冷え症を改善する、体を温める食べ物とは?

冷え症改善に役立つ、体を温める食べ物には、どのようなものがあるでしょうか?

今回は、具体的に、野菜、魚介類、その他の食材について、紹介していきます。

■冷え症を改善する食べ物①~体を温める野菜

まずは、野菜です。

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生姜

漢方薬には7割に生姜が入っているほど、万病に効果があります。

血液の循環を良くして、体の芯から温めてくれる食材です。

特に、成分のショウガオールには、血流を良くして体温を上昇させて、脂肪や糖の燃焼を促進させる作用があります。

冷え症改善にとって、生姜はなくてはならない食べ物と言って良いでしょう。

にんじん

漢方では、にんじんは内臓を温め、血を補う効果があると言われています。体が冷えやすい方は積極的に食べるようにしましょう。

にんじんには、なんといってもβ-カロテンが豊富に含まれているのが特徴です。βーカロテンは、体内でビタミンAに変化し、万病の元といわれる活性酸素の働きを抑えます。

ごぼう

ごぼうは、根を食べる野菜ですので、体を温めてくれて、足や腰の痛み、残尿、頻尿、精力減退、足のむくみなどの下半身の不調を改善してくれます。

尚、にんじんとごぼうを一緒に調理して「きんぴらごぼう」にすれば、にんじんの栄養素を余すことなく効率的に摂ることができます。

にんにく

にんにくの体温アップ効果は絶大です。内臓を温め、代謝を上げて発汗・利尿を促すので、冷え症やむくみやすい方に特におすすめです。

玉ねぎ

玉ねぎは、野菜の中で最も糖質が多く、ほとんどがエネルギー源として使われます。

玉ねぎには特有の香りのもととなる硫化アリルが含まれていて、血液をサラサラにする働きがあり、さらに血管が若返って弾力を取り戻し、動脈硬化や高血圧を防ぎます。

この硫化アリルには、殺菌、防腐、発汗、利尿、解毒などの作用もあるので、余分な水分を出して、体を温める効果があります。

夏バテや疲労が溜まっている時は、ビタミンB1が豊富な豚肉と合わせて食べると、さらに効果的です。

冷え症体質の人は疲れがとれにくいので、ビタミンB1が多い豚肉や豆類と玉ねぎを使った料理を普段から食べるといいでしょう。

やまい

やまいもは、滋養強壮にすぐれた食材です。

やまいもは、胃腸の働きを良くしてくれるだけでなく、体もしっかりと温めてくれ、さらに、足腰の冷えや痛み、頻尿、骨粗しょう症などの老化現象にも効果的であると言われています。

長ネギ

冬の鍋に欠かせない長ネギは、風邪の予防に効果があります。漢方では、頭痛や鼻づまりなどの風邪の初期症状の治療に用い、体を温め、発汗を促す作用があります。

体が冷えやすい冬や冷え症の方は、鍋や煮物、汁物などに長ネギを入れて食べましょう。

体の内側からポカポカと温まり、免疫力がアップし、風邪予防になります。生姜と一緒に入れると、さらに効果が上がります。

ニラ

ニラは、ネギと同様、硫化アリルが含まれています。硫化アリルが血行を促進し、内臓を活発にして、体の内側からポカポカに温めてくれます。

ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉と一緒にとれば、滋養強壮作用があるので、ぜひ豚肉炒めでスタミナアップをはかりましょう。

しそ

同じしそでも、赤じそと青じそでは違いがあります。赤じそは体を温めますが、青じそはそれほどでもありません。

漢方では、しそは心身の冷えを取り除くと言われるほど、あらゆる薬効を持ちます。

その効果の基となるのが、独特の香りの成分であるペリルアルデビドです。

栄養素の面でも、βーカロテン、ビタミンE・B2・Cなどが豊富に含まれていて、美容効果、動脈硬化の予防などにも効果があります。

また、余ったしそは、お風呂に入れると体が温まります。冷え症や神経痛、腰痛、生理不順などにも効果があります。

パセリ

ヨーロッパでは、薬用とされているほど栄養効果が高い食材です。

パセリには、βーカロテン、ビタミンE・B2・Cなどのビタミンが大変多く含まれていて、体の不調の原因となる冷えを改善して、美肌効果、眼病予防、胃腸・肝臓の強化があります。

その他、カリウムやカルシウム、鉄などのミネラルも豊富に含み、高血圧予防や骨の強化、貧血予防などにも効果を発揮すると言われています。

とうがらし

とうがらしの辛み成分であるカプサイシンは、血行促進、体温上昇の作用があります。

漢方では、この辛さが消化器系を温め、食欲を増進するとして、冷えによる消化不良や食欲不振の解消に使用されます。

この温め効果は、体の外側からでも有効です。

とうがらしを刻んでガーゼで包み、湯船に入れて入浴すると、体温が上昇し、リウマチ、神経痛、筋肉痛などの様々な痛みが改善されます。冷え症の方におすすめです。

その他、朝鮮人参、自然薯、ふき、かぼちゃ、じゃがいも、玉ねぎ、レンコン、やまごぼうヨモギ、くず、オオバコなども体を温めます。

■冷え症を改善する食べ物②~体を温める魚介類

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さけ

ピンク色の身をしているサケは、体を引き締め、温める効果のある食べ物です。

漢方では、胃腸を温め、消化吸収を促進し、気力を補う魚として有名です。

さば

さばの脂には、血栓動脈硬化を防ぐEPSと脳を活性させるDHAが豊富に含まれ、生活習慣病を予防してくれます。

そのほか、自律神経を調整し、肝機能を強化するタウリンの含有量は、魚の中でトップクラスです。

さんま

さんまは、弱った体にエネルギーを補給し、胃腸を温め、気や血の巡りを良くする魚として有名です。

まぐろ

まぐろの赤身にはが多く、良質なたんぱく質を含みます。血合いにはコレステロール低下と肝機能を強化するタウリンが豊富に含まれています。

また、脂ののったトロは、血栓動脈硬化予防、若返り効果があり、血中の余分な脂肪を減少させ、脳細胞を活性化するDHAを豊富に含んでいます。

かつお

かつおは、効率的に血液を循環させて血行をよくする驚くべきチカラを持っています。

かつおを食べると、貧血予防、消化吸収力アップ、持続力アップ、疲労物質の除去などが期待できます。

かつおの特に血合い部分に含まれている鉄分の量は、レバーに匹敵するそうです。

冷えからくる頭痛、肩こりなどを改善し、血液循環を助けて肌も髪も艶やかにしてくれます。

イカ

漢方では、イカの効能を養血滋陰といい、血を作り、体を潤して冷えを取り除く食材です。

胃腸の働きを高めるため、体力の衰えや精力減退の対策にもなります。

また、女性の場合は生理不順や更年期障害などの改善にも効果的です。

エビ

エビは、殻や身に体を温めるアスタキサンチンという色素を持っています。

この色素は、強力な抗酸化作用を持っていて、動脈硬化などの原因となる活性酸素の働きを抑えるため、生活習慣病の予防に役立ちます。

カキ

カキは、体を温め緊張を和らげ、不眠を解消し、精力をつける薬効の高い食材です。世界中で愛される理由は、その薬効の高さからです。

カキフライにすると、更に体を温める効果が高まり、寝汗の予防や胃酸過多の解消に効果的です。

あさり

あさりは、体内の余分な熱やほてりを取り、イライラを鎮めて精神を安定させます。

また、糖分の代謝を促すコハク酸を多く含み、血糖値を正常にする効果も期待できます。

低脂肪で、良質なたんぱく質と鉄も多く含むため、冷え症の改善に効果的です。

しじみ

しじみは、日本では古くから肝臓を強くする食材として親しまれており、体を温める効果がある食べ物です。

また、しじみには血液の構成成分となる鉄や、ビタミンB12、カルシウムなども豊富に含まれています。

体が冷えやすい方は、朝から栄養たっぷりのしじみの味噌汁を飲みましょう。

明太子

ピリッとした辛みがおいしい明太子は、体を温める食べ物です。明太子は生殖器なので、食べれば滋養強壮に効きます。

わかめ・昆布・ひじき

これらの海藻類は、血行を良くし、余分な水分を排泄して、体を温める食べ物です。

ビタミン・ミネラルの含有量は、野菜よりもはるかに多く含まれています。

■冷え症を改善する食べ物③~体を温める肉類、その他

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牛肉・鶏肉・豚肉

漢方では、肉は胃腸の働きを良くし、筋肉を強くし、排尿を促し、むくみを取ると言われています。

中でも牛肉は、必須アミノ酸を豊富に含む良質なたんぱく質源で、胃腸を丈夫にして消化吸収を高める働きがあります。

また、体を温める作用が非常に強いので、冷え症体質の人は積極的に肉を食べるようにすると、虚弱体質が改善されます。

鶏肉は、低脂肪で、体を温め、牛肉と豚肉の10倍ものビタミンンAを含みます。

豚肉は、ビタミンB群が豊富で、特にビタミンB1が牛肉の約10倍も含んでいます。ビタミンBは炭水化物や糖質を分解し、効率的にエネルギーに変える働きがあります。

また、豚肉には血を作るビタミンとして有名なビタミンB12も豊富に含み、脳内を働きを活性させます。

そば

そばは体を温め、消化がよく、胃腸に負担がかかりません。

これにネギや七味唐辛子をたっぷりかけて食べると、ネギに含まれている硫化アリルや唐辛子のカプサイシンの効果で血行が良くなり、体を温めて血液をきれいにしてくれます。

梅干し

塩漬けされた梅干しは体、を温める食べ物です。老廃物や毒物を解毒し、血液を浄化する働きがあるので、下痢や腹痛のときに有効です。

漬け物

漬け物は、胃弱、アレルギー、貧血などの陰性体質を陽性へ改善してくれる食べ物です。

塩、みそ、酒かす、ぬかなどに漬けて発酵されている漬け物は、熱を加えていないので野菜のビタミンがそのまま摂れ、植物性の乳酸菌が豊富で、腸の働きを活性化させて免疫力を高めます。

納豆

発酵食品の代表格である納豆は、脳卒中、心疾患、がん、認知症骨粗しょう症、そして糖尿病などすべてを予防するパワフルな食べ物です。

さらに納豆は、発酵の過程で様々な酵素が生み出されています。その一つに、SODという活性酸素を除去する酵素があります。

チーズ

チーズは、乳を乳酸菌や酵素の働きで固めて水分を除いた食品です。牛乳は体を冷やしますが、チーズは体を温める食べ物です。

体の栄養バランスをコントロールしよう

大切なのは、食べ物の性質を活かして、体の栄養バランスをコントロールすることです。

冷え症だからといって、体を温めるものだけ食べれば良いというわけではありません。

体を冷やす食品は鎮静作用もあるため、 火を通したり、体を温める食品と組み合わせて、上手にバランスを取っていきたいものです。

 

 

冷え症を改善する食べ物とは?

冷え症を改善するには、体の中に摂り入れる日々の食ベ物や飲み物がとても重要です。

そして、健康的な食生活を続けることで、冷えに負けない体質に抜本的に改善していくのです。

そこで今回は、冷え症を改善する食べ物について、お伝えします。

■冷え症の改善は、食生活の見直しから

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昔から、医食同源といわれるように、健康と食事には密接な関係があります。

普段の食生活が乱れると、体の不調につながり、やがては病気を引き起こしかねません。

近頃、日本人の体温が低くなってきて、冷え症で悩む人が増えているのも、不規則で栄養のアンバランスな食事、食べ過ぎ、冷たい清涼飲料水の飲み過ぎ、などといった不健康な食生活にも原因があるように思われます。

例えば、若い人の間には、朝食を摂らない人が少なくないようですが、朝食は1日の活動に向けて代謝を高め、体温を上昇させるという意味からも重要です。

特に、冷え症の人にとっては、毎朝の食事は規則的に、温かく消化の良い飲食物を摂取することが大切なのです。

・冷え症改善には、体を温める食べ物を摂ろう

体を温める食べ物を摂ることで、血液循環が良くなって基礎代謝がアップし、脂肪の燃焼がスムーズに進み、免疫力もグングン上がります。

そして、自律神経が整って、病気になりにくい体に変わっていくのです。

体を温める食べ物を食べると、体が芯から温まるだけでなく、いったん冷えても、体温が回復しやすくなるのです。

■冷え症を改善する食べ物の見分け方は?

東洋医学の漢方では、体を温める食べ物と体を冷やす食べ物とに区別しています。

寒い時には温かいものを口に入れたくなりますが、物理的に温かい食べ物や飲み物だからと言って、必ずしも全てが体を温めるものとは限りません。

体を温めるものと冷やすものとを正しく見分けて、冷え症改善に役立てましょう。

体を温める食べ物と冷やす食べ物の見分け方には、幾つかの方法があります。

必ずしもこれが全てに当てはまるというわけではありませんが、一つの参考にはなるでしょう。

一般的に、どこで育ったものか、地面の下と上のどちらで育つのか、色は?成分は?と考えて選ぶことができます。

1.育つ環境で見分ける

寒い地方では、体に熱を吸収して蓄える必要があるため、体を温める果物や野菜が育ちます。

同様に、冬に採れる食べ物も体を温める作用があります。

反対に、温かい南国では、体内にこもった熱を下げるため、体を冷やす食べ物が育ちます。同様に、夏に採れる食べ物も体を冷やす作用があります。

2.地面の下で育つものか、上で育つものかで見分ける

地下(地中)で育つものは体を温め、地上で育つものは体を冷やします。

冬に地下で育つ根菜類が多いのは、動物も人間も体を温める必要があるからで、夏に地上で育つトマトやキュウリ、スイカなどが多いのは、体を冷やしてくれるからです。

3.発酵しているかどうかで見分ける

味噌や納豆、醤油、漬物、チーズやヨーグルトなどの発酵食品には、体の代謝を良くする酵素が入っているため、体を温めます。

お酒についても、日本酒や紹興酒のように発酵して造るお酒は、体を温めます。

4.色、形、成分、味で見分ける

オレンジ色や黄色の野菜や果物は体を温め、白・緑・紫の色の食べ物は体を冷やします。

概して、暖色系は体を温め、寒色系は体を冷やすと覚えておくと良いでしょう。ただし、暖色系でも、体を冷やすトマトのような例外もあります。

形でいうと、小さい物、丸い物は体を温め、大きい物、細長い物は体を冷やします。

成分では、水分の少ない物やナトリウム(塩)を含む物は体を温め、水分の多い物やカリウムを含む物は体を冷やします。

例えば、ジャガイモとナスを比べてみると、ジャガイモは茶色くて、丸く、水分量が少ないので体を温め、ナスは紫色で、細長く、水分が多いので体を冷やします。

味では、自然塩や醤油を使った塩辛さを感じる物が体を温め、酢を使った酸っぱさを感じる物や化学調味料を使った物が体を冷やすということが分かっています。

料理をする時は、素材だけではなく、調味料にも気を配ると良いでしょう。

また、砂糖は、原料の生育地域や精製方法によって、体への作用が異なります。

北海道で育つ甜菜(砂糖大根)から作られる甜菜糖は体を温めますが、沖縄など暑い地域で生育するサトウキビを原料とし、さらに精製された白砂糖は特に体を冷やします。

同じくサトウキビからできている黒砂糖は、未精製でビタミンやミネラルが残っているため、体を冷やす作用は緩やかと言われています。

 

次回は、冷え症を改善する具体的な食べ物について、紹介したいと思います。

 

 

冷え症におすすめの靴下とは?

寝る時以外でも、冷え症対策の一つとして、最近「冷えとり靴下」という物が注目されています。

「冷えとり靴下」とは、「冷えとり」に使用する靴下のことですが、冷えとり用の特別な靴下があるわけではなく、簡単に言うと、靴下を重ね履きすることです。

最近では、4~5足の靴下が1セットになって、市販されています。

基本的には、シルクとコットン、もしくはウールなどの天然素材の靴下を交互に重ね履きするという方法で、異素材を組み合わせることにより保温性を高め、足元を冷えから効率的に守るしくみになっています。

■冷えとり靴下の特徴とは?

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冷えとり靴下には、普通、天然素材のシルク(絹)と、コットン(綿)またはウール素材のものを使用します。

なぜシルクとコットンかと言うと、シルクは温める性質と体内の毒素を吸い出すデトックス効果に優れており、コットンはシルクの耐久面での弱さを補い、デトックス効果をさらに強めるからです。

シルクは、デトックス効果の高い素材の一つで、シルクの靴下は、夏は涼しく、冬は暖かく、そして足から出る毒素をよく吸い取り、外に吐き出す働きがあります。

コットンの靴下は、シルクの靴下が吸い取った毒素を受け取る役割があります。

つまり、シルクで毒素を吸い取って、コットンで受け取るという、この2つの連携で、高いデトックス効果が期待できるのです。

また、冷えとり靴下には、基本的に5本指の靴下を使用します。

5本指靴下は、足の指と指が直接触れ合わないで、自然に足の指が広がる形になっているので、血流が良くなるとも言われています。

また、指の間から出てくる毒素を、しっかりと吸収し、デトックス効果を高めます。

■冷えとり靴下の効果的な履き方は?

冷えとり靴下は、ただ靴下を重ね履きすれば良いというものではありません。

冷えとり靴下は、シルクの靴下とコットンの靴下を交互に履くのが効果的なのです。

そして、履く順番も決まっています。

最初は、吸湿性・放湿性に優れていて、デトックス効果の高いシルクの靴下を履くのが基本です。

その上に、毒素の受け取り手であるコットンの靴下を履くのが一番良い組み合わせです。

さらに、その上から、シルク→コットンと重ね履きしていきます。基本は4~5枚ですが、冷え症の症状の程度や体調に合わせて、それ以上履いても構いません。

重ねれば重ねるほど、温まり方と排毒作用が強まります。

足先の動きが不自由にならない程度に、重ね履きしていけば良いでしょう。

尚、最後に履くのは、外見を考慮して、5本指の靴下の代わりに普通の先丸指タイプの靴下でも構いません。

 冷え症の強い人には、コットンの代わりに保温性に優れた、ウールの靴下を履いても良いでしょう。

靴下の重ね履きを実践すると、なんと足元から1日にコップ1杯分もの汗が出るそうです。

・冷え症の男性におすすめな、靴下の重ね履きは?

冷え症は、女性だけのものではありません。近年は、男性でも冷え症に悩む人が少なくないようです。

仕事中は靴下の重ねばきは難しい場合が多いので、男性におすすめなのは、ビジネス用の靴下の下に5本指のシルクの靴下を1足重ねて履くことです。

シルクの靴下は抗菌性にも優れていて、ビジネスシューズの中でも蒸れにくいので、夏場の足の匂いにも効果的です。

メンズ向けの商品もいろいろ市販されていますので、一度試してみてはいかがでしょう。

■冷え症だけど靴下嫌い!どうすればよいか?

タレントの石田純一さんのように、世の中には、決して靴下を履かない、靴下嫌いという人もいます。

もっとも、一般には、革靴でも素足のままという人は、滅多にいないと思いますが・・・。

しかし、外出中はともかく、自宅では靴下を脱いで、ほとんど素足のままで過ごすという人たちは珍しくありません。

もっとも、素足でいること自体は、とても健康に良いのです。足裏の筋肉が鍛えられて、土踏まずが形成され、人間本来の運動や歩行能力が維持・向上できるからです。

また、足裏の刺激や皮膚呼吸が盛んになり、新陳代謝が活発になって、老廃物が排出されやすくなります。

特に、蒸し暑い夏には、冷え症でない限り、室内では素足のままという人の方が多いでしょう。

問題なのは、冷え症なのに、靴下嫌いというケースです。

寒い冬に、室内とはいえ、素足のままでは、さすがに足先が冷えて、冷え症をさらに悪化させてしまいます。

足先を保温するためにも、やはり、靴下は履いた方が良いでしょう。

靴下嫌いな人は、「靴下を履いている感覚」が苦手という理由が多いようです。

そこで、おすすめなのが、肌触りがよく、できるだけ素足感覚で履けるシルク製の5本指靴下です。

または、靴下の代わりに、ふくらはぎを温めるレッグウォーマーでも良いかも知れません。

 

いかがですか。

夜、寝る時の冷え症対策としては、靴下を履いて寝ることがやはり有効だと思われます。

冷え症におすすめの靴下がシルクの靴下だったとは、意外に感じた人も多いのではないでしょうか。

また、寒い時に服を重ね着するのはごく普通ですから、足先の防寒対策に靴下を重ね履きするのも、考えてみれば、ごく当たり前のことですよね。

靴下の重ね履きは、一見足先がだぶついて「野暮ったい」イメージがありますが、決して恥ずかしいことではありません。

温かで快適な履き心地を一度体験すると、もう止められないという声を多く聞きます。

ぜひ、試してみては、いかがでしょう。

冷え症対策には、靴下履いて寝るのがおすすめ!

冷え症の症状で、夜「足先が冷えて眠れない」という人は多いと思います。その対策として、靴下を履いて寝るという人も多いでしょう。

しかし、冷え症対策として、靴下履いて寝るのは、その効果については賛否両方あるようです。

そこで、今回は、靴下履いて寝るのが、果たして冷え症対策として本当に効果があるのかどうかについて、お伝えします。

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■冷え症対策に、靴下履いて寝るのは、良いか、悪いか?

冷え症の人は、寒い冬になると、足先が冷えて、夜、寝床に入ってもなかなか寝つけないという悩みを訴えることが多くあります。

その対策として、靴下履いて寝る人も多いようです。

寒い季節はもちろん、夏でも冷房を点けて寝ていると、足が冷えてしまいます。

靴下を履いて寝れば、温かく感じて、足の冷えを防いでくれそうです。

しかし、その一方で、靴下を履いて寝るのは良くない、という意見もあります。

寝る時靴下を履くのは、冷え症にとって、本当に良い効果をもたらすのでしょうか?

そこで、まず、冷え症対策のために、「靴下履いて寝る」ことについて、そのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います

■冷え症に、靴下履いて寝ることのメリットとは?

冷え症でなければ、靴下を履かないで寝るのが自然でしょう。

しかし、足先が冷えて、寝床に入ってもなかなか寝つけないで困っているという人にとっては、少しでも足先を温め、冷え症を克服するために、靴下履いて寝ることは決して不自然なことではありません。

その理由は、寝る時に靴下を履くと、冷え症対策として、暖かくてよく眠れるということのほか、デトックス効果やむくみを取るという効果があるからです。

・メリット①~冷え症対策として、暖かくてよく眠れる

 寒い時に服を何枚も着込んだり、布団を重ねたりするのは普通のことです。

同様に靴下を履くのは、寒さや、足の冷えから体を守る効果があります。

寝る時も、靴下を履くことで、足の冷えを感じずに、すぐに寝つくことができたという声が多く聞かれます。

人の体は眠る前になると、深部体温が低下して、眠るのに適した状態になります。

深部体温が下がると、体の末端である手足から熱が放出されます。

体の熱が血液に乗って手足に廻り、熱がそこから放散されるのです。

しかし、冷え症の人は血行が良くないため、温かい血液を手足の先までスムーズに運ぶことができません。

靴下を履いていれば、足が暖かくなるので血流が良くなり、熱放出が上手くいきます。

その結果、体が眠るのに適した状態になり、寝つきが良くなるというわけです。

最近は、女性だけでなく、男性も冷え症に悩む人が多くなっています。

足先は血流や代謝が悪くなりやすいため、体の他の部分より冷えやすいのです。

寝る時の冷えから足を守るためにも、靴下を履いて暖かくすることはとても大切です。

・「頭寒足熱」の考え方を理解しておこう!

冷え症対策を考える時に理解しておきたいのが、「頭寒足熱」の考え方です。

頭寒足熱とは、文字通り、頭は涼しくして、足は暖かくするという、体の温め方を表すものです。これは、冷え症対策の基本であると言って良いでしょう。

一般的に、人間の体は、上半身よりも下半身の方が体温が低くなっています。

そのため、冷えを感じるのは、主に足や下腹、手の先など体の下の方が多いようです。

このことから、冷え症対策をする時には、もともと体温の高い上半身よりも、体温の低い下半身を温めて、体全体の体温のバランスを取ることが大切です。

・メリット②~デトックス効果

靴下履いて寝ることで一番効果が高いと言われているのが、デトックス効果です。

寝る時に靴下を履いて温かくすることで、老廃物や毒素を排出しやすくすることができます。

温かくなって出た汗によって排出された老廃物や毒素を、靴下が吸収するという役割も果たしてくれるのです。

女性だけでなく、仕事の疲れや、乱れた食生活など、日頃から毒素の溜まりやすい男性にとっても、デトックス効果は魅力的でしょう。

・メリット③~むくみを取る

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寒さ対策以外に、足のむくみを取って、下半身の血流を良くする効果もあります。

昼の間、仕事中に着圧靴下を履いている人も多く見かけますが、夜寝る時に利用しているという人も結構いるようです。

また、就寝時に着用するために製造された靴下の中には、足に適度な圧を加えてむくみを取り除く働きを持つ着圧靴下というものもあります。

着圧靴下には、足首やふくらはぎなどむくみやすい箇所に重点的に圧を加える製品もあり、寝ながら、むくみに対するケアを行えるようになっています。

履いているだけでむくみが取れるという、むくみ取り靴下もあります。足全体に様々な圧をかけることで、体全体の血流を良くしてくれるのです。

■冷え症に、靴下履いて寝るのは、逆効果って、本当?

従来は、冷え症対策として、靴下履いて寝るのは、かえって足が冷えて、逆効果になってしまうという、否定的な考えがありました。

では、靴下を履いているのに足が冷えるというのは、本当でしょうか?

・デメリット①~足裏の汗が体温を吸収して、外に逃がしてしまう?

靴下を履いて寝ると、温まり、寝やすくなると感じるかも知れませんが、実は、人は寝る時に手や足の裏で体温調節をしているのです。

靴下を履いて寝ると、足の裏から放出される汗や熱を外に出すことができないので、熱がこもって逃げられなくなります。

そのため、必要以上に汗をかきやすく、そのかいた汗が足の体温を吸収して外に逃がそうとするために、かえって足を冷やすことになってしまう、というわけです。こうなると、結果的に、眠りも浅くなってしまいます。

確かに、この説は、ある意味正論ではあります。ただし、冷え症でない健康人の場合にのみ当てはまるのです。

すでにメリットの項で説明した通り、冷え症の場合は、足の先まで血液が行き届かず、そもそも放出されるほどの熱が産生されません。

また、足裏から熱を放出しやすい材質の靴下を履けば、汗をかくこともありません。

・デメリット②~足先の血行不良から、代謝が悪くなる

 靴下のゴムが足首を締め付けて、血行不良を引き起こし、足が冷えてしまう。

  ↓
さらに、血行不良によって、老廃物が対外に排出されにくい状態になるため、新陳代謝が悪くなる。

  ↓
代謝が悪くなることで、体内に水分が溜まりやすくなり、むくみの原因となる。

  ↓
むくみによって、毛細血管やリンパ管が圧迫され、老廃物が溜まり、結果として、冷え症を改善するどころか、かえって悪化しかねない、という説です。

これに対しては、足首を締め付けない、ゴムのゆるやかなウールの靴下でも履けば、このデメリットは解消されます。

従って、実際問題として、冷えを感じずにすぐに眠りにつきたいと思うならば、とりあえず靴下を履いて、寒さを我慢するよりは、足元を温めてみることをおすすめします。

もちろんその際は、「靴下を履いて寝ることのデメリット」が解消されるように、注意点をしっかりと理解して、正しい履き方をすることが重要になります。

■冷え症対策で、靴下履いて寝る時の注意点とは?

体や足を温めたい、良い睡眠をとりたいと思って、靴下を履いて寝ても、いくつかの注意点を正しく理解しておかないと、逆効果になってしまう恐れがあります。

どんな靴下を履いても良いわけではなく、寝る時に適した靴下を選ぶのが重要です。

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・注意点①~靴下の素材に注意する

寝ている間に足にかいた汗がこもるような素材の靴下は避けましょう。

そのため、保温性に加えて、汗を吸い取る「吸湿性」が高く、吸った汗を逃がす「放湿性」に優れている素材が適しています。

おすすめなのは、天然素材のウールやシルクの靴下です。

ナイロンやポリエステルなど化学繊維の靴下は吸・放湿性が低いので、避けた方がいいでしょう。

・注意点②~締め付けの弱い靴下を履く

締め付けの強い靴下は血行を妨げ、血行が悪くなるので、締め付けの弱い、ゆるめの靴下がおすすめです。

日中に履いている普通の靴下は、締め付けが強過ぎるので、寝る時はおすすめできません。寝る時専用のゆるめの靴下もあるので、よく選んでみましょう。

ゆったりと履けるように、ルーズソックスのようなものがおすすめです。使い古してゴムが伸びたものや、大きめのサイズの靴下でも良いのです。

・注意点③~開放感のある形状のものがおすすめ

足の指を自由に動かすことができる五本指靴下というものがあります。

これは、足指の動きが活発になることで血行の改善を促すことができ、冷え症対策だけでなく、疲労回復にも効果があります

5本指靴下が苦手だという人には、足袋と靴下をミックスさせたような靴下もあるので、試してみてはいかがでしょう。

これは、親指だけが離れているタイプなので、親指が自由に動かせる開放感があるうえ、窮屈感もないので、夜履いて寝るのに特におすすめです。

 

 

体温高いのに冷え症になるって、本当?

冷え症というと、当然体温も低いと思いがちですが、実際はどうなのでしょうか?

世の中には、体温低いけれど冷え症ではない人もいれば、逆に、体温高いのに冷え症の人もいます。

そこで、今回は、冷え症と「体温高い、低い」との関係について、お伝えします。

■冷え症と「体温低い」のは、イコールではない!?

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冷え症とは、一般に「普通の人が寒さを感じないくらいの温度でも、全身や手足、下半身など体の一部や全身が冷えて、辛い症状」と言われています。

そして、冷え症の人は皆、体温が低いと思われがちですが、必ずしもそうとばかりは言い切れません。

一般に、体温が36度未満の人を「低体温」と呼ぶことがありますが、冷え症の定義に「体温が何度以下」、ということはないのです。

冷え症の自覚症状があっても、体温(平熱)が36度以上ある場合もあれば、 体温が低い「低体温」だからといって、必ずしも冷え症だと言うわけでもありません。

・「冷え症」と「体温低い」のは、どう違うの?

では、「冷え症」と「体温低い」のは、どう違うのでしょうか。

冷え症は、実際の暑さ寒さに関わらず、異常に冷えを感じてしまう状態のことと言えます。

冬でも夏でも手や足先が冷える、ひどくなると、痛みや、のぼせ、下痢などを伴って、日常生活に苦痛と感じるような不快な症状が表れます。

冷え症の人が感じる、手足などの末端の冷えは、様々な原因から手足の血管が収縮したりすることで、血流が悪くなることが一因となって起こります。

そのため、体の表面の温度は低くなります。

しかし、その場合でも、体温を測ってみると、36度以上あって正常なことがあります。(もちろん、体温が低いこともありますが)。

というのは、体温は、「深部体温(内臓の温度)」と言って、体の中心の温度を測っているからです。

「体温低い」というのは、体の中枢の深部体温の温度が低いことを言います。

医学的な「体温低い」の定義は、本来37度くらいである体の中の深部体温が、35度以下になってしまうことです。

ちなみに、私たちがいつも測定している「体温」は腋の下、耳などですが、これは「深部体温=内臓の温度」が体の表面(皮膚)に伝わっている温度を測っているので、若干低くなっています。                                          

冷え症は、体の表面が冷たくなるという症状により自覚できる場合が多いのですが、体温が低いのは体の内部の状態なので、自覚症状がないことも大きな違いと言えるでしょう。

■冷え症と言える体の表面温度は何度から?

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冷え症の場合、体の表面の温度は、何度くらいなのでしょうか?

前述したように、「何度以下が冷え症・・・」という定義は特にありません。

また、指先や足先などの末端は特に個人差が激しいのですが、目安となる温度はあります。

体の表面でも、温度が比較的安定していると言われるのがお腹の表面です。

お腹の表面温度は、腋の下より2度低いくらい、平均で34~35度くらいになります。

これが32~33度になると、冷え症を疑った方が良いでしょう。

同様に、足先の表面温度が常に30度を下回るくらいなら、「冷えている」と言えます。

もちろん、外気の温度にも影響を受けますから、室温がもっと低ければさらに下がることになります。

とは言え、表面温度計は、一般家庭にはあまり常備されていないと思われるので、普通の体温計で測った腋の下の体温が35度台ならば、足元の表面体温は30度を下回っていると考えて良いでしょう。

■冷え症の原因は?

冷え症が起きるのは、いくつか原因がありますが、第一はストレスなどの影響で、自律神経が失調して、体温調節の機能が正常に働かなくなった場合です。

人の体は、体表面の温度が一時的に下がっても、自然に元に戻るようなしくみになっています。

例えば、気温が急激に下がった場合、体の表面から熱が逃げないように 「皮膚の毛細血管を収縮する」指令が脳から出て、血液循環量を抑制します。

すると、一時的に体の表面は冷たくなりますが、ほぼ同時に「熱エネルギーを増産する」指令が脳から内臓に出て、体が温まります。

この体温調節作用が上手くいかない時、冷えを感じるのです。

第二は、血液循環が悪い場合です。貧血や低血圧、手足の動脈硬化、内臓の機能低下などによる血液・血管系の不調が原因で、血行不良になって、冷えを感じる場合です。

また、筋肉量が少なくて上手く熱が産生できない場合も、冷え症の原因になります。

特に、手足が冷えるのはなぜ?

温かい血液の出発点は心臓で、血圧は心臓から離れるに従って低くなります。

心臓から最も遠い手足は血圧が低く、温かい血液が流れにくいために冷えやすいのです。

特に、体温が下がって血液の流れが悪くなると、体はより大切な内臓や脳に優先して血液を循環させ、手足は後回しになるので冷えてしまうのです。

もちろん、体温が低いことが原因で冷え症になることもあります。

■体温が低い原因は?

体温が低い、低体温の目安は、体温が35度台です。

人の体は、周囲の環境などで急激に体温が下がると、震えが来たり筋肉が硬直しますが、これは熱を作り出そうとする働きで、こうなることで体温を通常の状態に戻して、一定に保つようにしようとするのです。

ところが、この体温調節が上手く行われない場合や、あまりにも急でこのような動作で熱を作るのが間に合わないと、体温が低いままの低体温状態になってしまいます。

最近、このような一時的な体温の低下ではなく、従来に比べて恒常的に体温(平熱)が低下していることが問題視されてきています。

この恒常的な体温低下の傾向は、持って生まれた体質的な場合や、甲状腺機能低下症といった病気でも起こりますが、何より運動不足、不規則で栄養の偏った食生活、ストレスといった日常的な生活習慣の変化による影響が大きいと考えられます。

そして、女性だけではなく、近年では、男性や子どもにも低体温化が進んでいると言われています。

■体温低いことが冷え症の原因に!?

内臓が活発に働くために必要な温度は37.2度と言われています。

腋の下の体温が36.5度前後なら、体内温度は37..2度程度あるということになり、生命力が最も活発になる体温で、細胞の新陳代謝も活発に行われます。

逆に体内温度が37.2度に満たないと、免疫力の低下、自律神経の失調、ホルモンのアンバランスなどを引き起こす原因になり、体の様々な不調となって表れます。

例えば、体温が1度下がると、免疫力が30%も低下し、代謝は12%低下すると言われています。

体温が正常ならば、免疫システムも正常に働き、健康が保たれることになるのですが、体温が低いために免疫システムが正常でないと、体内に入り込んだウイルスや細菌に負けてしまい、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。

また、免疫システムのバランスが悪いと、本来ならば攻撃する必要のないものにも反応してしまって、アレルギー症状を引き起こしてしまうこともあります。

冷え症には、やはり体温が低い人が多い?

体温が低い人は基礎代謝や免疫力が低く、そこに睡眠不足や栄養不足など体を冷やす要素が加わると、体温はさらに低下して、冷えやむくみ、疲れやすいなどの症状が表れること多くなります。

また、体温が低い人は、血圧も低い低血圧の場合が多いようです。

体温の調整も血圧の調整も、自律神経の働きが大きく影響します。

この自律神経が上手く機能しないと、低血圧になり、体温も低くなってしまうのです。

そして、低血圧は、貧血とも密接な関係があると同時に、冷え症とも関連があります。

■低血圧が冷え症を招く

血圧とは、血液が流れる時に血管を内側から押す圧力のことを言いますが、血管が拡がったり血の巡りが悪くなることで、血管を押す圧力が下がってしまう状態が低血圧です。

低血圧の一般的症状として、めまいやふらつき、耳鳴り、食欲不振、倦怠感、そして、手足の冷えやむくみなどが挙げられます。

・冷え症と低血圧は大きな関係がある

冷え症の原因は、血液の循環が悪いことから生じますが、血液は体温調節のための熱を運ぶ役目を持っています。

足の筋肉が弱い場合や、毛細血管の働きが悪いと、血液が足先で滞ってしまい、そのため冷え症が起こります。

血圧は心臓から離れるに従って、また動脈、毛細血管、静脈の順に低くなっていきます。

従って、心臓から一番遠いところにある足先の静脈の血圧は、体の中で一番低くなっています。

また、体温も心臓から離れるに従って低くなるのが普通です。

血圧が低ければ低いほど、温かい動脈血が末梢血管へ流れにくくなり、さらに冷たい静脈血も末梢血管から心臓へ戻りにくくなって、静脈血のうっ血が起こり、冷えを生じ易くなって、冷え症の原因になります。

つまり、低血圧の人は、冷え症になりやすいと言えます。

低血圧とは、心臓が血液を送り出す力が弱いことを言いますが、冷え症で悩む場合も同時に低血圧に陥っている場合が多いのです。

■冷え症なのに体温高いのは、なぜ?

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一方、「手先や足先が冷たいのに、なぜか体温は高い…」という人がいます。 

普通は、冷え症の人は「体温が低い」と思いがちですが、例外もあります。

冷え症なのに、体温は高いということも、もちろんあり得るのです。

言い換えれば、体温高いのに、なぜ冷え症になるのでしょうか?

いくつか理由が考えられます。

・体温高いのに冷え症の理由①~血行が悪い

体の中で熱はきちんと作られているから体温は高いのに、その熱を運ぶことができていないので、冷え症になる場合です。

私たちの体は、内臓などで熱が作られ、その熱が血液によって全身にくまなく運ばれるので、体の隅々まで温まります。

しかし、血液の流れが悪くなると、熱を運ぶことができません。

それで、手先や足先が冷たくなる冷え症になるのです。

この場合、特に、手足など体の末端に血液を循環させる末梢血液循環機能が低下している可能性があります。

そのため、末端冷え症になってしまうのです。

末梢血液循環機能の低下は、老化やストレスなどによる自律神経のアンバランスによっても引き起こされます。

・体温高いのに冷え症の理由②~寒さを感じやすい

体温(平熱)が高いと、寒さを感じやすいとも言われています。

人の体は中心に近づくほど体温が高く、その分、手や足の先は冷たくなりがちです。

体温(平熱)が高めの人は、体の中心と末端部分の温度の差が激しくなりやすいので、冬だけでなく、室内外のちょっとした気温の変化にも敏感になりがちです。

そして、体温と外気温に大きな差を感じるために、体温が低い人よりも寒さを感じやすくなって、どちらかというと寒がりな傾向にあります。

個人差がありますが、寒がりの程度が高じて、冷え症のような症状を自覚する場合もあると考えられるのです。

 

いかがですか。

冷え症は、体温が低い人がなりがちですが、例外として、体温が高い人もなり得るということですね。

そして、冷え症を改善するのも、体温が低いのを改善するのも、基本的には、同様の対策を取れば良いということが分るでしょう。

すなわち、日常的な生活習慣の見直しが重要だということですね。

冷え症と貧血・低血圧との関係は?

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冷え症の人には、貧血や低血圧の人が多いとも言われています。

そして、貧血や低血圧の人にも冷え症の人が多いと言われています。

冷え症と、貧血、低血圧の間には相関関係があるのでしょうか?

いずれも、抜本的な改善をはかるには、体質改善に努めることが重要です。

そこで、今回は、冷え症と貧血、低血圧についてお伝えします。

冷え症の原因は、自律神経の乱れによる血行不良!

 血液には、酸素や栄養分を運んで体温を一定に保つ働きがあるため、血行が悪くなると手足の先まで血液が届かずに、冷え症になってしまいます。

 この血行不良は、主に自律神経の乱れによって引き起こされると考えられています。

ストレスや、ホルモンバランスなどが崩れて自律神経のバランスが乱れると、基本的に交感神経が過剰に働き、全身の筋肉が無意識の内に緊張します。

必要以上に「全身に力が入っている」状態で、緊張感が続くと、筋肉の近辺を通る血管や筋内部の毛細血管の血流が悪くなり、内臓への栄養&酸素供給がおろそかになってしまいます。

このような状態が長く続くと、結果として体は血行不良の状態が続くことになり、各種ホルモンの分泌や体温調整などにも支障をきたすことになるのです。

つまり、自律神経が乱れることが、冷え症の最も大きな原因と言えるのです。

 また、冷え症の人には、同時に貧血や低血圧になっている人も多いと言われています。

そこで、冷え症と貧血、低血圧との関係について、見てみましょう。

貧血の症状とは?

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貧血とは、血液中の赤血球や赤血球に含まれるヘモグロビンの量が正常値よりも少ない状態を言います。

具体的には、ヘモグロビンの数値が女性は12g/dl以下、男性は13g/dl以下の場合に貧血と診断されます。

体の細胞は、血液中の栄養素や酸素を利用して熱エネルギーを産生します。

ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割があり、不足すると、酸素や栄養素を運ぶ働きに支障が出て、細胞のエネルギーの産生にも悪影響を及ぼします。

その結果、脳や体が酸素不足になって、動悸や息切れ、体のだるさ、食欲不振、めまいや立ちくらみ、肩こり、腰痛、手足の冷え、不眠、皮膚やツメの異常、イライラなどの症状が現れます。

赤血球やヘモグロビンの減少を放っておくと、必要な酸素が全身に行き渡らずに、心臓に大きな負担をかけることになります。

結果として体力不足を招き、疲れやすく、手足が冷える状態を招いてしまうのです。

そのため、貧血の人には冷え症が多いとも言えますが、逆に冷え症の人には貧血が多いとも言えるので、両者は相関関係にあると言って良いでしょう。

■貧血の原因は・・・、鉄分の不足!

 貧血には、様々な原因があります。

赤血球を作るのに必要な鉄分ビタミンB12、ビタミンB群の一種である葉酸などの栄養素が不足したり、出血性胃炎、痔、白血病やガンなど重い病気が原因となっている場合もあります。

一般的には、鉄分が不足する事で起こる鉄欠乏性貧血が多いようです。

鉄分は、体の中で貯蔵鉄として蓄えられ、毎日そこから消費されるので、食事でしっかりと鉄分を補わなければなりません。

しかし、鉄分はとても吸収しにくい栄養素なので、徐々に鉄分が不足していく傾向にあります。

また、女性は、生理や.妊娠・出産、ダイエット志向による食事の制限などによって、鉄分が不足しがちです

さらに、激しい運動、睡眠不足、ストレスがなどが貧血を招いたり、悪化させる原因になります。

貧血と低血圧の違いは?

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低血圧は、朝起きてすぐに測定した基礎血圧の最大値が100mm Hg未満と定義されています。

特に女性に多いのが、通勤電車などで長時間立っていて気分が悪くなる起立性低血圧で、下半身に溜った血液を心臓に押し上げる力が弱く、脳に血液が十分回らないことで起こります。

貧血は、血液中のヘモグロビンの量が減少していて、血液が薄い状態です

 一方、低血圧は、心臓から押し出された血液が血管の壁を内側から押すポンプ作用が弱くなり、血液を送る力が低下して血液の流れが遅くなっている状態です。

低血圧で血液を送り出す力が不足していると、血液がドロドロになりがちで、血行不良になって、冷え症の原因にもなります。

低血圧は、遺伝的な体質による原因が大きいとも考えられますが、冷え症や貧血、高血圧、糖尿病などと同様に、生活習慣の乱れによる影響の方が大きいと考えられます。

冷え症を改善するには?

冷え症の抜本的な改善をはかるには、まず全身の血行を良くすることが第一です。

血行障害のメカニズムについて考えなければならないのが、冒頭にも触れた自律神経との関係です。

なぜなら、自律神経は体温調節に関わる部分だからです。

私たちの体は、発汗や毛穴の開閉、エネルギーの代謝、筋肉の震えなどによって寒い時には熱を産生し、暑い時には熱を放出しています。

こうした一連の働きにより、体温を一定に保つことができるわけですが、この調節を行っているのが交感神経と副交感神経からなる自律神経です。

従って、何らかの理由で自律神経が乱れ、体温調節がうまく行われなくなると、冷え症の症状が表れてきます。

・生活習慣の改善が基本に

冷え症を改善するためには、自律神経を乱すような生活を見直し、そのうえで体を冷やさないように工夫すること、エネルギーの産生につながるように栄養バランスの取れた食事を摂ることなどが大切になります。

さらに、ストレスを溜めないように、リラックスすることも冷え症改善に必要になります。

結局のところ、冷え症も貧血も低血圧も、その改善のためには、食生活・運動・睡眠等々の基本的な生活習慣の改善やストレス対策も含めて、「心身の健康」に向けて幅広くアプローチしていくことがより必要になるのです。

■冷え症・貧血を改善するには、食生活から。

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冷え症と共に、特に貧血を改善するには、まず栄養バランスのよい食事を規則正しく摂ることが基本になります。

特に、体を温める食材をとり、冷たいものを摂り過ぎない、そして、 鉄分、ビタミンB12葉酸といった赤血球を作るのに必要な栄養素を豊富に含んだ食材を摂るのが重要です。

鉄分、特にヘム鉄という吸収の良い鉄分が多く含まれた食品を積極的に摂りましょう。

例えば、レバー、牛肉、レバー、大豆、カツオなど赤身の魚に鉄分が多く含まれています。

また、鉄の吸収を高めるビタミンCが多く含まれている緑黄色野菜も併せて摂るようにしましょう。

ビタミン12はレバー、魚介類、チーズ、卵に、葉酸はホウレンソウ、アスパラガス、ブロッコリー、納豆などに多く含まれます。

貧血を治すには時間がかかるので、最低でも3ヵ月は摂り続けることをおすすめします。

同時に、海藻類、ビタミンの多いタンパク質、野菜、生姜など体が温まる食材を摂取することが大切です。

また、調味料は、なるべく精製されたものより、天然塩や黒砂糖といった天然物の方が、ミネラル分が豊富で栄養価が高いので、おすすめです。

日常生活の工夫が大事!

・適度な運動をしよう

現代人は、とかく運動不足になりがちです。

せめて、日常生活の中でも取り入れられる「20分以上」のウォーキングや有酸素運動を始めましょう。

ウォーキングの時のポイント

・背筋を伸ばし、肩の力を抜く。

・股関節の前側をしっかり伸ばして、後ろ脚でしっかり蹴り出す。

・進行方向に対して、おへそがぶれないように歩く。

入浴をする

シャワーですませるのではなく、湯船に浸かってゆっくりと落ちついた時間を過ごすと、全身の血行が非常に良くなります。

・衣服の工夫

ポイントは3つです。すなわち、

・締めつける下着は着ない。

・腰から下を冷やさないように、靴下や腹巻きをする。

・寒さに我慢せず、薄着をせずに重ね着をする。

 

いかがですか。

冷え症や貧血・低血圧を改善するために気を付けるべきことに、難しいことは何一つありません。

普段から、規則正しい生活、すなわち栄養バランスの取れた食生活と適度の運動などを心掛けるだけで、健康は維持・増進できるのです。

とは言うものの、「言うは易し、するは難し」で、それを実行し続けるのが難しいのですけれどもね・・・。

 

温泉の効能発揮には、温泉を飲む=「飲泉」もある!

めっきり冬らしい陽気になってきましたね。寒さが身に染みる季節には、ゆっくり温泉にでも浸かってほっこりしたいものです。

新型コロナ禍も、第6波が来る前に、ひっそりと温泉にでも行って、英気を養いたいですね。

温泉の効用については、すでに広く知られていますが、今回は、温泉の知られざる効用などについて、改めて紹介したいと思います。

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■温泉は、古来より「湯浴(あみ)」から始まった。

そもそも日本での入浴の習慣は「湯浴(ゆあみ)」から始まっています。 

6世紀に伝来した仏教の影響で、寺院などで沐浴(もくよく)が広く行われるようになりました。

体の汚れだけでなく、心の汚れも取り去って清めるという「みそぎ」から発展したのが「湯浴み」だと言われています。

やがて、江戸時代になって「湯治(とうじ)」が一般的に行われるようになります。

すなわち、 農村地帯を中心に、農閑期に皆が温泉地に集まって裸の付き合いをして、明日への活力を充電する、一大レクリエーションの場となったのです。

温泉というのは、本来、病人を治すのではなく、もちろんそういう効用もありますが、どちらかというと、げん氣な人が一層げん氣になる生活の場と言えるでしょう。

温泉には、免疫機能を高め、ストレスを解消し、体内の全てのバランスをうまく調整するという大きな働きがあります。

・日本の温泉は、泉質が豊富で、いろいろな効能を味わえる。

温泉には、いろいろな成分が溶け込んでいて、それぞれに効能があるのです。

日本の温泉は泉質が豊富ですが、大別して酸性の湯は水素イオンに殺菌効果があるので、特に皮膚病に効きます。

一方、アルカリ性の湯は、炭酸イオンが皮膚の脂肪分を分解してツルツルにするので、美肌効果があります。

珪素は、美容のほかに神経痛にも効果があると言われています。

湯に浸かるだけでなく、珪素を含んだ泥(鉱泥)でパックすることも、美容法の一つとして行われています。

炭酸ガスは、血液中に吸収されると血管を拡張する働きがありますので、血行が良く なり、心臓などの循環器系に良い影響を与えます。

また、 化石海水はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが豊富に含まれているので、保温効果があります。

さらに、肌の湿り気を保つ保湿効果(モイスチャー効果)があります。

・温泉成分による効果だけではない、温熱効果と遠隔効果。

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もっとも、最近の温泉医学では、成分云々よりも、温熱効果や遠隔効果を重視する傾向にあります。

最も重要なのが温熱効果で、41~42 度の湯に10分間程度浸かると、ストレス解消になります。

これは、温泉でなくても、一般家庭で入浴しても得られますが、できるだけ大きなお風呂に入って、ゆったりくつろぐと、より大きな効果が得られます。

遠隔効果というのは、ふだん生活している土地を離れて、非日常的な体験をするというものです。

それによって、体や心の乱れたものを元に戻す、 いわゆる調整効果が得られるのです

例えば、九州の黒川温泉は多くの人々から愛され、高く評価されています。

その魅力は、もちろん弱酸性の温泉成分も良いのですが、むしろ環境にあると言われています。

雄大阿蘇の風景の中を通って箱庭のような町に入ってきた時の変化が、どれだけ人にインパクトを与えるか、また、憩いを感じさせる佇まい、自然の風景と町並みが一体となった温泉地全体の環境が素晴らしいのです。

■温泉の持つ総合力で、飲泉効果を最大限に高める

朝倉一善さんという作家は「“奇跡”の温泉―医者も驚く飲泉力」(2007年、朝日文庫)という著書の中で、次のように述べています。

「私たちの体の中で作られ、私たちが生きていくためのすべての化学反応を行っているのが数千種類もの酵素であるが、この酵素バクテリアのようにミネラルを取り込んで、水のあるところでしか活性化しない。

(中略)体にいい水の条件のひとつはミネラルに富んだ水であること。ヒ素・水銀・鉛・カドミウムといった、量が多すぎると有害な重金属の問題もなく、 農薬などの有害な化学物質が混入している心配もない、水道水のように残留塩素(遊離塩素)もな い飲用できる温泉源泉水は、ミネラルバランスにすぐれた水の典型といっていい。」

また、温泉療法専門医も「温泉から分析表どおりの効果を得ようとするなら、飲泉しかないですよ、入るよりもです。飲泉がいちばん確かですね」と語っています。

日本では、ヨーロッパほど飲泉の習慣は盛んではありません。

自然環境や土壌の違いもありますが、ヨーロッパの温泉は成分が多く含まれていて、濃いので、飲みにくい反面、薬効が大きいのです。

便秘解消や肥満症、慢性消化器病などの治療に効果があるようです。

温泉を飲む習慣は古く、ギリシア・ローマ時代からあったと言われています。

・日本の温泉は飲みやすいが、効果も穏やか。

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一方、日本の温泉は、全般的に含有成分が少なく、薄いので、 口当たりがよく飲みやすいのですが、飲むだけで病気が治るほどの効果を望むには、少し無理があると言われています。

昔、薬がない時代には、代替療法として飲泉が取り入れられたことがありましたが、現在は、飲泉だけを療養に用いているところはほとんどありません。

病気に効くところまでは発展していないので、飲泉だけで治るとは言い切れないのです。

体を治すには、まず近代医学(西洋・漢方)、それでうまくいかない場合に、いろいろ補完的な意味で、いわゆる代替療法と言っていますが、その一つとして飲泉が考えられているわけで、この点を錯覚しないようにすることが重要です。

飲泉の効用については、いろいろな見解が出されていますが、まだ研究途上で、果たして飲泉だけでどこまで効くかということについて、はっきりと結論づけるのは早計のようです。

ある程度の効果はあるでしょうが、より高い効果を出すためには、入浴と一緒に行うことが必要です。

なぜなら、温泉の効用というのは、本質的には飲むだけでなく、入浴して、楽しく語り合いコミュニ ケーションを取りながら、食事をしたり、レクリエーションをするといった生活の中の一部として 存在するからです。

一般に、温泉水に含まれている塩分が、炭酸ガスなどいろいろなガスを吸着する性質があると言われています。

現在、日本には約 3 万の源泉、約 3 千の温泉地があると言われていますが、その中で飲泉が認められている源泉は、わずか100~200 に過ぎません。

伝統的に飲泉の習慣が根付いている所ならば良いのですが、新たな所は許可されにくい傾向にあります。

飲泉については、例えば砒素の摂取は 0.1mg/日以下というように、同様に銅、鉛、亜鉛、フッ素、硫化水素などについても国の基準が定められている上、また、きちんとした飲泉施設を作らなければなりません。

現在では、温泉水は温泉場に泊まって、そこで飲むのが望ましいですね。

前に述べた遠隔効果のとおり、 そこへ訪れる行為も非常に重要だからです。

森林の中でハイキングをしたり、魚釣りをしたり、食事や名所旧跡めぐり、等々いろいろ総合的に行って、その人を今までとは違った方向へ持っていくのを「温泉地療養」と言います。

その中で、飲泉もその一部として位置付けることで、飲泉自体の 効果を最大限に発揮できるわけです。

湯治を行っている温泉旅館には、入浴や飲泉だけでなく、温泉水を食事に利用するところもあります。

温泉水でご飯を炊いたり、おかゆを作ったり、味噌汁を作ったり、野菜を煮たり、豆腐を作ったり、玉子をゆでたり、そのように温泉を生活の中に取り入れている所が何ヵ所かあります。

長野県の小谷温泉、野沢温泉和歌山県湯の峰温泉兵庫県日本海側に位置する湯村温泉などです。

・多種多様な温泉の恵みを総合的な方法で享受しよう!

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温泉の効用を十分に享受しようと思ったら、温泉の持つ総合力を重視しなければならないのです。

例えば、アルカリイオン水だけを飲んで健康になるということは、本来あり得ません。

それだけを取り入れるのではなく、生活の中で、きちんと他の物も取り入れて、初めて効果が現れるものなのです。

そもそも、一つの物だけで、それだけやっていれば良いという医学的なものは世の中にはありません。

人間は、いろいろなことをやって生きてきました。いろいろなものを食べ、いろいろなことができるので、生活範囲も広く、そのお陰で動物の中で一番栄えてきたのです。

まさに、多種多様な生活をしてきたわけですね。

日本の温泉も多種多様です。泉質、成分、温度、旅館、等々いろいろなものがあるから、面白いのです。

しかも、いろいろなものがあって、一つの形を成しているのです。

温泉はナチ ュラルなものですから、人と温泉との関わりには、どうしても“曖昧な部分”が出てきます。

自然療法は、その曖昧さを尊重します。

お互い裸になって野天風呂に入ってコミュニケーションする、また生命力を持った同じ温泉水を飲むことで、「生きる力」が蘇るのです。

ここでいう“曖昧さ“とは、どっちつかずという意味ではなく、一歩高い所に立って物事を見ることです。

ガチガチに型にはまった堅苦しさではなく、良い意味での「ルーズさ」、気持ちの余裕みたいなものです。

新型コロナ禍で、冷え切った私たちの心身や経済を勇気づけるためにも、天然温泉に入って、温泉水を飲むのも大いに有効だと思います。