昨年の冬場は、新型コロナの陰に隠れた形で、季節性のインフルエンザがあまり流行りませんでした。
今年の冬は、どうでしょうか?
新型コロナだけでなく、通常のインフルエンザや、普通の風邪を予防するのは、それほど難しいことではありません。
マスク、換気、手洗い、うがい、そして、栄養と睡眠を十分にとり、身体を温めて免疫力を高める・・・。何はともあれ、こうした正しい生活習慣を徹底させるのが「基本のき」になります。
普段から寒さをしのぐには、まず衣服、特に肌着が重要です。
■暖かくて体に良いのは、やはり天然素材のウールかカシミアが一番!
近年は、ヒートテックとかいう新素材の肌着がブームになっていますが、ここはひとつ、暖かさだけでなく、体に良いというポイントを重視しましょう。
やはり、肌着は素材にこだわりたいですね。
何と言っても、体に直接触れる肌着は、合成繊維より天然素材の方が体に良いに決まっています。
そこで、着目すべきなのが、昔ながらの伝統的な天然素材、ウールです。カシミアはさすがに値が張るので、ウール100%素材の肌着がおすすめです。
皆さんの中には、毛織物製品で有名な「イエーガー」という英国のブランドをご存知の方も多いと思います。
このブランド名の由来ともなった、ドイツ・シュツットガルト大学の動物学・生理学者のイエーガー博士は、19世紀に「人間は、植物性繊維よりも動物性繊維の服を身に付けた方が健康に良い」という学説を発表したのです。
確かに、私たち人間も動物ですから、木綿や麻といった植物性繊維の衣服よりも、同じ動物の毛で編んだ衣服を身にまとった方が、健康には良いのも至極当然と言えますよね。
暖かくて吸湿性に優れるウールは、セーターだけでなく冬の肌着にも最適です。
昔、私たちの父親や祖父の世代の人たちは、真冬にいわゆる「らくだのももひき」といわれるウールの肌着を身に着けていましたが、カッコ悪いのをものともせず(どうせ、外見からはわかりませんけど)、実はとってもぜいたくだったんですね。
今ではすっかりお馴染の、ウール地にセラミック素材を散りばめて遠赤外線効果を発揮する「健康あったか肌着」は、ふわふわっとした心地よい肌触りで、その着心地の良さは一度着ると、もう病みつきになります。ヒートテックの比ではありません。
■寝る時、首巻きをする
朝起きたら、喉が痛い。どうやら、夜寝ている間に口があいてしまい口呼吸になったせいで、風邪をひいてしまったらしい、そんな体験、ありませんか?
どんなに暖かな肌着とパジャマを着て、暖かな布団にくるまっても、布団から外に出ている部分、つまり顔、特に首元のすき間はスース―して寒いですよね。
寒い夜は、思わず、頭からすっぽり布団をかぶりたくなってしまうほどです。
そんなすき間対策としてとっておきなのが、首にタオル(手ぬぐい)を巻いて寝ることです。
そう、腹巻ならぬ「首巻」がおすすめなのです。
マフラーをして寝るようなものですが、吸湿性も良く肌触りも良い材質のタオルや手ぬぐいで十分です。
喉元を温かく保温・保湿することにより、乾燥を防ぐ効果もあるので、寝室が乾燥する季節は特におすすめです。
特に、夜寝ている時に口呼吸になりがちな人には、喉を保護する必需品といっても良いでしょう。
ウールではもったいないので、少し厚手の木綿の使い古しの手ぬぐいで十分です。
■寝るとき、靴下を履く
寒い夜、足先が冷えて、寝床に入ってもなかなか寝つけないという悩みは、特に冷え症の人なら誰もが抱いていると思います。
夜中に起きることなく朝までぐっすり眠れるためにも、足先の防寒は欠かせません。
そこで、重要なのが「頭寒足熱」です。足を冷やさないために靴下を履くことが有効なのです。
靴下を履くと、寒さや、足の冷えから体を守る効果があり、実際に、暖かくて足の冷えを感じずに、すぐに寝つくことができたという声も多く聞かれます。
従来は、靴下履いて寝るのは、足の裏から放出される汗や熱を外に出すことができないので、熱がこもって逃げられなくなり、その結果かえって足が冷えて、逆効果になってしまうという、否定的な考えが少なくありませんでした。
しかし、そのような考えは、今やくつがえりつつあります。
実際に私の体験では、靴下を履くと足先が暖かさで、快適な眠りに入れて、何物にも代えがたいほどです。
ここで、重要になるのは「靴下選び」です。
靴下は、締め付けがきついと、血流を妨げてしまうので、足首を締め付けず、ゆったりとして通気性がよいものを選びましょう。おすすめなのは天然素材のウールです。
もこもこした毛糸の靴下で、履き古して少しゴムが緩くなったものが最適です。試してみると、効果てきめんなのが実感できるでしょう。
ぽかぽかと暖かく、汗をかいても蒸れることがないので、快適です。冷え症でない人にも風邪の予防にもなるので最適だと思います。
ウールの肌着に、寝る時に首巻と毛糸の靴下を履くようにしてからというもの、私自身、ずーっと風邪知らずです。