「血液型占い」正しくは「血液型別性格診断」があります。

「人間の持って生まれた性格は、血液型に影響を受けている」という理論に基づく「血液型別性格診断」では、「血液型が▢型の人間の性格は△△である~」と分類しています。

この血液型と性格との相関関係がブームになるくらい信望されているのは、後にも先にも日本だけというのが不思議な現象ですが・・・。

それだけ、日本人は何事にもレッテルを貼るのが好きなのでしょうか?
もっとも、血液型別の性格分析は、古代ギリシア・ローマ時代から研究されていました。

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■古代からあった「血液型別性格診断」のルーツ!?

例えば、ローマのガレノス(129年頃~ 199年)は、ヒポクラテス医学をベースに当時の医学をまとめ、人間の体液は血液を基本に「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」の4つから成り、そのバランスが崩れると病気になるという「四体液説」を継承し発展させました。

ガレノス以後、体液病理説(四体液説)は、西洋文化圏で行われたギリシャ・アラビア医学の基本を成しており、19世紀の病理解剖学の誕生まで支持されていました。

そして、それぞれの体液の過少と人間の気質には関係があると考えられていました。

次の解説は、12~13世紀のヨーロッパでベストセラーになった医学書サレルノ養生訓」などに見られる、各体液に関する典型的な気質・体質の考察です。

・黄胆汁質(胆汁質、en.Choleric)

荒々しい性格で熱血漢、短気で行動的、野心も強い。

気前がいいが傲慢で、意地悪で気難しい面もある。消化力が高く大食だが、やつれて見える。

脈が速く心臓に負担がかかる気質で、また張り切り過ぎて肝臓や腎疾患に陥りやすい。

黄色味がかかった熱く乾燥した肌をしており、硬くて水気に乏しい筋肉をしている。

・ 黒胆汁質(憂鬱質、en.Melancholic)

寡黙で頑固、孤独癖があり、運動も休養も社交も好まない。

強欲で倹約家、利己的で根に持つタイプ。神経質で自殺傾向がある。

注意深く明敏、勤勉で、一人で思索に耽ってばかりいる。

土気色で乾燥した冷たい皮膚をして、たいてい痩せている。脈は遅く耳は遠い。欠尿症で、食欲はあったりなかったりである。

黒胆汁は、主に悪いイメージを持たれ、狂気・精神錯乱と関連する体液と言われましたが、天才を生み出す体液だとも考えられました。

・多血質(en.Sanguine)

人柄は機嫌よく社交的で、ずうずうしいが気前もいい。

先のことは考えず、心変わりしやすい。

娯楽が好きで好色であり、教養とは無縁のタイプ。

体質は、筋肉質でたくましく、脈は規則的で皮膚はぬくもりと弾力があり、胃は丈夫で睡眠の悩みもない。

舌が乾きやすく、太りやすい。

風邪をひきやすく、関節炎のタイプで、頭痛や歯痛を伴うこともある。

この気質の良い状態が維持できれば、老いを寄せ付けないため長生きする。

・粘液質(en.Phlegmatic)

精神的に鈍く優柔不断で臆病だが、おだやかで公平、人を騙したりしない。

背は高くなく太っており、食べることが好きで運動や努力が嫌い。血の気のない皮膚の色で、肉質はやわらかく肌は湿っている。

脈は遅く弱く、胃弱で口臭がひどい。

貧血や腺病、鼻風邪やカタルに罹りやすく、耳鳴りや難聴になりやすい。また、粘液から逃れようとつばを吐く。

■血液型による性格判断は、単なる迷信に過ぎない?

現代から見ると、どうして?何を根拠にここまで言い切れるのかと、不思議なくらいユニークで面白いですね。

現代になっても、過去何度か、血液型と性格の相関について専門的な学術調査が行われましたが、いずれもその結果は統計的に有意な差が見られない、つまり従来言われているような性格の特徴と血液型との相関関係は「ない」ということなのです。

実際、A型にもずぼらな人はいるし、B型にも几帳面な人はいる、人は十人十色、百人いれば百通り、なのです。

そもそも、A、B、AB、Oの4タイプしかない血液型で1億2千の日本人を分類すると、約3千万の人が同じ性格だということになりますが、あまりにも大雑把すぎると思いませんか?

もちろん、当てはまる人も少なくないでしょうが、当てはまらない人もたくさんいるはずです。

たまたま身近にいる人が典型的なA型気質だからといって、「A型の人は皆そうなんだ」と早とちりするのだけは絶対に避けましょう。

日常生活でも、単なるイメージや思い込み、先入観だけで、結論づけしてしまうことのないように気をつけたいものです。

性格や行動の違いは、何も血液型によるものだけではないからです。

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■人は、生まれた後の環境による影響の方が大きい!?

人には、生まれつき備わっている生得的性質と、生後の環境によって醸成される後天的性質があります。

生まれつき変わらないと思われていた「性格」も人によっては、その後の環境の変化により変わっていく場合もあり得ます。「氏より育ち」なのです。

この考えが、行動主義の心理学、すなわち行動分析学の原点になります。

例えば、喫煙(または禁煙の達成率)にしても、少なくとも血液型などとはまったく因果関係がありません。

喫煙者は、生まれつきタバコが好きだったというよりも、周囲に喫煙者がいて(例えば親兄弟、友人など)、喫煙に対する興味を持ったり、喫煙を勧められたりといった環境による影響の方が大きいのではないでしょうか。

では、喫煙習慣を止めさせるには、どうしたらよいでしょうか?

その原理は明快です。

喫煙者に対して、喫煙すると直ちに不快感を覚えたり、不利益を被るといったマイナスの悪影響を実感させることが第一となります。

そして、最終的には、「タバコなんて、もう懲り懲りだ!」と悟らせることが目標となります。

このプロセスについては、詳しくは、また別の機会に・・・。

しかしながら、タバコを吸ったからといって、直ちに気分が悪くなるわけではなく、いわんやすぐにガンなどの病気になるわけではありません。

従って、禁煙を徹底させる一番の早道は、禁煙を法制化するか、従来の「有煙・火付け」タイプのタバコの価格を大幅に値上げする、ということになります。

将来に向けた国の財源を考慮する上でも、消費税よりも真っ先にタバコ税を上げるべきです。

通常なら欧米並みに一箱1,000円、いや一箱1万円にしても高過ぎことはないでしょう

 タバコ代の値上げは、昔から最も効果的な禁煙対策と言われています。

社会に多大の迷惑をかけている喫煙者に少しでも良心の呵責があるならば、きっぱり禁煙して公害の加害者たるを止めるか、月に何万円ものペナルティーを払い続けるかは当然やむを得ないと言うべきでしょう。

 

頭痛・肩こり・吐き気が伴う冷え症もある?

冷え症は、様々な症状を伴います。

代表的な症状である手足の冷えだけでなく、時には、頭痛、肩こり、吐き気を伴うこともあります。

原因がよくわからない頭痛、肩こり、吐き気といった症状には、実は意外にも冷え症が原因の場合もあるので、注意が必要です。

そこで、今回は、冷え症の症状として表れる頭痛・肩こり・吐き気とその対策などについて、お伝えします。

冷え症には、いろいろな症状がある。

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冷え症とは、実際の暑さ寒さに関わらず、手、足、腰、背中、ひざなどが特に冷たく感じる状態の事を言います。

検査などで体温を測ってみても正常で、異常が認めらないことがほとんどです。

冷え症に伴って、頭痛やめまい、立ちくらみ、低血圧、貧血、肩こり、腰痛、腹痛、食欲不振、肥満、膀胱炎、むくみ、便秘、下痢、生理不順、慢性疲労感、不眠などを引き起こす場合もあり、免疫力の低下、なんとなく体調がすぐれない、風邪をひきやすいといった状態にもなりがちです。

・冷え症のメカニズムとは?

そもそも冷え症は、どうして起こるのでしょうか?

私たちの体は、脳にある体温調整中枢によって、体温が管理されています。

体温は、筋肉や内臓を動かすことで作られています。

運動すると汗をかくほど暑くなるのは、筋肉が活発に動いて熱を発しているからです。

また、寒い時にガタガタ震えるのは、筋肉が必死に動いて熱を生み出しているのです。

このように、様々な要因で体温は上昇・下降を繰り返していて、ずっと一定というわけではありません。

この体温調整のバランスが崩れてしまうと、体や顔は火照っているのに、手足は氷水に浸けた後のように冷たい状態になることがあります。

では、なぜ体温調整が上手くできなくなってしまうのでしょうか?

冷え症は、たとえそれほど深刻な症状が表われている自覚がなくても、もしかすると「なんとなく体調がすぐれない」といったことの原因になっているかも知れません。

特に、肩こりや腰痛、頭痛などは、冷え症対策を施すことで劇的に改善されることがあります。

冷え症が原因で、頭痛や肩こりになることも?

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頭痛、肩こりや腰痛に悩みながらも、その原因についてあまり深く考えてこなかった方も少なくないでしょうが、その“肩こり”や“腰痛”は冷え症と大きく関係していることがあります。

冷えることで血流が悪くなり、肩こりや腰痛の原因になっているのです。

例えば、「寝違えたわけでもないのに、何だか朝から肩がこる」 「朝、ベッドから起き上がったものの、肩や首回りにズンと重い感触が・・・」などといった、特に寒い冬場に見られる症状は、実は冷え症がもたらす「朝型肩こり」なのです。

これは、睡眠中、部屋の温度が下がっているのに肩や首の周辺に布団をかけず、何時間も露出したままでいた場合に、冷えて血行が悪くなり、肩こりが生じてしまうのです。

冷え症による血行不良は肩こりだけでなく、頭痛、めまい、腰痛、下痢、倦怠感といった自律神経失調症状を伴い、その原因がいつまでも「不明」とされてきたケースが少なくありません。 

■冷え症と吐き気の意外な関係

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さらに、寒くなると、吐き気を感じることが多くなる人もいます。

冷え症は、ただ体や手足を冷やすだけではなく、体の随所に不調を来します。

原因不明の吐き気が起きたら、冷え症が原因かも知れません。

吐き気は冷え症の危険サインかも!

 冷え症がなぜ吐き気につながってしまうのか、その原因として、次のことが考えられます。

冷え症の人は全身の血液の循環が悪いため、手先や足先などの末端部分まで血液が十分に行き渡りません。

すると、細胞が栄養不足や低酸素状態になり、頭痛や肩こり、首筋がこる、などあらゆる体調不良が生じてきます。

その時、吐き気も表れることもあるのです。

つまり、血液循環の悪化や自律神経失調症が原因と言ってよいでしょう。

自律神経失調症とは、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こる様々な不調のことを言います。

自律神経失調症の原因は、精神的なストレスや気温の変化などがあると言われており、冷えと吐き気が同時に起こっている場合は、自律神経失調症が疑われます。

・吐き気には、重大な病気が隠れている可能性も

 ただ、吐き気は、決して冷え症や自律神経失調症だけで起こるものとは限りません。

食生活の乱れによる、食べ過ぎや飲み過ぎ、乗り物酔いなどのほか、ストレスからくるもの、女性の場合は月経中の症状として起こることもあります。

また、胃炎や脳内出血などの重大な病気が原因となり、吐き気が起こる可能性もあるので、それらの可能性も考えて、一概に原因を決めつけず、吐き気がひどい場合は、すぐに病院を受診して、しかるべく適切な治療を受けましょう。

・ 本当は怖い冷え症!?

 冷え症は、確かに体の一部が冷える症状ですが、放っておくと様々な病気を引き起こしてしまいます。

女性の場合は、月経不順や無月経月経前症候群不妊症、更年期障害、さらに不眠症や頻尿、腰痛、肩こり、膀胱炎、下痢なども起こりやすくなる、とても恐ろしい症状なのです。

冷え症は病気でもないし、放っておこうなどと軽く考えていると、取り返しのつかないことになりかねません。

 ■冷え症の主な原因となる血行不良はなぜ起きる?

冷え症の主な原因は、血行不良にあり、血液の循環が悪いから冷えるのです。

では、どうして血液の循環が悪くなるのでしょうか?

 いろいろな原因が考えられますが、まずホルモンバランスが崩れて自律神経が乱れてしまっていることが大きいと思われます。

では、なぜホルモンバランスが崩れるのかと言えば、日頃の生活習慣の乱れ、睡眠不足、ストレスなど、これまた様々な理由が考えられます。

また、更年期障害の症状の一つとして冷え症が表われることもあり、また、女性だけでなく、最近は男性でも冷え症を自覚している人が少なくありません。

例えば、立ち仕事やデスクワークを長時間行っていると、血液の流れが悪くなってしまい、むくみの原因となることは知られていますが、この時、むくみだけでなく冷え症も併発してしまうことがあるのです。

さらに夏場でも、冷房の効き過ぎる場所に長時間いたり、体を圧迫するような衣服を着用していると血流が滞ってしまいます。

また、現代人には避けられないストレスによる自律神経の乱れも血行不良を招き、冷え症を起こすと言われています。

■冷え症による頭痛・肩こりや吐き気が疑われたときの対処は?

 もし頭痛や肩こり、吐き気が軽度であり、冷え症によるものだと思われる場合は、日頃から冷え症対策を実施して、冷え症を改善させることが肝心です。

では、冷え症はどうすれば改善できるのか、効果的と言われている方法には、次のようなものがあります

・血行を良くするための生活習慣とは?

血行を良くするには、体を冷やさないようにすることはもちろん、良質な睡眠と栄養バランスのとれた食事を摂るなど、生活習慣を改善することが大切です。

 規則正しい生活をする

最も基本となるのが、規則正しい生活です。

ホルモンバランスと自律神経を正常に保つ基礎となるのが正しい生活のリズムで、具体的には、睡眠時間を十分にとり、三食きちんと栄養バランスのとれた食生活を送る、喫煙や飲酒は控え、リラックスできる時間も多くとる、などを心がけることです。

・とにかくしっかり防寒すること

 寒がりの人がまずしっかり行いたい対策は、寒い冬場に、厚手の靴下や靴下の重ね履き、腹巻きなどを身に着けるなど、日常生活の中でしっかりと防寒して、熱を逃がさないように体温調整をすることです。

防寒するときは、上半身ほど体温が高くない下半身を意識して防寒すると、体全体がポカポカ温まってきます。

手先や足先が冷える“末端冷え症”に悩む人は、手足だけでなく、実は一番温める必要があるのは内臓です。

人間はまず内蔵を守る性質があり、体が冷えると内臓を最優先に温めようとするので、内臓が十分に温まらないと、手足を温めるところまで行きません。

腹巻やお腹が隠れるインナーパンツのほかに、使い捨てカイロを貼って、内臓を温めるのが効果的です。

内臓を温めたら、今度は首回りと足首を重点的に温めるように意識しましょう。

マフラーで首回りの冷え対策をしたり、タイツやレッグウォーマーなどで足首を冷やさないように気を配りましょう。 

 ・ストレスの軽減

 血流は自律神経が大きく影響すると言われているのは、ストレスや緊張を感じると交感神経系が優位になり、血管が収縮するからです。

スポーツ、旅行、家族や友人との談話、趣味など、自分が楽しい、リフレッシュできると感じる方法で、うまくストレスを軽減しましょう。

そして、自律神経に関係するホルモンバランスの乱れを改善することで、血行を良くするのです。

・体を温める食べ物を積極的に摂る&1日3食決まった時間に、栄養バランスの取れた食事をする

 できるだけ食事時間を一定にして、栄養バランスの取れた適量をしっかり摂りましょう。

ダイエットのために極度に量を減らしたり、単一の食べ物だけを食べるなどするのは好ましくありません。

ナスやトマトなどの夏野菜、サラダなどの生野菜、果物など体を冷やす食べ物はできるだけ避け、肉類や根菜類、ニンニク、生姜など体を温める食材を普段から意識して食べましょう。

また、血液をきれいにすることも血流改善に欠かせないので、血液をサラサラにする効果が期待できる玉ねぎやアジ、サバ、サンマなどの青魚を積極的に摂るのも良いでしょう。

 飲み物はコーヒー、清涼飲料水などの体を冷やすものではなく、ココアや生姜入りドリンクなど体を温めるものを選んで飲むようにしましょう。

・軽い運動を習慣づける

 運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え症の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

足の血行促進に最も簡単で効果的なのがウォーキングです。

まずは、いつもより少し多く歩くこと、それからふくらはぎの筋肉をいつもより使うことを意識して、坂道や階段などのある道を歩くなど工夫してみましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎをしっかり動かすことで、筋肉がポンプのような役割をして、そのポンプ作用で身体の血液の流れが良くなります。

また、筋肉を使うことで体温が上がります。

1日中座りっぱなしの仕事であっても、1時間に3分間ほど軽く歩くだけで改善されます。

ストレッチをする

・お尻まわりのストレッチで、むくみを解消します。

・自律神経を整える首のストレッチや枕を使った首のストレッチで、リンパの流れを促進します。

・ふくらはぎのストレッチで、足の血行を促進します。全身の血行を良くするポイントは「」です!

・足裏マッサージ

足の血行を良くし、足先の冷えを改善するには、足裏のツボを刺激するのも効果があります。

かかとは強めに指圧したり、足の指を1本ずつもみほぐすなど足全体をしっかりマッサージすることで、血流の悪くなりがちな末端部まで血の巡りを促します。

また、足裏には脂肪が少なく、熱さや冷たさがダイレクトに血管に伝わるため、足裏を温めるだけでも血行促進につながり、効率良く全身を温めることができます。

・足の角質ケア

足裏のマッサージのついでに、足の角質ケアも行いましょう。

角質ケアには様々な方法がありますが、冷えやすい足の末端まで刺激することでマッサージ効果も期待でき、足全体の血流が良くなります。

また、厚く硬くなってしまった角質を除去することで皮膚が薄くなり、足の温感もアップします。

   

冷え症、吐き気、頭痛などが起こっているなら、そのような状態を長く放っておくのは良いことではありません。今回ご紹介した冷え対策や生活習慣を見直して対処していきましょう。

大切なのは、生活リズムを整えて、規則正しい生活を送り、ストレスをうまく解消しながら過ごすことです。

そして、もし吐き気がひどい場合には、すぐに病院を受診しましょう。重大な病気が原因の場合もあるので、くれぐれも早期発見・早期治療が肝心です。

 

 

 

酒とタバコは、本当は相性がいい、それとも悪い?

禁煙カウンセラーや禁煙セラピスト達は、禁煙を維持するためのノウハウの一つとして、喫煙の誘惑に負けないように、まずは喫煙環境に極力近づかないように心掛けるべし、とよくアドバイスしています。

例えば、酒の席にはなるべく近づかない、などと・・・。確かに、喫煙者は飲み会や麻雀などの場に参加すると、そこだけで軽く1箱よけいに吸ってしまうことも珍しくはありません。

最近でこそ、コロナ禍の影響で、酒や会食の席はめっきり減ってきていますが、だからといって、麻雀はともかく、せっかく酒の席に誘われて遠慮してばかりというのも、対人コミュニケーションを考慮すれば、なかなか難しいかも知れません。

タバコを我慢しやすい酒の飲み方はないのでしょうか?

タバコと酒の相性について考察した、面白い報告を見つけましたので、ちょっと紹介します。

例えば、「タバコには、ビールは合うが日本酒は合わない!?」などといったようなことです。

■飲み物には、種類によってタバコと合う・合わないものがある。

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喫煙者はよく、「食後の一服だけは格別」だと言います。

確かに、喫煙者にとって、毎食後にお茶を飲みながら、一服のタバコで一息つくのは、まさに至福のひとときと言えるようです。

特に、コーヒーや日本茶中国茶はタバコとよく合います。カフェインの刺激が刺激を呼ぶのでしょう。

例えば、「中国の朝は、一杯の中国茶と一服の中国タバコで始まる」と言われるほど、
中国人は昔からタバコ好きです。

何しろタバコの中には「中国健康タバコ」と銘打っている銘柄もあるほどですから。いかにも中華的とも言えますね・・・。

ところが、紅茶は意外にタバコと合いません。

どうやら、ほんのりとした甘味がタバコの風味と合わないようです。

また、言うまでもなく、ミルクやフレッシュジュース、果汁入り清涼飲料水なども決定的に合いません。

唯一の例外といってもよいのがコーラです。やはり劇物劇物を招く、シナジー効果の故かも知れません。

■お酒にも、タバコとの相性がある。

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お酒の席にタバコは付き物だとも言われます。

なんといっても相性が抜群なのがビール、ウィスキーです。

禁煙が途中で挫折するのも、こうした酒の席が最も多いのが現状ですから。

おいしい生ビールを飲み干し、プハーと息吐いて、タバコを吸うのはまさに極楽気分なのでしょう。

洋酒では、バーボンやスコッチなどは言うまでもありません。

バーカウンターで、葉巻や外国タバコの煙をくゆらせながら、グラスを傾けるのは、いかにもハードボイルドで絵になります。

スコッチなどは、そもそもモルトが「スモーキーフレーバー」ですから、相性が良いのは当たり前です。

スピリッツはどうでしょうか?実はあまり合いません。例えば、甘ったるいカクテルは言うに及ばず、辛口のドライ・マティーニなども合わないのです。

度数が高くピュアな分だけ、かえってタバコの味が邪魔をしてしまうようです。

ワインやブランデーも全く合いません。

原料の果実の甘さがタバコと受け入れないためでしょう。

同様に、日本酒や焼酎などもいけません。

たとえ辛口であっても、原料の米麹やデンプン質のほんのりとした甘さがタバコの風味と合わないようです。

これらが変に混ざり合って、口の中がおかしくなってしまう、と経験者は語っています。
もちろん、人の嗜好は千差万別ですから、一概には言えませんが、今まで何となく感じていた経験を思い起こす最大公約数的な感覚ではないでしょうか。

従って、酒を飲んでも、それにつられてタバコを吸い過ぎないようにするためには、純粋にお酒だけを楽しめるような種類のアルコールを選択するか、できるだ舌を肥やして、洋酒でも上等のお酒に慣れ親しむように努めることです。

■酒は飲んでも、タバコは呑むな!

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料理と同様、本当においしいお酒は、タバコの味を受け付けません。

水や氷で薄めてはバチが当るような美味しい洋酒を小さ目のショットグラスに、ストレートでワン・フィンガーかツーフィンガー(ひと昔前にテレビCMで流行りましたね)で味わう。

口の中がカーッとしたら、用意しておいた冷たいミネラルウォーターを一口飲む。

初めから水で割るのではなく、喉元を過ぎてから胃の中で水と混ざるわけで、洋酒本来の味を損なうことなく、また健康的な飲み方と言えます。

こういう飲み方を続けると、次第にタバコはかえって邪魔な存在になるでしょう。
じっくりとおいしいお酒を満喫することで、タバコの味を忘れさせてくれるからです。

タバコか酒かどちらを取るか、二者択一を迫られたら、体質的にお酒が受け付けない場合を除いては、お酒を取る方が長い目でみたら、やはり健康的でしょう。

酒は百害あっても、(飲み方次第では)百薬の長」ですが、「タバコは百害あって一利なし」だからです。

もっとも、お酒の場合も、「薬」を通り越して「害」にしてしまう人々が圧倒的に多いのが、悲しい人間の性(さが)なんでしょうけれど・・・

タバコの害は、喫煙者だけではなく、周りの人々にも深刻に及ぶ!

タバコの煙は、喫煙者本人のみならず、その副流煙によって、周囲の人々にも多大な迷惑と害を及ぼします。

■他人のタバコの煙(副流煙)を吸うだけで、喫煙者と同じ病気のリスクがある。

タバコの害が世の中に広く理解されるようになってから、喫煙者を隔離する形で、一般の飲食店などでも「分煙がかなり浸透してきました。

しかしながら、分煙しても、タバコの臭いを嗅いだだけで健康被害を受けるのです。

喫煙者が吸い込む煙と同じくらい、周囲の人が吸い込む煙は有害です。

普段タバコを吸わない人は、タバコの煙に対する感受性が高く、他人の煙を吸うと、少しの量でも大きな健康被害を受けるという報告があります。

また、2016年8月には国立がん研究センターより、受動喫煙による日本人の肺がんリスクは約1.3倍になることが発表されるなど、受動喫煙のリスクは科学的にも証明されています。

たばこ臭がする」と感じたら、もう被害にあっているのです。

飲食店などでは、分煙にするためガラスドアで仕切って密閉した喫煙室を設け、出入口にエアカーテンを設置している店がありますが、これでも煙を100%遮断することはできません。

人が出入りする際には必ず、体にタバコの煙がまとわりついて移動し、有害物質を拡散させるからです。

大げさではなく、服や髪の毛、カーテン、家具、壁などからタバコ臭を感じた時には、有害物質を体内に吸い込み、受動喫煙(二次喫煙)の被害にあっているのです。

海外では、受動喫煙防止条例の施行によって、急性心筋梗塞の入院患者が減少したという事例も報告されています。
さらに、受動喫煙には、三次喫煙こと「サードハンド・スモーク(Third- Hand Smoke)」もあります。

喫煙によって発生したタバコの煙は、家具や壁紙、カーテン、子どもの玩具、自動車の内装、エアコンシステムの表面に付着した後、徐々に空気中に再遊離します。
タバコの煙がない環境でも、タバコの臭いが僅かでも残っていると、タバコを吸わない人は、受動喫煙と同様にタバコ由来の有害物質にさらされていることになります。これがサードハンド・スモークです。

米国モンタナ州ヘレナ市では、受動喫煙防止条例を施行後6ヵ月間で急性心筋梗塞の入院患者が40%減少。その後、条例が廃止されると入院患者が増大したとの調査結果があり、その後の多くの追試でも同様の結果が報告されています。

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・タバコは、「公害」として大きな社会問題化に!

タバコは、けっして個人の趣味嗜好の問題にとどまらず、深刻な公害問題になっているのです。

かつて、公害問題が深刻な社会問題となっていたことを忘れてはなりません。

当時、公害対策が未熟だった工場や自動車から排出された亜硫酸ガスや窒素酸化物などに勝るとも劣らない有毒ガスを、喫煙者はスパスパとまき散らしていることになるのです。

しかし、ヘビースモーカー達は、悲しいかなそのことに全く気が付いていません。

個人の「吸う権利」ばかりを自分勝手に主張するだけで、自分が社会に害毒を垂れ流していることを認識できていないのです。

というより、ニコチン依存症により、正常な判断ができなくなってしまっていると言った方が良いのかも知れませんね。

■「タバコの火の不始末」が火事原因のトップに!

タバコが及ぼす有害性については、とかく健康面でのリスクがクローズアップされていますが、それに勝るとも劣らないのが、火事の原因ワースト1にランクされているということです。

重大な社会問題にもかかわらず、意外と見過ごされがちで実に困ったことなのが、「タバコの火の不始末」です。

昔から、長らく「不審火=放火」と1、2位を争っていたのですが、とうとう最近はトップに躍り出てしまいました。

令和元年には3,581件と、火事原因全体(37,683件)の1割近くを占めていて、損害額は約52億円以上に上ります。

山中でポイ捨てして山火事を起こしたり、寝タバコによる火事で全財産をロストしてしまったり(財産だけでなく尊い人命なども・・・)、その社会的損失は計り知れません。

放火を防ぐのは容易ではありませんが、タバコの火の不始末は防ごうと思えば容易に防げるはずですから、実に残念ではありませんか。
ちょっと気を付ければ、防げそうなものですが、そこが喫煙者の愚かなところなのでしょうね。

「つい、うっかり」という過ちはなくなりません。

人間はミスを冒す動物である以上、いくら、タバコの火の始末に気を付けようと思っても、完全には徹底できません。

人間の行動面での対策を講じようとしても、限界があるので、根本的な対策としては、結局、タバコが火を使わなくてすむようなものにするしかないでしょう。

「火」と「煙」がタバコの元凶、だけど止められない!

では、火も煙も出さない「無公害」タバコはできないのでしょうか?

実は、今からおよそ30~40年ほど前に、「火も煙も出ない」完全無公害タバコとして、「無煙タバコ」なるものが登場しました。

今、覚えている人はほとんどいないでしょうが、当時の専売公社がテスト販売した他、民間の一部メーカーもヒット商品になることを密かに期待して売り出したのです。

もちろん、噛みタバコや嗅ぎタバコなどではなく、早い話が「禁煙パイポのタバコ味」をイメージすればよいでしょう。
その顛末は?案の定というべきか、やはり消費者の反応は冷たいものでした。

あっという間に姿を消してしまい、ほとんど記録にも記憶にも残らなかったのです。

おそらく「塩とタバコの博物館」でもお目にかからないのではないでしょうか。
当時は、たばこの新しいスタイルとして提案されたのですが、「禁煙パイポ」と同じ、いわゆるハッカパイプのタイプですね。

残念ながら、愛煙家からは不評で、ほとんど売れませんでした。

やはり、喫煙者にとっては、火をつけ、煙をくゆらせないと、タバコを吸った気にならないようですね。

どうやら、煙をふかすのがタバコのタバコたるゆえんのようで、煙の出ないタバコなんてタバコではないというのが、喫煙者の感覚なのでしょう。

■無煙タバコにも、やっぱり大きな害がある!

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一方、昔から「噛みタバコ」というのがあります。よくメジャーリーガーや日本のプロ野球でも外人選手がダッグアウトで、口をくちゃくちゃしている光景を昔から見かけた人も多いと思います。

「何て行儀が悪い」と思った人も少なくないと思います。中には、風船ガムを噛んでいる選手もいますが、多くは「噛みタバコ」なのです。

噛みタバコは、奥歯の内頬と歯茎の間に挟んで嗜むタバコです。実は、日本でも発売されましたが、こちらは、日本人には馴染みにくいでしょうね。

2010年には、JTから地域限定でパイプ式の「嗅ぎタバコが発売されたことがありました。

タバコの葉が詰まったカートリッジをパイプ本体にセットし、火を使わずにタバコの味・香りを楽しむ「煙ゼロ・火ゼロ」の無煙タバコです。

無煙タバコの服用に伴う長期的な健康被害リスクは、燃焼を用いる一般的なタバコに比べればはるかに低いものの、無害というわけにはいきません。

無煙タバコの安全リスクは電子タバコと同程度だと推定されていますが、所詮タバコには違いないので、同様の有害成分が含まれています。

そもそも健康被害リスクのない無煙タバコなど存在しないのです。

歯周病や口腔がん、食道がん膵臓がんなどの多くの悪影響や、死産、早産、低体重児出産などの生殖への悪影響との相関関係があります。

無煙タバコには発ガン性の化学物質が含まれており、約28の化学成分は本質的に発がん性があり、その中でニトロソアミンが最も顕著です。

無煙タバコは、世界的に見ても大きな死亡要因を占めており、特に東南アジアで顕著に見られるとのことです。

・新たに登場した「加熱式タバコ」や「電子タバコ」の危険性は?

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最近では、「加熱式タバコ」とか「電子タバコ」が登場してきました。

加熱式タバコとは、タバコの葉を加工したものに電気で熱を加えてエアロゾル(霧状の粒子)を発生させ、その中に含まれるニコチンを吸い込むものです。

タバコの葉に直接火をつけないため煙が出ないこと、また、髪や衣服に臭いがつきにくいことから、紙巻タバコから加熱式タバコに切り替える人も目立ちます。

形や機能は違っても、加熱式タバコの中身は紙巻タバコと同じ「タバコの葉」なので、れっきとした「タバコ」です。

タバコ会社は、発がん性物質や有害物質は紙巻きタバコより少なく、タバコ関連疾患のリスクを減らすとの研究論文を出しているところもありますが、米国FDAタバコ製品科学諮問委員会は、タバコ会社の主張を否定している他、2017年には加熱式タバコのフィルターから加熱時に有害化学物質が発生していることが報告されています。

加熱式タバコを吸っても煙は出ませんが、吐き出した呼気には目に見えない有害物質が含まれています。

そのため、喘息や化学物質過敏症の患者が呼気を吸うと、有害物質に反応して体調を崩す恐れがあります。

日本では、電子タバコにはタバコの葉は使用せず、カートリッジ内の液体(リキッド)を電気加熱により発生する蒸気を吸引するものです。

電子タバコの成分は、食品添加物としても広く使われているプロピレングリコールと植物性グリセリンなので、人体への悪影響は少ないとされています。

しかし、これらの物質は、あくまで食品添加物として使用する分には安全性が高いとされているのであって、加熱して肺の奥に吸い込んだ時の安全性まで保証されているわけではありません。

アメリカでは、電子タバコによるものと疑われる肺疾患が次々と報告されています。

原因はまだ明らかになっていませんが、製品に添加されているビタミンEアセテートという物質が関与している可能性が考えられています。

要するに、タバコはどうやっても、有害なのです。

 

タバコは、もはや公害!それでも、あなたは吸い続けますか?

2018年8月に厚生労働省から、タバコの害は社会全体の大損失になるという研究結果が発表されました。

2015年度の医療費や介護、火災などタバコによる損失を合わせると、その額は推計で何と2兆500億円!にも上るというのです。

主な内訳は、タバコが原因と考えられる病気(がん、脳卒中心筋梗塞認知症)にかかる医療費が1兆6,900億円、これらの病気で必要になった介護費2,600億円タバコによる火災などの関連費が1,000億円というものでした。

医療費の中でも、がんの治療費が5,000億円超になっている他、受動喫煙が原因の医療費は3,300億円で、さらに脳血管疾患による医療費も多くなっています。
この莫大な損失額を削減するためにも、やはり禁煙と受動喫煙防止が不可欠です。

ところが、喫煙者の間には、今だに「タバコは個人の趣味嗜好の問題だから、むやみに法律で規制するのはおかしい」とか、「喫煙者の人権を無視してよいのか?」という反論があるようです。

しかし、そうした考え方には根本的な見落としがあります。

なぜなら、タバコの害は、もはや個人だけの問題ではないからです。

すなわち、喫煙者本人だけでなく、周りの人々にも多大な災いと迷惑を及ぼす、もはや社会全体における明らかな「公害」と言って差し支えないでしょう。

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■タバコの3大有害物質とは?

今更でもありませんが、まずは、喫煙による健康被害からおさらいしてみましょう。

タバコの煙には4,000種類の化学物質が含まれ、そのうち200種類以上は有害物質で、70種類以上の発がん性物質が含まれています。

その中でも、特に有名なのが、次の3つです。

<たばこに含まれる3大有害物質>

ニコチン

胃から吸収され、血管を収縮させ、血液の流れを悪くする作用があり、動脈硬化を促進させます。

副腎からのカテコールアミン分泌を促進させ、血管収縮、血圧上昇、脈拍増加をきたし、心臓に大きな負荷をかけるのです。

また、強力な血管収縮物質を持つトロンボキサン A2を遊離させ、血小板凝集や血栓形成のリスクも高まります。

さらに悪質なのが、タバコへの依存性を高める物質だということです。

喫煙により、急激にニコチン血中濃度が上昇することで「依存」が形成され、これは麻薬に匹敵するほどの依存性質です。

喫煙後約5分で血液中のニコチン濃度は最大になり、その後約1~2時間で半分以下に減るため、ニコチン濃度を維持するには断続的にタバコを吸い続けなければなりません。

吸えば吸うほど依存性は強くなり、やがて自分の意思とは関係なく、ニコチン支配による喫煙が繰り返されます。これがいわゆる「ニコチン依存症(中毒)」です。

・タール

タバコのヤニの成分で、気管支や肺などの呼吸器に沈着し、大きなダメージを与えます。

発ガン物質として有名なベンツピレンを始め、アミン類など数十種類の発ガン物質が含まれています。

一酸化炭素

酸素を運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こす上に、動脈硬化を促進させます。

一酸化炭素有機物の不完全燃焼で発生するガスで、タバコ煙にも3%前後含まれています。

無味無臭の気体で、極めて毒性が強い物質です。

私達の血液にはヘモグロビンという成分があり、酸素はこのヘモグロビンに結びついて全身に運ばれて行きますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。

このため、喫煙によって一酸化炭素を体内に吸い込むと、酸素はヘモグロビンに結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下し酸素不足=酸欠に陥ってしまいます。

■「たばこにもメリットがある?」という、とんでもない誤解とは?

 一方で、喫煙者の間には、「タバコにもメリットがある」という錯覚があるようなので、その中身と真実を検証してみましょう。

「いらいらした気分が落ち着き、リラックスできる?」

タバコには、高ぶり過ぎた神経を落ち着かせたり、リラックスさせる効果があると言われます。

これは、「精神的な疾患を抱える患者は、精神状態が悪くなるとタバコの本数が増える」という医師の分析によるものです。

そうでなくても、「イライラするとタバコを吸いたくなる」「みんなで飲んで騒いていると、ついついタバコに手が伸びる」といった喫煙者の声は、よく聞いたことがあると思います。

イライラする時に、タバコを吸うと気分が落ち着く・・・とじるのは、ごく軽度の一酸化炭素中毒による神経麻痺=鎮静状態の表われなのです。

そして、タバコが切れると、タバコが吸いたくなるのは、ニコチン依存症による典型的な禁断症状です。覚せい剤と同様に恐ろしいのです。

「脳を活性化させて、やる気を起こす?」

ニコチンには、ストレスを和らげる他、やる気を起こさせたりする効果があるとも言われます。

確かに、ニコチンには、脳の「側坐核(そくざかく)」という部分を活性化させる性質があります。

この側坐核は、「脳の意欲」をつかさどる重要な部分で、ニコチンを摂取すれば気分が元気になって、面倒なこともやる気が起こる、という理屈です。

しかし、これは、実は覚せい剤と同様の一時的な興奮状態を示しているに過ぎないのです。

こうした「見かけ上のやる気」は、無論長続きはせず、一過性の興奮状態を繰り返すことで、ますます心身の疲弊が積み重なってしまうのです。

③「ダイエットになる?」

ニコチンは胃腸にダメージを与え、その結果食欲不振を招きます。

なるほど、喫煙を続けていれば、食欲は減退し、食事量は減るので、体重が増えることはないでしょう。

ただし、そのダイエット方法は決して正しい健康的なものではありませんよね!

禁煙した途端に、体重が増えて困った?・・・と嘆く前に、タバコを止めたことで、食欲が戻って、その結果体重が増えるのは、健康な状態に戻った証でもあると素直に喜びましょう。

そして、正しくダイエットしたいなら、まずは適切な食生活と適度な運動など、基本的な生活習慣を見直すことから始めるべきです!

■ご存じですか?日本の喫煙による死者は毎年12~13万人!

 

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以上のように、「喫煙は百害あって一利なし」です。

タバコを吸う人(喫煙者)が「がん」で亡くなる危険性は、男性が喉頭がんで5.5倍、肺がんで4.8倍、女性では肺がんが4.2倍、乳がん1.9倍(閉経前女性に限ると3.9倍)となっており、また男女とも脳卒中心筋梗塞の大きな原因も喫煙です。

喫煙者の死亡率は非喫煙者より高く、国内で喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で12~13万人、世界では年間500万人以上と推定されています。

さらに、国内の調査では、20歳よりも前に喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることが分かっています。

喫煙は、一時の至福感と引き換えに、自分の寿命を削っているのです。

ただ、救いの道は残されています。

早く禁煙すればするほど、寿命を取り戻せるのです。

例えば、35~40歳で禁煙すれば、喫煙前の余命を取り戻すことができます。

また、50歳で禁煙しても6年、60歳なら3年ほど寿命を延ばすことができると言われています。

いくつになっても、禁煙が遅すぎることはありません。

先送りせず、禁煙する気になった時が「タバコの止め時」だと自覚した方が身のためです。

 

 

冷え症には、ビタミンEやB、Cが効く!③-ビタミンCの働きとは?

冷え症を予防・改善するには、体を内側から温め、血行を良くし、自律神経をきちんと機能させることが大切です。

そのためには、基本的な生活習慣を見直し、例えば栄養のバランスの取れた食生活を続けること、その際、特にビタミンE・B群・Cや良質のタンパク質などを積極的に摂ることが効果的と言われています。

そこで、今回は、冷え症に効くビタミンCの働きと効果などについて、お伝えします。

冷え症とビタミンCの関係は?

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ビタミン類の中で最も知名度が高いといってもよいビタミンCは、化学的にはL-アスコルビン酸と呼ばれる有機化合物です。

水溶性ビタミンの一つに分類されており、多少多く摂りすぎても尿として排出されるので、害はありません。 

・ビタミンCの働きとは?

ビタミンCには様々な働きがありますが、中でも大きな働きは、血管を若々しく保ち、末端冷え症の緩和に役立つことです。

直接冷え症に関係する働きとしては、毛細血管の強化が挙げられます。

ビタミンCが生成をサポートする「コラーゲン」は、細胞と細胞を結びつける働きがあり、血管壁の厚さが極めて薄い毛細血管の強度や弾力を保持するためには、十分なビタミンCを摂取して、コラーゲン構造を強化することが必要と考えられています。

また、ビタミンCは抗酸化物質でもあるので、悪玉コレステロールなどが活性酸素によって酸化されて起こる“ドロドロ血液”を予防し、血液をサラサラに保つことで、末端までのスムーズな血液循環をサポートする働きも期待できます。

白血球の強化・インターフェロン生成促進などによる「免疫力向上」と、ストレス下で多く分泌される副腎皮質ホルモンの合成を促進させる「抗ストレス効果」などがよく取り上げられています。

抗ストレスホルモンの生成を促し、自律神経の働きを良くするのです

その他、鉄分、特に人体への吸収率の低い植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収を助けることで、貧血の予防・改善にも役立ちます。

抗酸化・毛細血管強化と合わせて血行不良の改善が期待でき、特に手や足の冷たさが気になる末端冷え性の改善に役立つと考えられているのです。

その他にも、肝臓の解毒機能を助ける・抗酸化作用によって酸化が原因で起こる様々な病気のリスクを低減させる、などの働きが期待されています。

ビタミンC補給におすすめの食材は?

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ビタミンCは野菜や果物などに多く含まれているうえ、人体への吸収率も高いのですが、熱や水に弱いこと、体内で保持できる時間が短いことに加え、ストレスや喫煙などによって大量に消費されることから不足しやすい栄養素の一つと考えられています。

果物類であれば、100gあたりのビタミンC含有量が多いのは、柿(70mg)・キウイ(69mg)・イチゴ(62mg)などが挙げられます。

ビタミンC=レモンというイメージがありますが、レモン果汁のみであれば50mgとされているので、酸っぱさを我慢してまで果実を無理に摂取する必要はなく、ドレッシングやジュース作りに利用すると良いでしょう。

ミカンの場合は、100gあたりのビタミンC含有量は32mgとさほど多くはありませんが、ビタミンPの一種(ヘスペリジン)と同時に摂取することができるので、数値で見るよりも高い効果が期待できると言われています。

野菜類であれば、赤ピーマンやゴーヤなどの含有量が高いのですが、使いやすい食材としてはブロッコリーやサツマイモ・ジャガイモなどのイモ類がおすすめです。

ブロッコリーは、茹でた後でもビタミンCが残りやすいと言われており、ビタミンPの一種(ケルセチン)も含まれています。

また、イモ類のピタミンCは、デンプンに守られているため調理過程で壊れにくいという特徴があるので、生100gあたりの含有量で見た場合は少なく感じても、加熱料理して食べる場合は効率の良い補給源となってくれます。

ただ、ビタミンCだけが必要な栄養素というわけではなく、ビタミン類が豊富に含まれている緑黄色野菜や良質なタンパク質・ミネラルが摂取できる魚やナッツ類など、栄養価を考えながら様々な食材をバランス良く摂り入れていくことが、冷え症の改善や健康維持につながります。

ビタミンCと合わせて摂りたい栄養素は?

ビタミンP

ビタミンPは、正確にはルチン・ヘスペリジン・ケルセチンの総称で、ビタミンではなくフラボノイド系ポリフェノールに分類されます。

ビタミンPは、様々な機能を持っていますが、その中にはビタミンCを安定化させることでビタミンCの吸収・利用をサポートする働きもあります。

ビタミンCの働きをサポートするだけではなく、ビタミンP自体も抗酸化作用があるので、相乗して活性酸素を除去する働きも期待できます。

血管・血液を正常な状態に保ち、スムーズな血液循環の保持により、高い効果が期待できます。

ピタミンPのうち、ルチンはお蕎麦、ケルセチンはタマネギなど、ヘスペリジンはみかんやオレンジなどの“白い筋”部分に多く含まれています。

みかんのスジを取らないで食べることを心がけるだけで、ビタミンCとピタミンPを一緒に摂取することができます。

・ビタミンE・ビタミンA(β-カロテン)

ビタミンCが水溶性ビタミンであるのに対して、同じく抗酸化作用を持つビタミンのビタミンEやビタミンAは脂溶性ビタミンであり、働く部分に違いがあります。

また、ビタミンCには、活性酸素を無害化することで抗酸化力を失ったビタミンEを再び活性化させる働きがあり、ビタミンAにはビタミンCとビタミンEの働く時間を長くする働きがあります。

ビタミンE、ビタミンC、ビタミンAはまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれており、同時に摂取することで抗酸化力アップ、持続時間の延長などの相乗効果があるとされています。

特に、血液の流れを促進する効果などが期待できる「ビタミンE」を摂取することがおすすめです。

■ビタミン剤の選び方と注意点

手足の冷え(冷え症)を改善する一般用医薬品には、様々な種類があります。

血行を改善してくれるビタミンEなどを配合した飲み薬などがありますので、症状に合った成分が配合されているものを選びましょう。

ビタミンCはサプリメントとしても定番で、価格も安価なものが多く流通しています。

購入する場合は、薬局で薬剤師とよく相談の上、自分の体質に合ったものを選びましょう。

一方、マクロビオティックの考え方から見ると、ビタミン剤は体を冷やす性質が非常に強いとも言われているので、なるべく自然なものを食材から摂取するようにした方が安心です。

 

いかがですか。

冷え症対策に効果があるビタミンE、ビタミンB群、ビタミンCなどは、普段の食生活で規則正しく栄養バランスに気を付けていれば、特に過不足の心配は不要ですが、ビタミンCだけは、できるだけ多めに摂ることを心がけた方が良いかも知れません。  

その場合も、あまりビタミン剤やサプリメントに頼るのではなく、できるだけ自然の食物から摂ることをおすすめします。

 

 

冷え症には、ビタミンEやビタミンBが効く!②-ビタミンBの働きとは?

冷え症を予防・改善するためには、体を内側から温め、血行を良くし、自律神経をきちんと機能させることが大切です。

そのために、基本的な生活習慣を見直し、例えば栄養のバランスの取れた食生活を続けること、その際、特にビタミンE・B群・Cや良質のタンパク質などを積極的に摂ることが効果的と言われています。

そこで、今回は、冷え症に効く、ビタミンBの働きと効果などについて、お伝えします。

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■冷え症とビタミンBの関係とは?

体温が1℃上昇すると、免疫力が30%上昇する」と言われているとおり、免疫力が上がれば体温が上がり、体温が上がれば免疫力も上がるとされています。

冷え症の改善には免疫力を上げることが大切ですが、まず考えるべきことは、代謝促進と血流促進です。

 基礎代謝を上げると、血流が促進される

体を温めると、基礎代謝が上がると言われています。

基礎代謝とは、心臓を始めとする内臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を保ったり、人間が生きていくために最低限必要な機能を維持するためのエネルギー代謝代謝の約70%)を指します。

そして、代謝によって生み出されたエネルギーや熱は、血液に乗って全身に運ばれ、血行を良くするのです。

従って、よりたくさんの体熱を発生させて、血行を良くするには、代謝を良くする必要があるのです。

食物の栄養素をエネルギーや熱に変えるには?

私たちは、食物に含まれる糖質からエネルギーや熱を作り、体温を保っています。

食物に含まれる糖質は、体内で消化され、ブドウ糖として吸収されます。

ブドウ糖は、人間に備わる酵素の働きでエネルギーや熱に変化します。

酵素は体内で生成され、適材適所的に分布していますが、その活動は36~37℃台(~40℃)で強まります。

ここで、ブドウ糖をエネルギーや熱に変化させるには、亜鉛・セレン・鉄・マグネシウムといったミネラルビタミンB1・B2などのビタミンが必要です。

こうしたミネラルやビタミン、特にビタミンB群が不足してしまうと、食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、体温が上がらなくなり、冷え症になってしまうのです。

従って、体温を上げて、冷え症を改善するためにも、ミネラル・ビタミンB群を豊富に含んだ食事を続けることが、まず基本になるのです。

逆に、加工精製食品の摂り過ぎや無理なダイエットをすると、ミネラル・ビタミンは不足してしまうので、くれぐれも注意が必要です。

・ビタミンB群の働きとは?

B1・B2は、糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変換する際必要になる栄養素です。

代謝を促進し、体を動かすエネルギーを産生します。

そのため、特に、ビタミンB1・B2・B5(パントテン酸は、冷え症改善に有効です。

不足すると、変換できなかった余剰の糖質が体に溜まり、冷え症を始め様々な不調を引き起こします。

パントテン酸は、代謝を促進し、自律神経を活性化させる抗ストレスホルモンの生成に関わり、自律神経を正常に働かせます

また、葉酸(ビタミンB9)は、“造血ビタミン”の異名を持つほどで、赤血球の生成に大きく関わっているため、意識的に摂ることで血行が改善され、冷え症改善に大きな効果が期待できます。

ビタミンB群補給におすすめの食材は?

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ビタミンB群は、様々な食品に含まれているため、通常は不足することはありません。、

ビタミンB1が含まれる食材:豚肉、大豆、卵、たらこ、レバー、豆類

ビタミンB2が含まれる食材:レバー、うなぎ、納豆、魚卵

パントテン酸が含まれる食材:レバー、大豆、卵、納豆、魚卵、干し椎茸

葉酸が含まれる食材;からし菜、ほうれん草、春菊 、ブロッコリーパッションフルーツ

栄養バランスの取れた食事を規則正しく摂ることが大切になるのです。