禁煙カウンセラーや禁煙セラピスト達は、禁煙を維持するためのノウハウの一つとして、喫煙の誘惑に負けないように、まずは喫煙環境に極力近づかないように心掛けるべし、とよくアドバイスしています。
例えば、酒の席にはなるべく近づかない、などと・・・。確かに、喫煙者は飲み会や麻雀などの場に参加すると、そこだけで軽く1箱よけいに吸ってしまうことも珍しくはありません。
最近でこそ、コロナ禍の影響で、酒や会食の席はめっきり減ってきていますが、だからといって、麻雀はともかく、せっかく酒の席に誘われて遠慮してばかりというのも、対人コミュニケーションを考慮すれば、なかなか難しいかも知れません。
タバコを我慢しやすい酒の飲み方はないのでしょうか?
タバコと酒の相性について考察した、面白い報告を見つけましたので、ちょっと紹介します。
例えば、「タバコには、ビールは合うが日本酒は合わない!?」などといったようなことです。
■飲み物には、種類によってタバコと合う・合わないものがある。
喫煙者はよく、「食後の一服だけは格別」だと言います。
確かに、喫煙者にとって、毎食後にお茶を飲みながら、一服のタバコで一息つくのは、まさに至福のひとときと言えるようです。
特に、コーヒーや日本茶、中国茶はタバコとよく合います。カフェインの刺激が刺激を呼ぶのでしょう。
例えば、「中国の朝は、一杯の中国茶と一服の中国タバコで始まる」と言われるほど、
中国人は昔からタバコ好きです。
何しろタバコの中には「中国健康タバコ」と銘打っている銘柄もあるほどですから。いかにも中華的とも言えますね・・・。
ところが、紅茶は意外にタバコと合いません。
どうやら、ほんのりとした甘味がタバコの風味と合わないようです。
また、言うまでもなく、ミルクやフレッシュジュース、果汁入り清涼飲料水なども決定的に合いません。
唯一の例外といってもよいのがコーラです。やはり劇物が劇物を招く、シナジー効果の故かも知れません。
■お酒にも、タバコとの相性がある。
お酒の席にタバコは付き物だとも言われます。
なんといっても相性が抜群なのがビール、ウィスキーです。
禁煙が途中で挫折するのも、こうした酒の席が最も多いのが現状ですから。
おいしい生ビールを飲み干し、プハーと息吐いて、タバコを吸うのはまさに極楽気分なのでしょう。
洋酒では、バーボンやスコッチなどは言うまでもありません。
バーカウンターで、葉巻や外国タバコの煙をくゆらせながら、グラスを傾けるのは、いかにもハードボイルドで絵になります。
スコッチなどは、そもそもモルトが「スモーキーフレーバー」ですから、相性が良いのは当たり前です。
スピリッツはどうでしょうか?実はあまり合いません。例えば、甘ったるいカクテルは言うに及ばず、辛口のドライ・マティーニなども合わないのです。
度数が高くピュアな分だけ、かえってタバコの味が邪魔をしてしまうようです。
ワインやブランデーも全く合いません。
原料の果実の甘さがタバコと受け入れないためでしょう。
同様に、日本酒や焼酎などもいけません。
たとえ辛口であっても、原料の米麹やデンプン質のほんのりとした甘さがタバコの風味と合わないようです。
これらが変に混ざり合って、口の中がおかしくなってしまう、と経験者は語っています。
もちろん、人の嗜好は千差万別ですから、一概には言えませんが、今まで何となく感じていた経験を思い起こす最大公約数的な感覚ではないでしょうか。
従って、酒を飲んでも、それにつられてタバコを吸い過ぎないようにするためには、純粋にお酒だけを楽しめるような種類のアルコールを選択するか、できるだ舌を肥やして、洋酒でも上等のお酒に慣れ親しむように努めることです。
■酒は飲んでも、タバコは呑むな!
料理と同様、本当においしいお酒は、タバコの味を受け付けません。
水や氷で薄めてはバチが当るような美味しい洋酒を小さ目のショットグラスに、ストレートでワン・フィンガーかツーフィンガー(ひと昔前にテレビCMで流行りましたね)で味わう。
口の中がカーッとしたら、用意しておいた冷たいミネラルウォーターを一口飲む。
初めから水で割るのではなく、喉元を過ぎてから胃の中で水と混ざるわけで、洋酒本来の味を損なうことなく、また健康的な飲み方と言えます。
こういう飲み方を続けると、次第にタバコはかえって邪魔な存在になるでしょう。
じっくりとおいしいお酒を満喫することで、タバコの味を忘れさせてくれるからです。
タバコか酒かどちらを取るか、二者択一を迫られたら、体質的にお酒が受け付けない場合を除いては、お酒を取る方が長い目でみたら、やはり健康的でしょう。
「酒は百害あっても、(飲み方次第では)百薬の長」ですが、「タバコは百害あって一利なし」だからです。
もっとも、お酒の場合も、「薬」を通り越して「害」にしてしまう人々が圧倒的に多いのが、悲しい人間の性(さが)なんでしょうけれど・・・